系統分岐図から分類した8グループとC-BARQ

 以下でご紹介するのは、日本の麻布大学が日本とアメリカの両国において、系統分岐図的に分類した8グループを対象として行った「C-BARQ」テストの結果です(出典:Comparison of owner-reported behavioral characteristics among genetically clustered breeds of dog→Nature)。遺伝的に近いと思われる8グループの内訳を以下に示します。
遺伝的8グループ
見知らぬ人への攻撃性 見知らぬ人への恐怖 訓練性 分離不安 運動活性 非社会的恐怖 同居人への攻撃性 見知らぬ犬への恐怖 見知らぬ犬への攻撃性 愛着行動 通行人に対する攻撃性

見知らぬ人への攻撃性

 「見知らぬ人への攻撃性」とは、飼い主以外の人に対して示す「うなり」、「スナッピング」(噛み付くマネ)、「吠えかかり」、「噛み付き」といった行動のことです。「レトリバー」が最低値を示している一方、「トイ」が最高値を示しています。
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見知らぬ人への恐怖

 「見知らぬ人への恐怖」とは、飼い主以外の人に対して示す恐怖や不安傾向のことです。小型犬で見られる怖がりや不安の傾向には、「IGF1」(インスリン様成長ファクター1)という物質が関係していると考えられています。
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訓練性

 「訓練性」とは、教えたことを素早く吸収し、指示に応じて適宜行動を再現できる能力のことです。「飼い主に注目する」、「自発的にコマンドを待つ」、「気が散りにくい」、「行動修正が用意」、「覚えが早い」、「取ってこいが得意」といった要素が含まれます。使役犬としての側面が強い「ハーディング」や「ワーキング」が高値を示しています。
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分離不安

 「分離不安」とは、飼い主や他の犬がそばにいないときに強い不安を感じて落ち着きを失う傾向のことです。高い値を示している「スパニエル」に比べると、古代犬種に属する「スピッツ」はかなり低い値を示しています。
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運動活性

 「運動活性」とは、活動的でエネルギーにあふれている状態のことです。「遊び好き」、「子犬っぽい」、「やんちゃ」といった要素が含まれます。牧羊などに携わる「ハーディング」がやはり最高値を示しています。
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非社会的恐怖

 「非社会的恐怖」とは、車、電子レンジ、電話やドアチャイムの音など、生き物以外のもろもろに対して示す恐怖や不安傾向のことです。
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同居人に対する攻撃性

 「同居人に対する攻撃性」とは、飼い主を含めた同じ家に暮らす人に対して示す「うなり」、「スナッピング」(噛み付くマネ)、「吠えかかり」、「噛み付き」といった行動のことです。愛玩犬として人気の高い「トイ」が、意外ときかん坊であることがうかがえます。
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見知らぬ犬への恐怖

 「見知らぬ犬への恐怖」とは、顔見知りの犬以外の犬に対して示す恐怖や不安傾向のことです。「スピッツ」は、初めて出会う犬に対しても、泰然自若とした態度をあまり崩さないようです。
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見知らぬ犬への攻撃性

 「見知らぬ犬への攻撃性」とは、顔見知りの犬以外の犬に対して示す「うなり」、「スナッピング」(噛み付くマネ)、「吠えかかり」、「噛み付き」といった行動のことです。「テリア」はやんちゃ、「レトリバー」は友好的といったところでしょうか。
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愛着行動

 「愛着行動」とは、飼い主に執着して常に注目を浴びようとする傾向のことです。この傾向が強いと、まるでストーカーのようにどこにでもついて来たり、飼い主の関心が第三者に移るとそわそわしたりします。他のグループに比べると、「スピッツ」がひときわ低い値を示していることが確認できます。
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通行人への攻撃性

 「通行人への攻撃性」とは、テリトリーに入ってきた侵入者に対して示す「うなり」、「スナッピング」(噛み付くマネ)、「吠えかかり」、「噛み付き」といった行動のことです。
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