炎症性腸疾患の病態と症状
犬の慢性腸炎とは腸管粘膜に免疫細胞が集合し、長期に及ぶ炎症状態が引き起こされた状態のことです。炎症の原因として食事やがん(リンパ腫)が除外されたものの、依然として原因がはっきりしない状態は特に「炎症性腸疾患」(Inflammatory Bowel Disease, IBD)とも呼ばれます。
炎症性腸疾患の病態
炎症性腸疾患の症状
炎症性腸疾患の原因
犬における炎症性腸疾患(IBD)の原因はよくわかっていません。人間で見られるクローン病や潰瘍性大腸炎と同様、環境要因、腸内フローラ、食事内容、消化管粘膜の免疫システムが複雑に絡み合って発症するものと推測されています。
腸内フローラ
消化管に含まれる腸内細菌叢(フローラ)が炎症性腸疾患(IBD)の発症に深く関わっていると考えられています。腸内フローラは食事内容によって変化しますので、フードが間接的な原因になっているとも言えるでしょう(:Xu, 2016)。
しかし腸内フローラがどのようなバランスになったら毒素症(dysbiosis)につながるのかはよくわかっていません。例えば健康な犬と比較した場合、IBDを発症した犬においては以下のような特徴が確認されています。
しかし腸内フローラがどのようなバランスになったら毒素症(dysbiosis)につながるのかはよくわかっていません。例えば健康な犬と比較した場合、IBDを発症した犬においては以下のような特徴が確認されています。
IBDと腸内細菌叢の特徴
- 十二指腸のフローラ炎症性腸疾患(IBD)と診断された犬7頭および健康な犬7頭の十二指腸粘膜を採取して微生物群ゲノムを解析したところ、患犬においてはプロテオバクテリア門(アルファ・ベータ・ガンマ)、シュードモナス、アシネトバクター属、ブルセラ、ブレバンディモナスが多く、クロストリジウム属が少ないという特徴が見られた(:Suchodolski, 2010)。
- 小腸のフローラ健康な犬6頭、中等度のIBDを抱えた犬7頭、重度のIBDを抱えた犬7頭の小腸粘膜を採取し、含まれる微生物群ゲノムを解析したところ、健康な犬ではフソバクテリウム門、バクテロイデス門、プレボテラ、クロストリジウム目が多く、IBDを抱えた犬ではプロテオバクテリア門(ディアフォロバクター・アシネトバクター)が多いという特徴が見られた(:Suchodolski, 2012)。
- 大腸のフローラIBDを発症した犬8頭、消化管のがんを発症した犬8頭、健康な犬15頭から便サンプルを採取し微生物群ゲノムを解析したところ、健常犬と比べてがん患犬ではユーバクテリウム科が多く、IBD患犬ではパラプレボテラとポルフィロモナスが多いという特徴が見られたが、IBDとがんの間に違いは見られなかった(:Omori, 2017)。
- 大腸のフローラ健康な犬10頭とIBDを発症した犬12頭から便を採取し、中に含まれる微生物群ゲノムを解析したところ、IBD患犬ではガンマプロテオバクテリアが多く、エリュシペロトリクス綱、クロストリジウム属、バクテロイデス属が少ないという特徴が見られた。また細菌の機能分類では分泌システムと転写因子が多く、アミノ酸代謝が少なかったが、症状の程度と細菌叢は連動していなかった(:Minamoto, 2014)。
免疫システム
腸管内に生息している片利共生細菌や病原菌を免疫システムがどのように認識するかによって発症リスクが変わると考えられます。例えば「IBDの腸管上皮細胞における抗原提示分子(MHCII)の発現量増加→片利共生菌・病原菌・食品成分に対する免疫応答の亢進→T細胞の過剰な反応と炎症促進性サイトカインの生成増加→慢性的な炎症」などです。
以下の犬種において好発疾患が確認されていますので、免疫システムの個体差には遺伝的な要因が強く関わっていると推測されます(:Simpson, 2011)。
以下の犬種において好発疾患が確認されていますので、免疫システムの個体差には遺伝的な要因が強く関わっていると推測されます(:Simpson, 2011)。
犬種別の好発腸疾患
- アイリッシュセッターグルテン感受性腸炎/常染色体劣性遺伝
- ジャーマンシェパード抗生剤反応性腸疾患/TLR4、TLR5、NOD2遺伝子の一塩基多型(SNP)
- バセンジー免疫増殖性小腸疾患/不明
- ノルウェジアンルンデフントタンパク喪失性腸疾患・リンパ管拡張症・萎縮性胃炎・胃がん/不明
- ヨークシャーテリアリンパ管拡張症/不明
- ロットワイラータンパク喪失性腸疾患・リンパ管拡張症・腸陰窩の病変/不明
- SCウィートンテリアタンパク喪失性腸疾患/不明
- シャーペイビタミンB12欠乏症/常染色体劣性遺伝
- ボクサー肉芽腫性大腸炎/NCF2遺伝子の一塩基多型(SNP)
- フレンチブルドッグ肉芽腫性大腸炎/NCF2遺伝子の一塩基多型(SNP)
慢性腸炎/DLAクラスIIの遺伝子型が防御因子になる
IBD好発犬種(オッズ比)
- ワイマラナー=3.68
- ロットワイラー=2.97
- ジャーマンシェパード=2.41
- ボーダーコリー=1.99
- ボクサー=1.70
炎症性腸疾患の検査・診断
炎症性腸疾患の検査
疾患を鑑別診断するために推奨される検査は病歴、身体検査、CBC(全血算)、感染症検査、尿検査、便検査、腹部X線検査などです。葉酸は十二指腸、ビタミンB12(コバラミン)は回腸から吸収されるため、これらの臓器に異常があると参照範囲内から逸脱した低値を示します。病変部や予後を決定するため、血液検査項目に入れた方が安全です(:Simpson, 2008)。
炎症性腸疾患の確定診断には組織サンプルの採取と病理検査が必要です。犬においては食事療法に対する反応性が良いため、ひとまず療法食を給餌し、症状が改善しない場合にだけ胃腸生検を行った方が体への負担が少なくて済みます。
食欲不振、体重減少、頻回嘔吐、小腸性下痢症などが見られる場合は胃や小腸粘膜の生検、血便や粘液便が見られる場合は大腸粘膜の生検が優先的に行われ、共通所見としては炎症性細胞の浸潤と粘膜の構造的劣化が見られます。 胃腸の組織学的な検査に関してはWSAVAが正常と異常のガイドラインを示しているものの、採取したサンプルが少なくて低質、夾雑物(アーティファクト)が多い、病理医の経験によって判定が大きく異なるなどの問題があるため、診断はそれほど簡単ではありません(:Day, 2008)。また飼い主に経済的な余裕がない場合や患犬が麻酔に耐えられないような場合は、生検自体が不可能となり診断を余計に難しくします。
炎症性腸疾患の確定診断には組織サンプルの採取と病理検査が必要です。犬においては食事療法に対する反応性が良いため、ひとまず療法食を給餌し、症状が改善しない場合にだけ胃腸生検を行った方が体への負担が少なくて済みます。
食欲不振、体重減少、頻回嘔吐、小腸性下痢症などが見られる場合は胃や小腸粘膜の生検、血便や粘液便が見られる場合は大腸粘膜の生検が優先的に行われ、共通所見としては炎症性細胞の浸潤と粘膜の構造的劣化が見られます。 胃腸の組織学的な検査に関してはWSAVAが正常と異常のガイドラインを示しているものの、採取したサンプルが少なくて低質、夾雑物(アーティファクト)が多い、病理医の経験によって判定が大きく異なるなどの問題があるため、診断はそれほど簡単ではありません(:Day, 2008)。また飼い主に経済的な余裕がない場合や患犬が麻酔に耐えられないような場合は、生検自体が不可能となり診断を余計に難しくします。
消化管組織の生検
- 内視鏡口から消化管に向かってカメラを入れる内視鏡検査では、胃・十二指腸・空腸上部にある病変部の視認と即座の粘膜サンプル採取が可能なため、おなかにメスを入れる検査より優先的に行われます。回腸以下の病変が疑われる場合は大腸を経由して下からカメラを入れることもあります。
- 腹腔鏡おなかに小さな穴をあけてカメラを通す腹腔鏡検査は空腸以下にある組織の全層採取に適しています。しかし一度にあまりにも大きなサンプルを切り取ってしまうと腸管壁の離開や細菌汚染のリスクが発生します。
- 開腹おなかを大きく切り開いて消化管を露出する開腹手術は胃腸以外の消化器から組織サンプルを採取するのに適しています。例えば肝臓や膵臓にも病変が見られる場合などです。
炎症性腸疾患の鑑別診断
検査を通じて得られた情報を元に、腸の炎症を引き起こしうるさまざまな疾患の可能性を1つ1つ除外していきます。例えば腸管の粘膜固有層にマクロファージや好中球が多く見られる場合は感染症の疑いが高いため培養・染色・FISH法で病原体を確認するとか、好酸球が多く見られる場合は寄生虫症や食物不耐症を疑うなどです。しかし組織生検だけから病理診断できることはまれですので、最終的には複数の検査結果から総合的に判断します。
IBDと類似疾患の鑑別
- 肝炎・膵炎との鑑別肝臓酵素値 | cPLI(膵リパーゼ免疫反応検査) | cTLI(トリプシン様反応物質検査)| 胆汁酸 | 腹部超音波検査 | 組織生検
- 非消化管疾患との鑑別腹部X線検査 | 腹部超音波検査 | 尿検査(腎臓病を除外) | 便検査(寄生虫を除外) | 感染症検査(細菌やウイルスを除外)
- 食物アレルギーとの鑑別除去食によるフードトライアル最低7日間
- リンパ腫との鑑別回腸粘膜生検 | 開腹手術による複数臓器からの生検 | B細胞やT細胞の免疫組織化学検査 | Ki-67スコアリング | PCRによるクローナリティ検査
炎症性腸疾患の治療・予後
犬の炎症性腸疾患(IBD)には免疫システムが深く関わっているため、治療に際してはアレルゲンの抗原性を減少させるか、抗原に対する体内の免疫応答を減弱化させることがメインとなります。
治療効果の判定には「CIBDAI」(イヌ炎症性腸疾患活動性指標)が用いられることがあります。これは活動性、食欲、嘔吐、便の硬さ、便の頻度、体重減少を個別に評価し、ポイントを総計して病状の活動性を問題なし~重症までの4段階に区分するものです。またCIBDAIに血清アルブミン濃度、腹水・末梢浮腫、掻痒を加えて改良した「CCECAI」(イヌ慢性腸炎活動性指標)も提案されています(:Allenspach, 2007)。
その他、症状が重い場合はCIBDAIと連動して変化するC反応性タンパク質の値を測定することもあります。アルブミン濃度(20g/L未満の低アルブミン血症では予後が悪い)、ビタミンB12濃度(血清濃度が200ng/L未満の場合予後が悪い)、ビタミンD濃度(血清濃度4.36 ng/mLのとき生存率低下)、凝血機能の評価(低下している場合は腸管からのタンパク喪失を意味する)の測定は予後を決める際に重要です。
治療効果の判定には「CIBDAI」(イヌ炎症性腸疾患活動性指標)が用いられることがあります。これは活動性、食欲、嘔吐、便の硬さ、便の頻度、体重減少を個別に評価し、ポイントを総計して病状の活動性を問題なし~重症までの4段階に区分するものです。またCIBDAIに血清アルブミン濃度、腹水・末梢浮腫、掻痒を加えて改良した「CCECAI」(イヌ慢性腸炎活動性指標)も提案されています(:Allenspach, 2007)。
その他、症状が重い場合はCIBDAIと連動して変化するC反応性タンパク質の値を測定することもあります。アルブミン濃度(20g/L未満の低アルブミン血症では予後が悪い)、ビタミンB12濃度(血清濃度が200ng/L未満の場合予後が悪い)、ビタミンD濃度(血清濃度4.36 ng/mLのとき生存率低下)、凝血機能の評価(低下している場合は腸管からのタンパク喪失を意味する)の測定は予後を決める際に重要です。
食事療法
炎症性腸疾患(IBD)と食物反応性腸炎(FRE)を顕微鏡下で組織学的に鑑別することは非常に難しいため、診断を兼ねて試験的に行われる食事療法が重要となります。
2005年から2012年の期間イギリスにある王立獣医大学に蓄積された医療記録を回顧的に参照したところ、慢性腸炎と診断された犬203頭のうち64%(131頭)が食事反応性、16.2%(33頭)が抗菌薬反応性、19.2%(39頭)がステロイド反応性だったといいます(:Allenspach, 2016)。その他、複数の調査によりリンパ球・形質細胞性腸炎における食事療法への反応率が60~88%とされていますので、犬がどの治療に反応するのかわからない場合は、確率的に最も高い「食事療法」から始めるのが妥当です。
食事療法の基本的なコンセプトは「フードを変えて症状が消え、フードを元に戻して症状が再び現れたら食物反応性腸炎」というものです。逆に1~2週間のフード変更によって症状の増減が確認されない場合は消去法的に「炎症性腸疾患」と診断されます。
食事療法で用いられるのは以下のような特徴を持ったフードです。「手作りフード」で補うことは不可能ではないものの、マクロ栄養素(糖質・脂質・タンパク質)とミクロ栄養素(ビタミン・ミネラル)のバランスを整えることが非常に難しいため推奨されません。
2005年から2012年の期間イギリスにある王立獣医大学に蓄積された医療記録を回顧的に参照したところ、慢性腸炎と診断された犬203頭のうち64%(131頭)が食事反応性、16.2%(33頭)が抗菌薬反応性、19.2%(39頭)がステロイド反応性だったといいます(:Allenspach, 2016)。その他、複数の調査によりリンパ球・形質細胞性腸炎における食事療法への反応率が60~88%とされていますので、犬がどの治療に反応するのかわからない場合は、確率的に最も高い「食事療法」から始めるのが妥当です。
食事療法の基本的なコンセプトは「フードを変えて症状が消え、フードを元に戻して症状が再び現れたら食物反応性腸炎」というものです。逆に1~2週間のフード変更によって症状の増減が確認されない場合は消去法的に「炎症性腸疾患」と診断されます。
食事療法で用いられるのは以下のような特徴を持ったフードです。「手作りフード」で補うことは不可能ではないものの、マクロ栄養素(糖質・脂質・タンパク質)とミクロ栄養素(ビタミン・ミネラル)のバランスを整えることが非常に難しいため推奨されません。
IBD用のドッグフード
- 除去食特定のタンパク質を成分から省いたドッグフード
- 新奇タンパク鹿肉、アヒル肉、白身魚など抗原性が異なるタンパク質を用いたドッグフード
- 加水分解タンパク加水分解処理により分子構造を変化させたタンパク質を含むドッグフード
- 療法食胃腸の障害に特化して栄養バランスを調整したドッグフード
加水分解タンパク
加水分解タンパク
IBDと診断された犬を対象とし、「加水分解タンパクを含むドッグフード+プラセボ」もしくは「加水分解タンパクを含むドッグフード+コンドロイチン硫酸・難消化性でんぷん・βグルカン・マンナンオリゴ糖」のどちらか一方を180日間に渡って給餌しました。その結果、介入の前後においてCIBDAIはどちらのグループ(サプリメントグループ9頭/プラセボグループ10頭)でもが低下が見られたのに対し、組織学的スコアの減少はサプリグループでのみ見られたといいます。 またどのチェックポイントにおいてもCIBDAI、WSAVAによる組織学的スコア、便細菌叢にグループ間格差は見られなかったとも。なお試験中に副作用は見られませんでした(:Segarra, 2016)。
加水分解除去食
投薬治療
投薬治療の目的は体内における抗原性を低下させたり免疫応答を減弱させることです。1~2週間の食事療法がうまく行かない場合や食事療法と並行する形で以下のような薬剤が用いられます。通常は「抗菌薬→抗炎症薬・免疫抑制剤→抗がん剤」の順です。
犬のIBD治療薬
- 抗菌薬・抗原虫薬オキシテトラサイクリン、メトロニダゾール、タイロシンなど/腸内細菌叢に働きかけて毒素症(Dysbiosis)を改善したり宿主の免疫システムを調整する。ボクサーやフレンチブルドッグにおける肉芽腫性大腸炎で著効
- 抗炎症薬(糖質コルチコイド)プレドニゾロン、ブデソニドなどのステロイド薬/リンパ球・形質細胞炎や好酸球性炎症が見られる場合
- 免疫抑制剤シクロスポリン、アザチオプリン、ミコフェノール酸など/T細胞によるIL-2の生成を抑制するが体内に潜伏しているトキソプラズマが免疫抑制によって再活性化するリスクあり
- 抗がん剤クロラムブシルなど/小細胞性リンパ腫、リンパ腫との鑑別が難しい難治性のリンパ細胞性IBD、タンパク喪失性腸疾患の場合
腸内細菌叢移植
腸内細菌叢移植(fecal microbiota transplantation, FMT)とは健康な犬の腸内から採取した便を、腸に疾患を抱えた犬の腸内に移すことです。犬においては急性下痢症、急性出血性下痢症、C. difficile性大腸炎、炎症性腸疾患、難治性の腸炎に対する実験的な治療が行われ、大なり小なり効果があったと報告されています。
現時点では治療法としては確立しておらず、何をやっても改善せずあとは安楽死しかないという切羽詰まった患犬に対して行われる民間療法という位置づけです。詳しくは以下のページをご参照ください。
現時点では治療法としては確立しておらず、何をやっても改善せずあとは安楽死しかないという切羽詰まった患犬に対して行われる民間療法という位置づけです。詳しくは以下のページをご参照ください。
再生医療
さまざまな器官や臓器に分化する能力を秘めた間葉系幹細胞を用いた試験的な再生医療もすでに行われています。
スペインにあるエストレマドゥーラ大学の調査チームはIBDと診断された11頭の犬を対象とし、他家脂肪細胞由来の間葉系幹細胞を体重1kg当たり200万個の割合で静脈注射しました(:Perez-Merino, 2015)。治療前及び治療42日後においてCIBDAI、CCECAI、C反応性タンパク質、血清アルブミン、葉酸、ビタミンB12濃度を測定して比較したところ、治療後のCIBDAIとCCECAIが統計的に有意なレベルで減少し、ビタミンB12と葉酸濃度は大幅に増加したといいます 。寛解(活動性指標が75%超減少)に至った割合は82%(9/11)で、残りの2頭に関しても69.2%と71.4%という減少幅を見せました。調査期間中、急性的にも慢性的にも副作用は見られなかったとも。
スペインにあるエストレマドゥーラ大学の調査チームはIBDと診断された11頭の犬を対象とし、他家脂肪細胞由来の間葉系幹細胞を体重1kg当たり200万個の割合で静脈注射しました(:Perez-Merino, 2015)。治療前及び治療42日後においてCIBDAI、CCECAI、C反応性タンパク質、血清アルブミン、葉酸、ビタミンB12濃度を測定して比較したところ、治療後のCIBDAIとCCECAIが統計的に有意なレベルで減少し、ビタミンB12と葉酸濃度は大幅に増加したといいます 。寛解(活動性指標が75%超減少)に至った割合は82%(9/11)で、残りの2頭に関しても69.2%と71.4%という減少幅を見せました。調査期間中、急性的にも慢性的にも副作用は見られなかったとも。
炎症性腸疾患(IBD)が長期化する理由は食事療法のコンプライアンス、投薬の失敗、共存症、不顕性疾患、誤診などです。子犬の頃に生肉主体のローフードを食べていると成長後のIBDの発症リスクが低下するという予備的な報告がありますが、因果関係としては証明されていません。