パノラミス®錠とは?
「パノラミス®錠」とはスピノサド(spinosad)とミルベマイシンオキシム(milbemycin oxime)を有効成分とする犬向けの内部(回虫・鉤虫・鞭虫・フィラリア)および外部(ノミ・ダニ)寄生虫駆除製品。日本国内ではチュアブル(経口投与式)が動物医薬品として認可されています。
スピノサドの効果
スピノサドは放線菌の一種「Saccharopolyspora spinosa」の発酵により生産される天然のマクロライド系化合物。スピノシンAと呼ばれる物質を85%、スピノシンDと呼ばれる物質を15%の割合で含んでいます。
作用機序は完全には解明されていませんが、摂食や接触を通じて昆虫の神経細胞に特異的に結合し、神経細胞にあるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)やγ-アミノ酪酸(GABA)受容体に作用して過剰興奮を引き起こすと考えられています。このアクションは他の殺虫成分にはないスピノサド固有のものです(:Kirst, 2010)。
アメリカでは早くも1997年に殺虫剤として認可され、2007年からは犬向けのノミ駆除剤として販売されるようになりました。日本における販売は2010年からです。発売当初は「コンフォティス®」という商品名でしたが、2014年からはミルベマイシンオキシムが混合成分として加えられ、以降「パノラミス®錠」という名前になっています。
アメリカでは早くも1997年に殺虫剤として認可され、2007年からは犬向けのノミ駆除剤として販売されるようになりました。日本における販売は2010年からです。発売当初は「コンフォティス®」という商品名でしたが、2014年からはミルベマイシンオキシムが混合成分として加えられ、以降「パノラミス®錠」という名前になっています。
スピノサドの安全性
スピノサドは体内に入った後、速やかに消化管から吸収され、2~4時間で血中濃度が最大に達します。生体利用能は70%超と高く、食物と一緒に摂取するとこの割合がさらに高まります。代謝にはおそらく肝臓におけるグルタチオン抱合が関わっていると考えられており、代謝後は24時間以内に7~10%が尿中へ、80~86%が便中へ排出されます。殺虫効果が1ヶ月ほど続く理由は、血液から脂肪組織中に蓄積された成分が少しずつ循環血液中に放出されるからです(:Science Direct)。
スピノサドは節足動物の神経細胞に特異的に作用することから、犬や人間を始めとした哺乳動物には比較的安全な成分と考えられています。とはいえ全く無害というわけではなく、大量のスピノサドを一度に大量摂取した時の半数致死量(LD50)に関し、マウスで体重1kg当たり6,124~7,119mg、ラット5,268~7,500mgとされています。ウサギにおける急性経皮毒性は推計5,000mgです(:食品衛生研究, 2002)。 また13週間に渡る給餌試験から「NOEL」(何の影響も見られない最大投与量)に関しマウスが体重1kg当たり1日6mg、犬が4.98mgと推計されています(:EPA, 1997)。
スピノサドは節足動物の神経細胞に特異的に作用することから、犬や人間を始めとした哺乳動物には比較的安全な成分と考えられています。とはいえ全く無害というわけではなく、大量のスピノサドを一度に大量摂取した時の半数致死量(LD50)に関し、マウスで体重1kg当たり6,124~7,119mg、ラット5,268~7,500mgとされています。ウサギにおける急性経皮毒性は推計5,000mgです(:食品衛生研究, 2002)。 また13週間に渡る給餌試験から「NOEL」(何の影響も見られない最大投与量)に関しマウスが体重1kg当たり1日6mg、犬が4.98mgと推計されています(:EPA, 1997)。
スピノサドの危険性・副作用
犬を対象とした調査により最小影響量(LOEL=影響が認められた最小用量)は体重1kg当たり1日8.22 mgとされています。この容量を超えて経口摂取した場合、肝臓酵素値やトリグリセリド値の上昇、副甲状腺細胞の空胞化、動脈炎などが確認されたとのこと(:Science Direct)。犬における主な中毒症状は以下です。
(:EMA factsheet)。
スピノサドはマクロライド系ですので、MDR-1遺伝子に変異を抱えてイベルメクチン中毒に陥りやすい犬種においては副作用が気になるところです。しかしイベルメクチン感受性犬種を対象とし、推奨量の10倍に相当する体重1kg当たり300mgを投与しても大丈夫だったという報告があるため、これらの犬種への適用は禁忌とされていません。具体的にはコリー(ラフ+スムース)、オーストラリアンシェパード、シェットランドシープドッグ(シェルティ)などです。
スピノサドによる副作用
- 嘔吐
- 食欲不振
- 元気喪失
- 下痢
- 振戦
- 運動失調
- けいれん・ひきつけ
- 視野障害(まれ)
スピノサドはマクロライド系ですので、MDR-1遺伝子に変異を抱えてイベルメクチン中毒に陥りやすい犬種においては副作用が気になるところです。しかしイベルメクチン感受性犬種を対象とし、推奨量の10倍に相当する体重1kg当たり300mgを投与しても大丈夫だったという報告があるため、これらの犬種への適用は禁忌とされていません。具体的にはコリー(ラフ+スムース)、オーストラリアンシェパード、シェットランドシープドッグ(シェルティ)などです。
ミルベマイシンオキシムの効果
ミルベマイシンオキシムはマクロライドに属する駆虫薬の一種。放線菌の発酵によって合成される化合物で、ミルベマイシンA3オキシム約20%とミルベマイシンA4オキシム約80%の混合により構成されています。
作用機序は、寄生線虫類や節足動物の細胞膜にあるクロライド(塩素)チャネルに作用することにより神経筋に麻痺を起こし、最終的に死に至らしめます。ミクロフィラリアのみならず幼虫のL3やL4にも有効ですが成虫にはほとんど効きません。
ミルベマイシンオキシムの安全性
犬の体内における生物学的利用能はミルベマイシンA3の方が81%、A4の方が65%と推計されています。また血中最高濃度は投与から1~2時間で達し、A3の方が42ng/mL、A4の方が246ng/mL程度です。消化管から速やかに吸収された後、血流に乗って全身の組織に行き渡り、半減期はA3の方が1.6日、A4の方が3.3日とされています。
動物を対象として行われたミルベマイシンオキシムの毒性試験の結果は以下です。「NOEL」とは 毒性試験期間中に試験物質を与え続けても、動物に何の影響も認められない最大の投与量、LD50とは投与された動物の半数が死に至る値(半数致死量)のことです。単位は体重1kg当たりで示しています(:EMA factsheet)。
動物を対象として行われたミルベマイシンオキシムの毒性試験の結果は以下です。「NOEL」とは 毒性試験期間中に試験物質を与え続けても、動物に何の影響も認められない最大の投与量、LD50とは投与された動物の半数が死に至る値(半数致死量)のことです。単位は体重1kg当たりで示しています(:EMA factsheet)。
ミルベマイシンオキシムの毒性
- 経口急性毒性(LD50)✓ラットのオス:863mg
✓ラットのメス:532mg
✓マウスのオス:946mg
✓マウスのメス:722mg - 経口慢性毒性✓ラット3ヶ月NOEL:3mg/日
✓ラット4週間NOEL:10mg/日 - 生殖毒性✓ラット:300mg/日
✓ウサギ:180mg/日 - 催奇形性犬においてはオスでもメスでも体重1kg当たり1日1.5mgの投与で悪影響は見られなかった
- その他遺伝毒性や発がん性は確認されず
ミルベマイシンオキシムの危険性・副作用
生後8週齢のビーグル犬を対象として行われた試験では、体重1kg当たり1日8.6mgと14.3mgのミルベマイシンオキシムが3日連続で経口投与されました。その結果、どちらの用量でも一時的な振戦(震え)や運動失調(足元がふらつく)が確認されたといいます。また体重1kg当たり1日12.5mgのミルベマイシンオキシムを生後8、10、12週齢の子犬に3日連続で経口投与した試験においても、上記した一時的な副作用以外は現れなかったそうです(:EMA factsheet)。
ミルベマイシンオキシムと同じマクロライドに属するイベルメクチンは、MDR1遺伝子に変異を抱えた犬種において中毒を引き起こしやすいことがわかっていますが、ミルベマイシンオキシムはどうなのでしょうか。ラフコリー(16頭)、ビアデッドコリー(3頭)、シェルティー(40頭)を対象とし、体重1kg当たり0.25mgのミルベマイシンオキシムを月に1回のペースで半年に渡って投与したところ、ラフコリー1頭で投与直後の流涎(よだれ)が確認された以外、異常は見られなかったといいます。こうした結果から調査チームは寄生予防を目的とした投与量であればコリー種の犬にも安全に使用できる可能性が高いとの結論に至っています(:Kitagawa, 1992)。
ミルベマイシンオキシムと同じマクロライドに属するイベルメクチンは、MDR1遺伝子に変異を抱えた犬種において中毒を引き起こしやすいことがわかっていますが、ミルベマイシンオキシムはどうなのでしょうか。ラフコリー(16頭)、ビアデッドコリー(3頭)、シェルティー(40頭)を対象とし、体重1kg当たり0.25mgのミルベマイシンオキシムを月に1回のペースで半年に渡って投与したところ、ラフコリー1頭で投与直後の流涎(よだれ)が確認された以外、異常は見られなかったといいます。こうした結果から調査チームは寄生予防を目的とした投与量であればコリー種の犬にも安全に使用できる可能性が高いとの結論に至っています(:Kitagawa, 1992)。
パノラミス®錠の副作用
動物医薬品データベースではパノラミス®錠による死亡例を含めた副作用事例がかなり報告されています。しかし「スピノサド」と「ミルベマイシンオキシム」のどちらが症状の引き金になったのかはわかっていません。
また製品との因果関係がそもそもあやふやだったり、使用法を遵守しないいわゆる「オフラベル」の使い方が原因になった可能性もあるため、本当に副作用や死の引き金になったのかどうかはよくわかっていません。一例を挙げると「用量を守らなかった」「15週齢未満の子犬や2.4kg未満の超小型犬に使った」「使用期限の切れた古い商品や保存状態の悪い商品を使った」などです。
また製品との因果関係がそもそもあやふやだったり、使用法を遵守しないいわゆる「オフラベル」の使い方が原因になった可能性もあるため、本当に副作用や死の引き金になったのかどうかはよくわかっていません。一例を挙げると「用量を守らなかった」「15週齢未満の子犬や2.4kg未満の超小型犬に使った」「使用期限の切れた古い商品や保存状態の悪い商品を使った」などです。
パノラミス®錠
「パノラミス®錠」はスピノサドとミルベマイシンオキシムを有効成分とする犬向けのノミ・マダニ・内部寄生虫(犬回虫・犬鉤虫・犬鞭虫・フィラリア)駆除製品。役割分担はミルベマイシンオキシムがフィラリア駆除、スピノサドがそれ以外です。錠剤タイプで、投与後は消化管から速やかに吸収され、血流に乗って全身に行き渡ります。またスピノサドの方は皮下の脂肪組織にも蓄積され、体表に少しずつ放出されることによって外部寄生虫(ノミとダニ)に対する持続的な駆除効果を維持します。効果の持続期間は1ヶ月程度です。
なおチュアブル(経口投与)タイプはスポットオン(滴下投与)タイプとは違い、ノミやダニに対して殺虫効果を発揮するためには犬の血液が吸われなければなりません。製品の添付文書に「寄生虫が媒介する疾病の伝播を阻止できるかについての検討は行っていない」と記載されている理由は、吸血そのものを予防する効果まではないからです。 【公式】パノラミス®錠
なおチュアブル(経口投与)タイプはスポットオン(滴下投与)タイプとは違い、ノミやダニに対して殺虫効果を発揮するためには犬の血液が吸われなければなりません。製品の添付文書に「寄生虫が媒介する疾病の伝播を阻止できるかについての検討は行っていない」と記載されている理由は、吸血そのものを予防する効果まではないからです。 【公式】パノラミス®錠
パノラミス®錠の使い方
- いつから使える?使用条件は15週齢以降および体重は2.4kg以上とされています。
- 使用頻度は?効果が1ヶ月であることから毎月の使用が望ましいとされています。ただし反復投与する場合は最低でも1ヶ月開けるよう指示されています。
- 使用期間は?ノミやダニは通年性で生息していますので1年中使用することが望ましいとされています。ただし犬糸状虫(フィラリア)の予防をメインとする場合は、蚊の発生から発生終息1ヵ月後までの間、1ヵ月間隔で投与するという投薬プロトコルが採用されます。
- 料金は?動物病院、犬の体の大きさ(体重)、体重に連動した錠剤のサイズ、使用頻度によって合計費用は変動しますが、病院で処方される1錠の料金はSサイズなら1,800~2,100円程度、XLサイズなら3,000~3,700円程度です。なお通信販売自体は違法ではないものの、当製品は要指示薬ですので獣医師による診察と処方箋がないと使用できません。
- 与え方は? 少量のフードを与えてから錠剤を投与するか、少量のフードに錠剤を混ぜて与えます。食事と一緒に摂った方が成分の生物学的利用能が高まるためです。
- 使用量は?
有効最低量はスピノサドが体重1kg当たり30mg、ミルベマイシンオキシムが0.5mgとされており、犬の体重に合わせて以下のような使用基準が設けられています。なお体重が54kg超の場合はXL錠ともう1つ別の1錠を体重に合わせて与えます。
✓2.3kg~4.5未満→S錠
✓4.5kg~9kg未満→M錠
✓9kg~18kg未満→L錠
✓18kg~27kg未満→LL錠
✓27kg~54kg未満→XL錠 - 使用上の注意は?使用する際の注意点は「用法(15週齢以降)や用量を厳守する」「獣医師の処方箋とともに与える」「犬以外には使用しない」「使用期限が過ぎたものを使わない」「投与前にミクロフィラリアがいないことを確認する」などです。スポット式(滴下)ではないので、投与の前後におけるお風呂やシャンプーの制限はありません。注意書きでは副作用としては嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失の可能性があるとされています。また安全性が確認されているものの、コリー系統の犬に投与する際はとりわけ副作用に注意するよう指摘されています。
パノラミス®錠の効果
以下は各種の寄生虫に対する「パノラミス®錠」(スピノサド+ミルベマイシンオキシム)の駆虫効果を検証した調査結果です。
ネコノミへの効果
エランコアニマルヘルスの調査チームは犬たちをランダムで10頭ずつからなる4つのグループに分け、1つにはスピノサド(30~45mg/kg)だけ、1つにはミルベマイシンオキシム(0.5~0.75mg/kg)だけ、1つにはスピノサドとミルベマイシンオキシムの両方を経口投与、1つには何も投与しないという違いをもたせ、ネコノミに対する駆除効果を比較検証しました。
投与前および投与から5→12→19→28→35日後のタイミングでおよそ100匹のネコノミに繰り返し暴露し、48時間待った上で体表生存数をカウントしましたところ、スピノサド単独投与およびミルベマイシンオキシムとの混合投与グループでは、未投与グループと比較して30日目における駆除率がともに100%(体表生存数ゼロ)たったといいます。一方、ミルベマイシンオキシム単独投与グループは未投与グループと比較してノミの幾何平均数に違いは見られなかったとも。
こうした結果から調査チームは、スピノサドがネコノミに対する高い駆除効果を有していること、及びミルベマイシンオキシムと混合投与しても効果が減弱しないことを確認しました(:Snyder, 2012)。
投与前および投与から5→12→19→28→35日後のタイミングでおよそ100匹のネコノミに繰り返し暴露し、48時間待った上で体表生存数をカウントしましたところ、スピノサド単独投与およびミルベマイシンオキシムとの混合投与グループでは、未投与グループと比較して30日目における駆除率がともに100%(体表生存数ゼロ)たったといいます。一方、ミルベマイシンオキシム単独投与グループは未投与グループと比較してノミの幾何平均数に違いは見られなかったとも。
こうした結果から調査チームは、スピノサドがネコノミに対する高い駆除効果を有していること、及びミルベマイシンオキシムと混合投与しても効果が減弱しないことを確認しました(:Snyder, 2012)。
マダニへの効果
エランコアニマルヘルスの調査チームは12頭の犬たちを3つのグループに分け「何も投与しない」「スピノサド50mg/kg」「スピノサド100mg/kg」という違いをもたせマダニに対する駆除効果を比較検証しました。投与6日前と1日前および投与7→14→21日後のタイミングで50匹のクリイロコイタマダニに繰り返し暴露し、48時間待った上で体表生存数を確認したところ、未投与グループと比較したときの幾何平均数に関し、50mgグループにおける駆除率が67.8%(9日目)、49.1%(16日目)、52.1%(23日目)、5.0%(30日目)だったといいます。また同じタイミングにおける100mgグループの駆除率がそれぞれ88.6%、70.6%、61.9%、71.3%だったとも(:Snyder, 2009)。
犬回虫への効果
メキシコにある大学の調査チームは犬回虫に自然感染した犬100頭にスピノサド(30~60mg/kg)とミルベマイシンオキシム(0.75~1.0mg/kg)を投与し、投与前および投与14と28日目のタイミングで便サンプルを採取し、中に含まれる虫卵数をカウントしました。その結果、投与前と比較して14日目の減少率が87%、28日目のそれが94%だったといいます(:Cardenas, 2017)。
犬鉤虫への効果
エランコアニマルヘルスの調査チームは48頭の犬たちに犬鉤虫のL3幼体を寄生させた上でランダムで4つのグループに分け、27日後のタイミングでさまざまな投薬プロトコルを実践した後、7~8日目のタイミングで体内生息数をカウントしました。プロトコルの具体的な内容は「スピノサド(30~45mg/kg)のみ」「ミルベマイシンオキシム(0.5~0.75mg/kg)のみ」「スピノサドとミルベマイシンオキシム混合」「何も投与しない」というものです。
その結果、ミルベマイシンオキシム単独投与およびスピノサドとの混合投与グループでは未投与グループと比較してそれぞれ99.5%と99.8%の駆虫率を示したといいます。一方、スピノサド単独投与グループと未投与グループの幾何平均数に違いは見られなかったとも。
こうした結果から調査チームは、ミルベマイシンオキシムが犬鉤虫に対して高い駆虫効果を有していること、およびスピノサドの混在によってその効果が減弱しないことを確認しました(:Snyder, 2012)。
その結果、ミルベマイシンオキシム単独投与およびスピノサドとの混合投与グループでは未投与グループと比較してそれぞれ99.5%と99.8%の駆虫率を示したといいます。一方、スピノサド単独投与グループと未投与グループの幾何平均数に違いは見られなかったとも。
こうした結果から調査チームは、ミルベマイシンオキシムが犬鉤虫に対して高い駆虫効果を有していること、およびスピノサドの混在によってその効果が減弱しないことを確認しました(:Snyder, 2012)。
犬鞭虫への効果
エランコアニマルヘルスの調査チームは犬鞭虫に感染した犬をランダムで2つのグループに分け、一方にだけスピノサド(30~45mg/kg)とミルベマイシンオキシム(0.5~0.75mg/kg)を経口投与し、7~8日後のタイミングで成虫の生息数をカウントしました。その結果、未投与グループと比較したときの駆虫率が100%だったといいます(:Schnitzler, 2011)。
ミクロフィラリアへの効果
エランコアニマルヘルスの調査チームはフィラリアに感染した32頭のビーグル犬を8頭ずつからなる4つのグループに分け、スピノサド(30~60mg/kg)とミルベマイシンオキシム(0.75~1mg/kg)を1倍量とし、「1倍量」「3倍量」「5倍量」「何も投与しない」という違いをもたせ駆虫効果を比較しました。28日に1回の割合で3回経口投与し、血中ミクロフィラリアミ数をカウントしたところ、未投与グループでは時間の経過とともに増加したのに対し、投与グループにおいては61.5%~96.4%の減少が確認されたといいます。
こうした結果から調査チームは、ミクロフィラリア数の減少傾向は確認されたものの、成分の殺ミクロフィラリア能は不完全なため効能書きとしては記載できないとしています(:Grant, 2018)。
こうした結果から調査チームは、ミクロフィラリア数の減少傾向は確認されたものの、成分の殺ミクロフィラリア能は不完全なため効能書きとしては記載できないとしています(:Grant, 2018)。
フィラリア幼虫への効果
エランコアニマルヘルスの調査チームは犬たちを14頭ずつ3つのグループに分け、1つにはイベルメクチン投与、1つにはミルベマイシンオキシム投与、1つには何も投与しないという違いをもたせ、フィラリアに対する駆虫・予防効果を検証しました。
犬たちにフィラリアのL3幼体50匹を寄生させた30日後のタイミングで投薬を行い、123日後に成虫の体内生存数をカウントしたところ、未投与グループにおいては14頭中13頭で感染が確認され、幾何平均数は22.3匹だったといいます。一方、ミルベマイシンオキシムおよびイベルメクチン投与グループにおいてはそれぞれ14頭中1頭で感染が確認され、生息数はともに1匹だけだったとも(:Snyder, 2010)。
犬たちにフィラリアのL3幼体50匹を寄生させた30日後のタイミングで投薬を行い、123日後に成虫の体内生存数をカウントしたところ、未投与グループにおいては14頭中13頭で感染が確認され、幾何平均数は22.3匹だったといいます。一方、ミルベマイシンオキシムおよびイベルメクチン投与グループにおいてはそれぞれ14頭中1頭で感染が確認され、生息数はともに1匹だけだったとも(:Snyder, 2010)。