解説「縄張り意識が強い」

狼の縄張りには、自分の集団を維持し、獲物とメスや子供を他の外敵から守るという意味があります。これは「自己保存」と「種の存続」という遺伝子からの命令に、忠実に従っているとも言えるでしょう。一説によると、オオカミの子獣が見知らぬ侵入者に対して敵意を示し始める年齢は、およそ16~20週齢ごろだと言われています。
一方、狼を祖先としている犬にも、大なり小なり同じ習性が残っています。例えば、庭先につながれた犬が郵便配達人に吠え立てたり、番犬が泥棒に噛み付くというのは、上記した「縄張り意識」を原因とした攻撃性とみなしてよいでしょう。犬からすると、「自分の縄張りに変な奴が侵入してきた!追い返してやれ!」といった感覚だと考えられます。
ただしストレスが原因の無駄吠えを、生得的な縄張り意識のせいにしてしまうと、いつまでたっても騒音がなくなりませんので、飼い主としては慎重な観察が必要です。
縄張り意識が強い・まとめ
- 野生において縄張りは個体と種の保存に直結
- 狼にとって縄張りは死活問題
- 狼を祖先としてもつ犬も、縄張りを大事にする
動画「縄張り意識が強い」
以下でご紹介するのは、縄張りの中に入ってきた侵入者(郵便配達人)に警戒して吠える犬の動画です。吠えることで相手を威嚇したり、仲間である飼い主に知らせようとしているのでしょう。イギリスにおいては縄張り意識が強い飼い犬に手や足を噛まれる事故が非常に多く、しばしば裁判沙汰にもなっています。