犬の毒になる食べ物・危険編
以下でご紹介するのは、犬の毒になる食べ物のうち死亡する危険性すらある絶対に避けたいものの一覧リストです。飼い主が間違って与えないことはもちろんのこと、犬が間違って近づかないよう厳重に管理しなければなりません。
チョコレート


イギリスでは2017年、大手スーパー「セインズベリーズ」がクリスマスシーズンに合わせて試供品チョコレートを各家庭に無料配布しました。その結果、郵便受けから投げ入れられたチョコレートを犬が誤食して体調不良に陥るというケースが多発しました。いい迷惑ですね…。
キシリトール

犬のキシリトール中毒事故
- アメリカ・テネシー州シュガーフリーのメントスガムに含まれていたキシリトールを誤食してしまったナッシュビルの犬「キャノン」が急性肝不全で命を落とす(2018年10月)。
- アメリカ・アイオワ州米国内でサプリメントとして市販されている睡眠補助成分メラトニンを犬の「ミリー」が誤飲。メラトニンそのものではなく混合成分であるキシリトール中毒にかかり命を落としかける(2018年9月)。
- アメリカ・カリフォルニア州誕生日用のカップケーキを食べた飼い主が食べ残しをコンポストに捨てる。匂いにつられた犬の「ベニー」が中を漁り、甘味成分として使われていたキシリトールを誤食して中毒死。地元の行政機関も大規模な警告を発する(2017年9月)。
タマネギ・ネギ類
アルコール飲料

ぶどう・レーズン

ブドウ糖は脳に必要だけど、「ブドウ」をそのまま与えると大変!
のどに詰まるもの

人間用の医薬品

2016年、イギリスの保険会社「MORE THAN」が英国内に暮らす犬や猫の飼い主1,000人に対して行ったアンケート調査では、約9%の飼い主が人間用の薬をペットに与えているという事実が明らかになっています。ペットに投与される人間用医薬品として挙がってきた名前の中には、命を奪いかねない危険なものも含まれていました。具体的には以下です。 犬と猫の中毒ハンドブック 多くの飼い主が人間用医薬品をペットに誤投与している(子猫のへや)
医薬品によるペットの中毒
- 抗ヒスタミン薬ペットにおける抗ヒスタミン剤中毒の大部分は軽度で鎮静や運動失調などで終わることが多い。しかし肝機能障害を抱えている場合、中毒効果が高まる。
- アセトアミノフェン臨床症状はチアノーゼ、呼吸困難、顔面浮腫、抑うつ、低体温、嘔吐など。これらの症状は進行し、衰弱、昏睡、最終的には死に至ることもある。猫においては46mg/kg、犬においては100mg/kg程度で中毒を起こすと推定される。
- イブプロフェン主な臨床症状は腹痛、貧血、黒色便、吐血、胃腸過敏、胃潰瘍など。2015年4月には、イブプロフェンと同じく非ステロイド系抗炎症薬に属する「フルルビプロフェン」を舐めたことによる猫の死亡例が確認されたことから、アメリカ食品医薬品局(FDA)が緊急の警告を発している。
- アスピリン中毒症状は抑うつ、嘔吐、食欲不振、呼吸速迫、発熱などで、摂取後4~6時間で出現する。中枢神経が抑制されると筋肉の運動失調を招き、昏睡から死に至ることもある。猫における中毒量は25mg/kg/日、犬では50mg/kg/日程度。
緑茶・抹茶

空腹状態の犬に対して様々な濃度(0, 200, 500, 1000 mg/kg/日)で緑茶抽出物を含んだカプセルを9ヶ月間に渡って与えるという安全性試験が行われました。ところが開始から6ヶ月半の時点で早々に調査を切り上げるはめになったと言います(

具体的には肝細胞・消化管上皮細胞・ 腎臓の尿細管の壊死、生殖器の萎縮、造血組織の萎縮と壊死などが確認され、中には死亡する犬もいたとのこと。抽出物に含まれていたポリフェノールカテキンが毒性を発揮したものと推測されていますが、確かなことはいまだにわかっていません。具体的には56~72%の割合で含まれていたエピガロカテキンガレート(EGCG)が怪しいのではないかと考えられています(

奇妙なことに、緑茶抽出物による毒性は空腹時の犬にだけ現れる現象であり、満腹状態の犬では確認されていません。
緑茶抽出物が犬の内臓に対して毒性を発揮するメカニズムは解明されていません。カテキンを含む緑茶や抹茶は与えないほうがよいでしょう。特に空腹時の犬に長期的に与えた場合が危険です。
毒キノコ

詳しくは犬との生活・秋の注意でも解説してあります。「危険編」をマスターしたら次の「注意編」も確認してみましょう!
犬の毒になる食べ物・注意編
以下でご紹介するのは、犬の毒になる食べ物のうち体調不良に陥るリスクが高いものの一覧リストです。飼い主が間違って与えないことはもちろんのこと、犬が間違って近づかないよう厳重に管理しなければなりません。
カフェイン

もちろんカフェイン入りのエナジードリンクもダメです!人間ですら死亡例があります。
人間用のサプリメント

なお2016年、イギリスの保険会社「MORE THAN」が英国内に暮らす犬や猫の飼い主1,000人に対して行ったアンケート調査では、約5%の飼い主がプロテインシェイクやバーをペットに与えているという事実が明らかになっています。その主な理由は以下です。 多くの飼い主が人間用医薬品をペットに誤投与している(子猫のへや)
人間用サプリをなぜ与える?
- スタミナを増強して体型を整える→21%
- 早く体重が落ちるのはいいことだ→40%
- ペットの健康を改善する→35%
- 第三者からかっこよく見られる→6%
スイーツ・甘いお菓子類

あわび・サザエ

イカ・スルメ

生の豚肉

生卵

香辛料

ちなみに犬の食糞症を防ぐためとうがらしを用いるという民間療法がありますが、効果がないことが確認されています。 お困りの方は食糞症をしつけ直すで最新情報をどうぞ。
アボカド

生や大量のレバー
人間用の食べ物

また特にスナック菓子は、犬が袋に頭を突っ込んだまま窒息死するという事例が海外で頻発しています。留守番中はもちろんのこと、飼い主が家の中にいるときも犬が鼻先を突っ込まないよう気をつけておく必要があります。
人間用の牛乳

食塩や塩水

マカデミアナッツ

なお、犬が口に入れてはいけない危険なものに関しては、以下のページもご参照ください。