犬を迎える前の確認リスト
犬の購入・入手方法で解説したとおり、お金を出して犬を買う場合は「ペットショップ」や「ブリーダー」、無料で犬を譲り受ける場合は「動物保護施設(団体)」や「知人」といったパターンがあります。どのパターンにしても、生まれたての子犬を引き取るということはあまりなく、入手先においてある程度の期間を過ごした子犬を引き取るという状況がほとんどです。ですから引き取り先における犬の日常的な過ごし方をあらかじめ知っておくと、新たな環境に連れ込んだ際スムーズにことが運びます。
なお、まだどこで子犬を入手するのかを決めていない場合は犬の購入・入手方法、子犬の選び方に関しては子犬を選ぶときの注意で詳しく解説してありますのでご参照ください。以下は引き取り先の世話人から事前に確認すべき基本項目の一覧です。
NEXT:犬をどうやって連れ帰る?
引き取り先での確認事項
- エサの確認与えていたエサの種類、量、回数、時間を必ず確認しましょう。急にエサの種類や食事の時間を変えると下痢などをする恐れがありますので、家に着いてからの1週間は今までと同じ食生活を維持するようにします。その後、徐々に食生活を切り替えていきます。
- 予防接種の確認混合ワクチンの種類と接種回数を確認します。ペットショップやブリーダーの場合は、多くの場合1回目のワクチン接種が終わっています。また狂犬病予防注射に関しては飼い主の家に移動してから集団接種や個別接種を通じて行い、市区町村に犬の登録を行うと同時に注射済み票を発行してもらいます。
- 寄生虫検査の確認ペットショップやブリーダー、動物愛護センターの職員や動物保護団体の責任者に寄生虫検査の有無を聞き、済んでいるようなら結果を教えてもらいましょう。もし済んでいないようなら新しい飼い主が動物病院を受診して駆虫薬(虫下し)などを処方してもらう必要があります。
- トイレの確認排便の時間や特徴を聞きます。それまで使っていた排便用具(ペットシーツ/新聞紙)を確認し、子犬が排便しやすいように最初のうちは同じ用具を使うようにしましょう。
- おもちゃの確認子犬が使っていたお気に入りのおもちゃや毛布などがあれば譲ってもらいます。そうしたものがあるだけで、住む場所が変わっても比較的ストレスを軽減することができます。
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犬を家に連れ帰る方法
犬の引き取り先としては、犬を購入したペットショップやブリーダーの犬舎(ケネル)、犬を譲り受けた保健所や動物愛護センターや知人の家などが想定されます。家に慣れる時間を考慮し、移動はなるべく午前中に終わらせてしまうのがベターです。では具体的にどのように犬を連れ帰ればよいのでしょうか?法律で定められたルールや決まりごともありますので、おのおのの状況に応じて犬の運搬手段をシミュレーションしてみましょう。
犬を車で運ぶ
犬が車内でおしっこやウンチをしてしまった場合や、具合が悪くなって戻してしまった場合を想定し、いらないタオルやバスタオル、ティッシュペーパー、ウェットティッシュなどを用意します。
小型犬の場合
犬が運転手の邪魔をしないよう、必ずキャリーやクレートに入れます。犬を膝にのせたままだと、運転者の視野が遮られたりハンドル操作が妨げられる危険性があります。ルールを守らないと道路交通法違反で逮捕されることすらありますので気をつけてください。またタクシーを利用する場合は、運転手が極端な犬嫌いや重度の犬アレルギーである可能性を考慮し、事前に「犬がいますけど大丈夫ですか?」とひと声かけておきましょう。 近年は赤ちゃんを抱っこするように犬を抱いたまま移動できる「ペットスリング」(抱っこひも)という商品が出回っています。しかし犬が大暴れしてそのまま迷子になってしまう危険性があるため、逃げ出す心配がないキャリーやクレートといった箱状の運搬道具のほうが安全です。スリングを用いるのは、犬が新しい家庭に十分慣れて信頼関係ができてからのほうがよいでしょう
中~大型犬の場合
キャリーやクレートに入れるのが難しい中~大型犬の場合は、犬用のシートベルト、ドライブボックス、ドライブシートを用いて座席に固定します。固定と言っても体は比較的自由に動く状態ですので、同乗者が付き添って運転手の邪魔をしないよう見張っていなければなりません。普通のタクシーだと車内を犬用にアレンジすることが難しいため、自分の車か知人の車を用いるようにします。
犬が車に慣れていない場合、車酔いで吐いてしまうことがあります。車内が汚れることを想定し、すぐ綺麗にできるようティッシュ、タオル、バスタオルなどを準備しておきます。
また慣れない乗り物に無理やり乗せられた不安から、犬が攻撃的になってしまうかもしれません。安心させようとして不用意に抱きしめたり顔を近づけたりすると噛まれる可能性もありますので、そっと背中に手を添える程度にとどめておいたほうが無難でしょう。ハグは新しい家庭に十分慣れてからいくらでもできます。
最悪なのは、家について犬を移動しようとする際、車内から犬が逃げ出してそのまま迷子になってしまうというケースです。犬を車から出す際は、必ず首輪やハーネスを装着し、逃げ出してしまう可能性をなくしてからにします。
また慣れない乗り物に無理やり乗せられた不安から、犬が攻撃的になってしまうかもしれません。安心させようとして不用意に抱きしめたり顔を近づけたりすると噛まれる可能性もありますので、そっと背中に手を添える程度にとどめておいたほうが無難でしょう。ハグは新しい家庭に十分慣れてからいくらでもできます。
最悪なのは、家について犬を移動しようとする際、車内から犬が逃げ出してそのまま迷子になってしまうというケースです。犬を車から出す際は、必ず首輪やハーネスを装着し、逃げ出してしまう可能性をなくしてからにします。
ペット運送サービスを利用する
運送会社の中にはペットの運送サービスを行っているところがあります。料金は貨物の場合と同様、発送地から到着地までの距離、ペットの種類、サイズなどから算出されます。ただし移動距離が限られていたり、「生後3ヵ月未満の動物は不可」といった細かい決まりごとが規定されている場合もありますので、事前に確認しておく必要があるでしょう。探す際は「ペットタクシー」「ペット 送迎」「ペット 輸送」などで検索してみてください。
なおペットショップの中には購入者のもとに子犬や子猫を届けてくれるところもあります。しかし販売にあたっては購入者に実物を見せ、面と向かって対面説明が必要な18項目を説明する義務があることに変わりはありません。これを省略するような販売者は違法なモグリ業者か、よくて劣悪店です。
なおペットショップの中には購入者のもとに子犬や子猫を届けてくれるところもあります。しかし販売にあたっては購入者に実物を見せ、面と向かって対面説明が必要な18項目を説明する義務があることに変わりはありません。これを省略するような販売者は違法なモグリ業者か、よくて劣悪店です。
犬を徒歩で運ぶ
引き取る犬が小型犬の場合は、犬を入れるキャリーやクレートが必要です。ただし何時間も箱の中に入れられている状態は犬にとって酷ですし、運んでいる飼い主の腕もそのうちちぎれてしまいますので、移動時間に関してはせいぜい数十分が限界でしょう。仮に犬が自力で歩けたとしても、やはり長時間歩かせるのは可哀想ですので基準値は変わりません。
中~大型犬の場合、持ち運ぶことはほとんど不可能ですので、首輪やリードが必要となります。ただし、首輪とリードにすでに慣れており、ある程度人間に従って歩くことができる、という条件が必要です。また犬をいきなり数時間歩かせるのは酷ですので、引取先と目的地との距離が歩いて1時間以内という場合に限られます。
犬を電車で運ぶ
犬を電車で運ぶ場合は手荷物扱いで有料になりますので有人改札にてご確認下さい。犬が大きく、指定された大きさのケージ内に入りきらない場合は、必然的に他の運搬手段に頼ることになります。盲導犬や補助犬以外、公共の乗り物にケージやクレートに入っていない状態で乗り込むことはできませんので要注意です。以下ではJRにおける決まりごとを記載しますが、船やバス、飛行機などに乗せるときは事前にそれぞれの会社にルールをお問い合わせ下さい。JRおでかけネット
NEXT:迎えた初日の注意点
ペットのルール・JR編
- まずペットを縦・横・高さの合計が90cm程度のケージに入れる
- 1辺の長さは最大で70cmまで
- ケージ+ペットの重量が10kg以内であれば乗せることができる
- 但し小荷物扱いとなるので、手回り品切符を買って付ける
- 抱いたまま不可
- バッグ不可
- 車輪付きペットカート(バギー)不可
- 駅構内や車内でケースから出さない
「リュックに入れてこっそり持ち込む」といった行為はルール違反です。犬にとっても飼い主にとっても大変危険ですので気をつけてください。
家に来た初日の注意
犬を無事に自宅に連れ帰ることができました。飼い主は子犬を家に連れ帰る前の段階で、すでに犬のしつけに関する基本をマスターしておかなければなりません。これは世話係だけでなく、家族全員に課されている暗黙の宿題です。しつけ方針が一貫していないと、犬の問題行動が改善しないだけでなく、犬がストレスを抱えて問題行動がさらに悪化してしまう危険性もありますので、軽視してはいけません。犬のしつけの基本で詳しく解説してありますのでご参照ください。
また家に迎え入れるのが子犬だろうと成犬だろうと、事前に部屋の中から危険なものを一掃し、犬にとって最もストレスが少ない室内環境を整えておく必要があります。詳しい設定方法やレイアウトに関しては犬が喜ぶ部屋の作り方で解説してありますのでご参照ください。
初日のニューオーナーシンドローム
今までいた場所から離れて新しい環境で暮らすことに伴うストレスから、子犬が下痢、嘔吐、食欲不振などの体調不良になることがあり、これをニューオーナーシンドロームと呼びます。
例えば以下は、アニコム損保が公開している「家庭どうぶつ白書2014」(PDF)からの抜粋です。折れ線グラフは、ペットショップから迎えたばかりの子犬や子猫の体調不良に気づき、動物病院へ問い合わせた件数を示しています。家に着いてから最初の2~3日にピークを迎えていることがお分かりいただけるでしょう。体調不良の内容としては「咳・くしゃみ」(226件/13.7%)、「下痢」(195件/11.8%)、「フードトラブル」(162件/9.8%)、「嘔吐」(151件/9.1%)、「誤飲」(97件/5.9%)、「元気がない」(46件/2.8%)などが上位を占めています。 犬を迎えた初日は、うれしくて家族全員で犬を取り囲んで抱いたりなでたりするのが常ですが、子犬にとっては環境が変わった時点で相当なストレスを受けていますので、初日はじっと我慢して子犬のペースに合わせてあげましょう。子犬が新しい環境に慣れてきたら、徐々に行動をしつけていきます。
例えば以下は、アニコム損保が公開している「家庭どうぶつ白書2014」(PDF)からの抜粋です。折れ線グラフは、ペットショップから迎えたばかりの子犬や子猫の体調不良に気づき、動物病院へ問い合わせた件数を示しています。家に着いてから最初の2~3日にピークを迎えていることがお分かりいただけるでしょう。体調不良の内容としては「咳・くしゃみ」(226件/13.7%)、「下痢」(195件/11.8%)、「フードトラブル」(162件/9.8%)、「嘔吐」(151件/9.1%)、「誤飲」(97件/5.9%)、「元気がない」(46件/2.8%)などが上位を占めています。 犬を迎えた初日は、うれしくて家族全員で犬を取り囲んで抱いたりなでたりするのが常ですが、子犬にとっては環境が変わった時点で相当なストレスを受けていますので、初日はじっと我慢して子犬のペースに合わせてあげましょう。子犬が新しい環境に慣れてきたら、徐々に行動をしつけていきます。
- ペット休暇
- 海外には「ペット休暇」と呼ばれる特別休暇が設けられている企業があります。マタニティリーブ(育児休暇)を文字って「ファータニティリーブ」(furは被毛の意)とか「ポータニティリーブ」(pawは足の意)と呼ばれるこうした制度は、新しく迎えた犬が家や新しい環境に慣れるまで、飼い主がお休みを取れるというものです。
例えば「Mars Petcare」では10時間の有給休暇、「Mparticle」では保護犬を引き取った場合に限り2週間の有給休暇が認められています。犬を迎えた直後の重要性を物語る事例と言えるでしょう。
トイレをうながす
生後2ヶ月の子犬はかなり頻繁に排泄をします。家に着いたらまずサークル内に入れ、排泄するまで待ちましょう。サークル内で無事に排泄が済んだら、すかさずそのタイミングで頭を軽くなでてほめてあげます。これを繰り返すことにより子犬は「サークル内で排泄する⇒ほめられる」という関係を学習していきます。トイレの外で粗相してしまっても絶対に大きな声で叱ってはいけません。詳しい対処法は以下のページで解説してありますのでご参照ください。
動物愛護センターや動物保護団体から成犬を譲り受けた場合、子犬ほど頻繁にトイレには行きません。飼い主が目を離している間に粗相をしてしまう可能性が高いため、家についてから1週間くらいは犬が見せるトイレサイン(床をクンクン嗅ぐ、ぐるぐる廻るなど)を注意深く観察しておきましょう。子犬の場合と同様、犬がトイレを間違うのは飼い主の責任ですので、決して大声を出して叱ってはいけません。
家の中を探検
先述したとおり、犬を家に迎え入れる際は事前に部屋の中から危険なものを一掃するなど室内環境を整えておく必要があります。また犬が出入りしてもよい部屋を、家族全員で事前に相談して決めておくことも重要です。まだ確認していない方は以下のページで解説してありますのでご参照ください。
基本的な室内整備が終わったら、ハウスを設置している部屋を探検させましょう。じゃれついてきたら遊び相手になってください。ただし無理に遊びに誘うと子犬にとって逆にストレスになりますので、最初のうちは子犬のペースに任せます。他の部屋に行かせるなど、行動範囲を広げるのはもっと後になってからで結構です。
同居動物との顔合わせ
家の中にすでに犬や猫といった先住動物がいる場合、初顔合わせは慎重に行う必要があります。詳しくは同居動物との顔合わせで解説してありますのでご参照ください。
一休み
食事
引き取り先で確認しておいたエサの種類や量を参考にしてエサの準備をします。環境が変わったストレスでうまく食事を消化できない可能性があるのでやや量を少なめにするとよいでしょう。食べない場合は無理に食べさせようとせず、時間を置いて再び与えてみてください。
犬のペースでコミュニケーション
子犬はトイレ→遊び→一休み→トイレ・・・・というサイクルで生活します。時間がある限りこの子犬のペースにあわせてコミュニケーションしてください。しっかり遊んであげると子犬が適度に疲れますので、ぐっすり眠って夜鳴きするということも少なくなります。
迎え入れたのが成犬で、リードを用いた散歩に慣れている場合は、家の周りを軽く散歩するのも良いでしょう。ただし、犬は家に着いた時点ですでに相当大きな環境の変化を経験しています。外に連れ出すことがさらなるストレスになってしまう危険性もありますので無理強いは禁物です。 迎え入れたのが子犬であれ成犬であれ、家の中で遊んでくれるかどうかはストレスのヒントになります。「遊び」という行為はストレス環境下では出ないものですので、ボールを使った「取ってこい」(フェッチ)やロープを使った「綱引き」をやってみて、犬が応じてくれるようならストレスに対処できていると判断します。
逆に誘ってもノーリアクションで部屋の隅っこに引きこもっているようならストレスに押しつぶされている可能性が大です。そばに付き添って軽く体をさすり、まず「家の中に危険はないよ」ということをゆっくりと理解させましょう。
迎え入れたのが成犬で、リードを用いた散歩に慣れている場合は、家の周りを軽く散歩するのも良いでしょう。ただし、犬は家に着いた時点ですでに相当大きな環境の変化を経験しています。外に連れ出すことがさらなるストレスになってしまう危険性もありますので無理強いは禁物です。 迎え入れたのが子犬であれ成犬であれ、家の中で遊んでくれるかどうかはストレスのヒントになります。「遊び」という行為はストレス環境下では出ないものですので、ボールを使った「取ってこい」(フェッチ)やロープを使った「綱引き」をやってみて、犬が応じてくれるようならストレスに対処できていると判断します。
逆に誘ってもノーリアクションで部屋の隅っこに引きこもっているようならストレスに押しつぶされている可能性が大です。そばに付き添って軽く体をさすり、まず「家の中に危険はないよ」ということをゆっくりと理解させましょう。
おやすみ
コミュニケーションをとっているうちに夜が来ます。基本的にはハウスの中で寝かせますが、子犬の場合はハウスの中に一人ぼっちにすると寂しさから夜鳴きすることがあります。また迎えてすぐの頃は犬の社会化期(犬の性格を決定する重要な時期で生後3~13週齢)に相当しますので、ハウスに一人ぼっちにしてしまうと分離不安(保護者や仲間がいないと不安で吠え立てる性格)の強い犬になってしまう危険性もあります。
一番良いのは飼い主の見える場所にハウスを移動してあげることです。夜鳴きしたらなでたり抱いたりして落ち着かせましょう。ただし、あまりにも長期的にハウスを開けて子犬を抱いたりしていると、「鳴けばかまってくれるんだ!」と覚え込んでしまいますので、時期を見計らって夜鳴きに対しては無視する方向に切り替えることも必要です。
一番良いのは飼い主の見える場所にハウスを移動してあげることです。夜鳴きしたらなでたり抱いたりして落ち着かせましょう。ただし、あまりにも長期的にハウスを開けて子犬を抱いたりしていると、「鳴けばかまってくれるんだ!」と覚え込んでしまいますので、時期を見計らって夜鳴きに対しては無視する方向に切り替えることも必要です。
- 犬用フェロモン「DAP」
- 「DAP」(Dog Appeasing Pheromone, ダップ)とは、日本語で「犬用鎮静フェロモン」という意味で、出産後の母犬から分泌されるといわれる「育児フェロモン」を人工的に生成したものです。その効果については多角的に検証されていますが、「新しい家に迎えられたばかりの子犬に関し、粗相の頻度を減らす効果は無いものの、夜鳴きを減らす効果はある」という実験結果が示されています(→こちらやこちら)。
市販商品としては、フランスの「ceva社」が製造している「ADAPTIL™」が有名ですが、残念ながらこの会社は日本法人や正規代理店をもっていません。よって商品を購入する場合は、自分で海外から取り寄せるか、手続きを代行してくれる個人輸入に依頼する必要があります。
到着2日目以降の注意点
犬を無事に家に連れ帰り、初日のイベントを一通り終えたら、後はゆっくりと環境に慣らしていきます。以下は気をつけるべきポイントです。
健康診断
子犬の場合、初日と同じように「トイレ→遊び→一休み→トイレ・・・」という生活サイクルにあわせるのが基本です。犬のストレスチェックなどを参考にしながら子犬が新しい環境に慣れたかどうかを判定し、なるべく早いうちに一度動物病院に連れていきましょう。ここで健康診断を行い、混合ワクチンや狂犬病ワクチンの接種プログラムを獣医師と相談します。またフィラリア、ノミ、ダニ予防についても説明を受けてください。この時期の子犬はまだ免疫機構が万全ではありませんので、病院内で他の犬と接触しないようにクレートやキャリーに入れるようにします。
迎えたのが成犬の場合、犬のストレスチェックなどを参考にしながらストレスの度合いを判定します。犬が自発的に部屋の探索を始めたり飼い主の近くに寄ってきてくれるようなら、かなり環境に慣れてきた証拠です。首やハーネスを装着し、家の周囲を軽く散歩してみましょう。人間との散歩に慣れていないようなら、リーダーウォークのしつけと並行する形で行うようにします。落ち着いたタイミングで動物病院を受診し、一通りの健康診断してもらいましょう。またワクチン接種や虫下しについてもここで相談します。
犬の登録
狂犬病予防法(第一章の第四条)により、犬の飼い主には飼い犬を市区町村に登録すること、および交付された鑑札を犬に装着することが義務付けられています。鑑札がない犬は捕獲の対象になり、また飼い主が20万円以下の罰金に処せられる場合があります。
登録に際しては以下のような期限が設けられています。期限を過ぎたからといって登録を受け付けなくなるわけではありません。また動物病院やペットショップの中には、市区町村から委託を受けて登録を代行しているところがありますので事前にご確認ください。
登録に際しては以下のような期限が設けられています。期限を過ぎたからといって登録を受け付けなくなるわけではありません。また動物病院やペットショップの中には、市区町村から委託を受けて登録を代行しているところがありますので事前にご確認ください。
犬の登録期限
- 生後90日齢以下の犬生後90日齢以下の子犬を取得した場合は生後91日齢~120日齢の間に登録を済ませることになっています。登録先は居住地を管轄する市区町村です。ペットショップなどで犬を購入した場合はこちらのパターンになるでしょう。
- 生後91日齢以上の犬生後91日齢以上の子犬や成犬を取得した場合は取得した日から30日以内に登録を済ませることになっています。登録先は居住地を管轄する市区町村です。動物愛護センターや譲渡会などで成犬を迎えた場合はこちらのパターンになるでしょう。
本格的なしつけの開始
家に着いたばかりの犬は100点満点の優等生ではないかもしれません。例えば以下のような問題行動を示す可能性が考えられます。
家族全員がしつけに関する基本知識を持ち、あらかじめ家族会議を開いてしつけの方法や方針を統一しておくことが極めて重要です。慣れるまでは決まり事を壁に貼り出しても構いません。
NEXT:同居動物との顔合わせ
よくある犬の問題行動
- 部屋の中で粗相をする
- 家具やクッションをかじる
- 夜中に吠えて飼い主を起こす
- カーペットを前足で引っかく
- 散歩の途中でぐいぐい引っ張る
- 飼い主に飛びつく
家族全員がしつけに関する基本知識を持ち、あらかじめ家族会議を開いてしつけの方法や方針を統一しておくことが極めて重要です。慣れるまでは決まり事を壁に貼り出しても構いません。
詳しくは「犬のしつけ方」で解説してありますのでご参照ください。
同居動物との顔合わせ
家の中にすでに犬や猫といった先住動物がいる場合、初顔合わせは慎重に行う必要があります。やってはいけないのは、新しく連れ帰った犬と先住動物をいきなり1つの部屋に入れて自由行動させることです。意気投合して遊び始めるという可能性もゼロではありませんが、どちらか一方が攻撃的になって他方の犬や猫を傷つけてしまうという最悪のシナリオを考えておかなければなりません。
先に犬が住んでる場合
先住動物が犬の場合、対面させる前に新しく連れ帰った犬の匂いが染み付いたタオルやクレートの匂いを嗅がせてみましょう。初めて嗅ぐ匂いに興味を示し、クンクンと探りを入れるはずです。また後輩犬には先輩犬の匂いがついたものを嗅がせます。匂いに慣れたタイミングで2頭を実際に引き合わせます。
先輩犬と後輩犬両方に首輪やハーネスを装着してリードでコントロールしながら急な動きが取れないようにします。そして先輩犬を後輩犬がいる部屋にゆっくりと入れて対面させてみましょう。
後輩犬が社交的な場合、すかさず駆け寄ってきて先輩の耳やお尻の匂いを嗅ぐかもしれません。引っ込み思案な犬の場合、ゆっくりと円を描くように近づいてきて遠慮がちにお尻の匂いを嗅ぐかもしれません。いずれにしても、飼い主が先住犬の動きをコントロールしていますので、どちらか一方が攻撃的になってしまう可能性はかなり下げられます。
最初の挨拶が終わり、両者に攻撃的になる気配が見られないことがわかったら犬のリードを離して自由行動させてみます。お互いにお尻の匂いを嗅いだら挨拶完了です。後はゆっくり時間をかけて仲良くなっていけばよいでしょう。
後輩犬が社交的な場合、すかさず駆け寄ってきて先輩の耳やお尻の匂いを嗅ぐかもしれません。引っ込み思案な犬の場合、ゆっくりと円を描くように近づいてきて遠慮がちにお尻の匂いを嗅ぐかもしれません。いずれにしても、飼い主が先住犬の動きをコントロールしていますので、どちらか一方が攻撃的になってしまう可能性はかなり下げられます。
最初の挨拶が終わり、両者に攻撃的になる気配が見られないことがわかったら犬のリードを離して自由行動させてみます。お互いにお尻の匂いを嗅いだら挨拶完了です。後はゆっくり時間をかけて仲良くなっていけばよいでしょう。
先に猫が住んでいる場合
先住動物が猫の場合、身体を拘束することもいきなり犬と対面させることもNGです。
猫は非常にデリケートな動物で、自分のテリトリーの変化を極端に嫌います。それには家の中に置かれているものの変化のほか、家の中に新しい動物が加わることも含まれます。そんなデリケートな猫を捕まえていきなり新顔の犬に対面させる事は相当なストレスになりますので、やってはいけません。まず猫に犬の匂いがついたタオルなどを嗅がせ、犬には猫の匂いがついたものを嗅がせるところからスタートします。 姉妹サイト「子猫のへや」内の猫が喜ぶ部屋の作り方で詳しく解説しているように、犬が絶対に届かない場所に隠れ家を設けてあります。そして強引にご対面させるのではなく、猫が興味を抱いて自主的に隠れ家から出てくるのを待ちます。猫によって個体差はありますが、警戒心が強い場合1週間かかることもザラです。しかし焦って強引に隠れ家から引きずり出すということはやってはいけません。あくまでも猫のペースに合わせてください。
また、新しい動物がテリトリーに入ってきたことにより、様々なストレス反応を見せると予想されます。猫のストレスチェックを参考にしながら、病気の兆候が見られた場合はすぐに動物病院に相談するようにします。
猫は非常にデリケートな動物で、自分のテリトリーの変化を極端に嫌います。それには家の中に置かれているものの変化のほか、家の中に新しい動物が加わることも含まれます。そんなデリケートな猫を捕まえていきなり新顔の犬に対面させる事は相当なストレスになりますので、やってはいけません。まず猫に犬の匂いがついたタオルなどを嗅がせ、犬には猫の匂いがついたものを嗅がせるところからスタートします。 姉妹サイト「子猫のへや」内の猫が喜ぶ部屋の作り方で詳しく解説しているように、犬が絶対に届かない場所に隠れ家を設けてあります。そして強引にご対面させるのではなく、猫が興味を抱いて自主的に隠れ家から出てくるのを待ちます。猫によって個体差はありますが、警戒心が強い場合1週間かかることもザラです。しかし焦って強引に隠れ家から引きずり出すということはやってはいけません。あくまでも猫のペースに合わせてください。
また、新しい動物がテリトリーに入ってきたことにより、様々なストレス反応を見せると予想されます。猫のストレスチェックを参考にしながら、病気の兆候が見られた場合はすぐに動物病院に相談するようにします。
家に赤ちゃんがいる場合
赤ちゃんに寄り添う犬の姿は微笑ましいものがあります。しかしそうした油断が咬傷事故につながる危険性をはらんでいることは知っておかなければなりません。
オーストリア・ウィーン大学の獣医学チームが2014年の7月から11月にかけ、Facebookや犬の雑誌を通してドイツやオーストリアから402名の回答者を募集し、子供と飼っている犬とが交流している状況においてどのような監督を行っているかに関する調査を行いました。その結果、「保護者が近くにいて子供が優しく振る舞っていれば、小型犬が子供に噛み付く事は無い」と思い込んでいる人が比較的多いことが明らかになったといいます。 犬による咬傷事故は、撫でるとか抱きしめるといった友好的な交流でも発生しますし、小型犬でも家庭内でも発生します。親が監督を怠ると重大な事故に発展する危険性がありますので、油断は禁物です。
2017年3月9日、東京都八王子市で生後10ヶ月の赤ちゃんがゴールデンレトリバー(4歳・37kg)に噛まれて死亡するという痛ましい事故が起こりました。飼い主が「ほえたりかんだりしない、臆病でおとなしい犬だった」と説明していることから、「保護者が近くにいて子供が優しく振る舞っていれば大丈夫」という過信があったように思えてなりません。
オーストリア・ウィーン大学の獣医学チームが2014年の7月から11月にかけ、Facebookや犬の雑誌を通してドイツやオーストリアから402名の回答者を募集し、子供と飼っている犬とが交流している状況においてどのような監督を行っているかに関する調査を行いました。その結果、「保護者が近くにいて子供が優しく振る舞っていれば、小型犬が子供に噛み付く事は無い」と思い込んでいる人が比較的多いことが明らかになったといいます。 犬による咬傷事故は、撫でるとか抱きしめるといった友好的な交流でも発生しますし、小型犬でも家庭内でも発生します。親が監督を怠ると重大な事故に発展する危険性がありますので、油断は禁物です。
2017年3月9日、東京都八王子市で生後10ヶ月の赤ちゃんがゴールデンレトリバー(4歳・37kg)に噛まれて死亡するという痛ましい事故が起こりました。飼い主が「ほえたりかんだりしない、臆病でおとなしい犬だった」と説明していることから、「保護者が近くにいて子供が優しく振る舞っていれば大丈夫」という過信があったように思えてなりません。
咬傷事故の発生原因や予防法に関しては「犬の攻撃行動」でも詳しく解説してありますのでご参照ください。