Q1~Q6
犬と人とが接触する際に発せられるメッセージがよく表れている状況を集めました。犬の心を読む訓練で学んだ基本的な犬語を元に、犬の言葉や気持ちを推理してみましょう。声、耳の位置や口元の開き具合、しっぽの位置や動き、姿勢や重心などが着眼点です。
Q1
日課のマッサージをしようと、ペットのグレーハウンドを呼んだら、自発的に仰向けになってゴローン。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
目はうっとりとしており、緊張が感じられません。弱点であるおなかを見せているということは、相手を上位と認め強い信頼感を抱いていることを意味します。しっぽを足の間に挟むように巻き込んでいるのは、服従の典型的な姿勢です。
こうした状況から、「どうぞ好きにしてください」といった感じで、飼い主に完全に身をゆだねていると考えるのが妥当でしょう。
こうした状況から、「どうぞ好きにしてください」といった感じで、飼い主に完全に身をゆだねていると考えるのが妥当でしょう。
Q2
川原を散歩していたら、首輪をつけていない野良犬らしき放浪犬を発見。なでようと思って近づいたら写真のようなリアクションを示しました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
口は閉じられて緊張の面持ちですが、歯を見せていないので攻撃心は無いようです。耳は後ろに惹かれていることから少し怖がっている様子が伺えます。しっぽは完全に垂れており、股の間に挟み込む勢いです。重心を後ろにかけているのは、今すぐにでも逃げ出したいという気持ちの表れでしょう。
こうした状況から、「どうか私のことは放っておいてください・・・」といった感じで、相手に対する屈服と恐怖心を抱いていると考えるのが妥当でしょう。なお、少しでも歯を見せている場合は「窮鼠猫を噛む」のことわざ通り、いきなり攻撃に転じてしまうことがありますので、要注意です。
こうした状況から、「どうか私のことは放っておいてください・・・」といった感じで、相手に対する屈服と恐怖心を抱いていると考えるのが妥当でしょう。なお、少しでも歯を見せている場合は「窮鼠猫を噛む」のことわざ通り、いきなり攻撃に転じてしまうことがありますので、要注意です。
Q3
気分転換に、いつもとは違うルートを通って犬の散歩をしていたら、突然の荒々しい吠え声と共に写真のような犬が現れました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
犬の上唇は引き上げられ、犬歯が完全に見えています。鼻の上には明瞭なシワがあり、耳が直立してこちら側を向いているのは、明確な敵対心の表明でしょう。しっぽを高く上げてやや蛇行気味なのは、攻撃間際のオオカミにそっくりです。
こうした状況から、「とっととうせろ!よそ者が!!」といった感じで、全く迷いの無い攻撃心をあらわにしていると考えるのが妥当でしょう。この状態の犬に、興味本位で近づくのは厳禁です。
こうした状況から、「とっととうせろ!よそ者が!!」といった感じで、全く迷いの無い攻撃心をあらわにしていると考えるのが妥当でしょう。この状態の犬に、興味本位で近づくのは厳禁です。
Q4
訓練を受けたゴールデンレトリバー2頭が、病院にセラピードッグとしてやってきました!このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
2頭とも口角がうんと引かれ、軽く開いた口からは舌がのぞいています。これは穏やかな心境のときに出る表情です。目つきも優しく、まるで笑っているように見えます。
こうした状況から、「お役に立てるようでしたら、何でもしますよ!」といった感じで、無条件の友愛を振りまいていると考えるのが妥当でしょう。犬が人間の欠く事のできないパートナーとしての地位を築けたのは、犬がうれしさを表現するときの顔が、人間の笑顔に似ているからかもしれませんね。
こうした状況から、「お役に立てるようでしたら、何でもしますよ!」といった感じで、無条件の友愛を振りまいていると考えるのが妥当でしょう。犬が人間の欠く事のできないパートナーとしての地位を築けたのは、犬がうれしさを表現するときの顔が、人間の笑顔に似ているからかもしれませんね。
Q5
外飼いされている近所の雑種犬が、肉のようなものを食べていました。「何を食べているのだろう?」と興味本位で近づいたら、軽いうなり声とともに写真のような表情を見せました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
鼻の上に現れた「逆ハの字」のシワは、不快感の表明です。犬歯は見せていないものの、こちらの存在を快く思っていないことは間違いないでしょう。眼光は鋭く、耳も立っており「いざとなったら戦うぞ!」という気迫を見せ付けています。
こうした状況から、「お前に食わせる肉はねぇ!」といった感じで、自分のエサを守ろうとしていると考えるのが妥当でしょう。なお、こうした自分の食べ物に対する過度の執着は「フードガーディング」(food guarding)と呼ばれ、不用意にエサや食器に手を伸ばすと、飼い主といえども噛まれてしまうことがあります。
こうした状況から、「お前に食わせる肉はねぇ!」といった感じで、自分のエサを守ろうとしていると考えるのが妥当でしょう。なお、こうした自分の食べ物に対する過度の執着は「フードガーディング」(food guarding)と呼ばれ、不用意にエサや食器に手を伸ばすと、飼い主といえども噛まれてしまうことがあります。
Q6
赤ん坊とペットの犬を仲良くさせようと、自由に触れ合わせてみました。赤ちゃんに悪意は無いものの、犬の扱いはやや乱暴なようです。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
こうした状況から、「このうるさい子・・・どうにかしてくれませんか?!」といった感じで、やや苛立ちを覚えていると考えるのが妥当でしょう。親はこうした犬からのストレスサインを見逃さず、攻撃に転じる前にストップを掛けなければなりません。
犬と赤ちゃん
赤ちゃんが無邪気に頭や前足の上に手を置いています。この動作は犬の世界では上位者が行うことであり、突然やられると、あまり愉快なものではありませんが、この犬もやはり例外ではないようです。相手から目線をはずしているのは、相手を挑発しないようにするためです。そしてしきりに舌なめずりをしているのは、高ぶった自分の気持ちを何とか鎮めようとするカーミングシグナルの一種で、ヘビのようにすばやく行われる場合は特にフリッキング(flicking)とも呼ばれます。こうした状況から、「このうるさい子・・・どうにかしてくれませんか?!」といった感じで、やや苛立ちを覚えていると考えるのが妥当でしょう。親はこうした犬からのストレスサインを見逃さず、攻撃に転じる前にストップを掛けなければなりません。
Q7~Q12
犬と動物が接触する際に発せられるメッセージがよく表れている状況を集めました。犬の心を読む訓練で学んだ基本的な犬語を元に、犬の言葉や気持ちを推理してみましょう。声、耳の位置や口元の開き具合、しっぽの位置や動き、姿勢や重心などが着眼点です。
Q7
友人の家にペットのチワワを連れて遊びにいきました。庭で遊んでいると、友人の飼っているリクガメと遭遇!このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
耳はやや後ろに倒れて不安げな表情です。しっぽも下がり気味で、初めてみる奇妙な生物に興味半分、怖さ半分といったところでしょう。舌をペロッと出しているのはカーミングシグナルの一種で、興奮した気持ちを落ち着けようとするときに出るものですが、前足をポインターのように上げているのも同じ意味を持ちます。
こうした状況から、「うわ~・・変なもの見つけちゃったよ!」といった感じで、興奮しつつもやや尻込みするような心境と考えるのが妥当でしょう。
こうした状況から、「うわ~・・変なもの見つけちゃったよ!」といった感じで、興奮しつつもやや尻込みするような心境と考えるのが妥当でしょう。
Q8
飼い犬のビズラを連れて海に行きました。驚いたことにそこでペンギンと遭遇!このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
口が閉じられているのは、緊張している証拠。垂れ耳なので耳からの表情は分かりづらいですが、しっぽがピンと水平に伸びていることからすると、目の前の生き物にどう対処してよいのか分からないといった複雑な心境なのでしょう。真正面からではなく、円を描くようにじわじわ近づくのは、相手を挑発しないようにするカーミングシグナルの一種です。
こうした状況から、「あの~・・・あなたどちらさま?」といった感じで、適度に距離と礼儀を保ちながらも相手への好奇心を抑えきれない心境と考えるのが妥当でしょう。
こうした状況から、「あの~・・・あなたどちらさま?」といった感じで、適度に距離と礼儀を保ちながらも相手への好奇心を抑えきれない心境と考えるのが妥当でしょう。
Q9
牧羊犬見習いのボーダーコリーが、初めて馬を間近で見ました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
口を真一文字に閉じるのは、対象に意識を集中しているときです。耳はやや引き気味で、不安や恐怖心を示しています。重心が前にかかっているのか後ろにかかっているのかよくわからないのは、気持ちの不安定さがそのまま反映されたものでしょう。しっぽが後足の間に垂れていることから、自分のとるべき行動がよく分からない不安感を抱いていることが伺えます。
こうした状況から、「え~・・あの~・・う~ん」といった感じで、対面したはいいものの、もじもじしていつまでも次のステップに進めない状態と考えるのが妥当でしょう。
こうした状況から、「え~・・あの~・・う~ん」といった感じで、対面したはいいものの、もじもじしていつまでも次のステップに進めない状態と考えるのが妥当でしょう。
Q10
ラブラドールレトリバーの子犬が、ウサギと初めてのご対面。するとワンワン吠えながら写真のようなリアクションを見せました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
力んですぼまった口角は、興奮していることを物語っています。耳が引かれているのは、恐怖心の裏返し。しっぽが水平付近で左右に振られているようですが、これは目の前の状況に不安感を抱いているときに出る動きです。頭を低くしている姿勢は、犬のお辞儀(プレイバウ)と呼ばれる遊びへの誘いにも見えます。
こうした状況から、「何だ君は?!怖いの?優しいの?一緒に遊ぶ?」といった感じで、好奇心や恐怖心がない交ぜになった心境と考えるのが妥当でしょう。このように子犬は相反するシグナルを同時に出すことも珍しくありません。
こうした状況から、「何だ君は?!怖いの?優しいの?一緒に遊ぶ?」といった感じで、好奇心や恐怖心がない交ぜになった心境と考えるのが妥当でしょう。このように子犬は相反するシグナルを同時に出すことも珍しくありません。
Q11
シェルター(動物を保護する施設)から子猫を引き取ってきました。さっそく先住犬とご対面させましたが、犬は動画のようなリアクションを取ります。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
さて、犬の口が閉じていることから、少なくともリラックスしていないことはすぐに分かります。途中で顔を背けるのは、相手を挑発しないようにするカーミングシグナルの一種で、自分を落ち着かせるという効果もあります。
こうした状況から、「うわ~・・・何だこいつ?関わらないでおこう・・・」といった感じで、相手と距離を置こうとしていると考えるのが妥当でしょう。犬語と猫語には共通部分と相違部分とがありますが、互いに若いうちから同居を始めておくと、お互いの言葉を相互に理解するようになるとも言われています。
犬語と猫語の違い
猫がしっぽを高々と上げて犬に擦り寄っていっています。この行動は猫語的に言うと、「相手を保護者とみなして甘えたい」という意味です。しかし犬語的に言うと「お前は俺より下だ!」という意味であり、この行動を見せられた方の犬は、相手から相当なプレッシャーを受けることになります。つまり、「しっぽを上げる」という行為は同じでも、猫から見たときと犬から見たときとでは、意味が全く違うのです。さて、犬の口が閉じていることから、少なくともリラックスしていないことはすぐに分かります。途中で顔を背けるのは、相手を挑発しないようにするカーミングシグナルの一種で、自分を落ち着かせるという効果もあります。
こうした状況から、「うわ~・・・何だこいつ?関わらないでおこう・・・」といった感じで、相手と距離を置こうとしていると考えるのが妥当でしょう。犬語と猫語には共通部分と相違部分とがありますが、互いに若いうちから同居を始めておくと、お互いの言葉を相互に理解するようになるとも言われています。
Q12
仲良くなってもらおうと、飼い始めた猫を先住犬であるチワワのベッド付近に連れて行きました。すると犬は動画のようなリアクションを見せます。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
こうした状況から、「強いのは自分だぞ!・・・たぶん」といった感じで、やや強がりながらも自分の優位性を示そうと躍起になっていると考えるのが妥当でしょう。なお、犬が歯を見せたり鼻の上にシワを寄せ始めたときが、両者を引き離すタイミングです。飼い主はしっかりと観察を怠らないようにします。
耳を前後させる犬
声を発しているものの、うなり声とも吠え声ともつかないあいまいな声です。これは相手に対する接し方を考えあぐねているのでしょう。歯を見せたり鼻の上にしわを寄せたりはしていないので、敵対心は抱いていないようです。注目すべきは耳の動きで、前を向いたり後ろに引いたりという奇妙な動きを交互に行っています。これは興味・勝気と恐怖・臆病とが交互に訪れていることを意味します。こうした状況から、「強いのは自分だぞ!・・・たぶん」といった感じで、やや強がりながらも自分の優位性を示そうと躍起になっていると考えるのが妥当でしょう。なお、犬が歯を見せたり鼻の上にシワを寄せ始めたときが、両者を引き離すタイミングです。飼い主はしっかりと観察を怠らないようにします。