犬がおじぎをする状況
上体(じょうたい)を低くして犬が「おじぎ」をしていますね。さてこの時の犬の気持ちは?

おじぎをするときの気持ち解説

アレクサンドラ・ホロウィッツ女史は著書、「犬から見た世界」(白揚社)の中で、犬が相手に「遊ぼう!」と誘いかけるときの動作には、幾つかの省略形があると述べています。具体的には「プレイスラップ」(play slap=おじぎの最初に前足で地面を叩く)、「オープンマウスディスプレイ」(open mouth display=歯をむき出さない程度に口をあける)、「ヘッドバウ」(head bow=口をあけて頭をぴょこんと上下する)などです。また、相手の注意をよそから自分に向けるための動作がそれに先行することもあるそうです。この動作は「アテンションゲティング」(attention getting)と呼ばれ、面前に立つ、大げさに後退する、噛む、ぶつかる、吠えるなどが含まれます。おじぎを始めとする遊び信号や上記アテンションゲティングを上手に使えない犬は、のけ者にされやすいといいますので、人間で言うと「ノックもせずにいきなり部屋のドアを開ける」ようなものなのかもしれませんね。


犬がおじぎをする動画
イギリス・サウサンプトン大学の人類動物学研究所は、「人間が犬のおじぎをやっても通じるか?」という実験を行いました。結果は、人間が床に両膝をつき、両手の肘までを床につけて姿勢を低くすると、犬のほうも同様におじぎで応え、遊び始めたそうです。やってみると面白いかもしれませんね。
犬同士のおじぎ
犬がおじぎをする写真
