犬がおじぎをする状況
上体(じょうたい)を低くして犬が「おじぎ」をしていますね。さてこの時の犬の気持ちは?
おじぎをするときの気持ち解説
上の写真のように前足を曲げ背中を弓なりに反らせて尻尾を丸める格好は、典型的な遊びへの誘いで犬のおじぎ(プレイバウ, play bow)と呼ばれます。しっぽはたいてい大きく振られます。
アレクサンドラ・ホロウィッツ女史は著書、「犬から見た世界」(白揚社)の中で、犬が相手に「遊ぼう!」と誘いかけるときの動作には、幾つかの省略形があると述べています。具体的には「プレイスラップ」(play slap=おじぎの最初に前足で地面を叩く)、「オープンマウスディスプレイ」(open mouth display=歯をむき出さない程度に口をあける)、「ヘッドバウ」(head bow=口をあけて頭をぴょこんと上下する)などです。また、相手の注意をよそから自分に向けるための動作がそれに先行することもあるそうです。この動作は「アテンションゲティング」(attention getting)と呼ばれ、面前に立つ、大げさに後退する、噛む、ぶつかる、吠えるなどが含まれます。おじぎを始めとする遊び信号や上記アテンションゲティングを上手に使えない犬は、のけ者にされやすいといいますので、人間で言うと「ノックもせずにいきなり部屋のドアを開ける」ようなものなのかもしれませんね。 アメリカ・ミシガン州立大学のチームが犬と狼のおじぎを比較観察したところ、犬のおじぎには「攻撃体勢を整えるために使っているわけではない」、「守勢行動の合図として使っている可能性がある」、「遊びを再開するときの合図として使っている」という特徴を持っていることが明らかになりました(→詳細)。これらの特徴を一文で表すと「もっと遊ぼうよ!君が先攻でいいからさ」といった意味合いになると考えられます。ただ単に「遊ぼう!」と誘うのではなく、相手の遊び心をくすぐるためまず自分がやられ役を買って出るというのは興味深いところです。 ちなみに「犬のおじぎ」に非常によく似たものとして「犬のお祈り」というものがあります。具体的には、前足を折りたたんで上体をかがめているものの、しっぽは振られておらず、股の間に挟んだままじっとしている姿勢のことです。これはかなり強い腹痛を感じているときの典型的なサインですので、「元気がない」、「おなかを触ると痛がる」といった症状が合わせて見られるような場合は、早急に獣医さんに相談した方がよいでしょう。「play」(遊ぶ)と「pray」(祈る)はたった一文字違いですが、犬においては意味がまったく変わってしまうのです。
アレクサンドラ・ホロウィッツ女史は著書、「犬から見た世界」(白揚社)の中で、犬が相手に「遊ぼう!」と誘いかけるときの動作には、幾つかの省略形があると述べています。具体的には「プレイスラップ」(play slap=おじぎの最初に前足で地面を叩く)、「オープンマウスディスプレイ」(open mouth display=歯をむき出さない程度に口をあける)、「ヘッドバウ」(head bow=口をあけて頭をぴょこんと上下する)などです。また、相手の注意をよそから自分に向けるための動作がそれに先行することもあるそうです。この動作は「アテンションゲティング」(attention getting)と呼ばれ、面前に立つ、大げさに後退する、噛む、ぶつかる、吠えるなどが含まれます。おじぎを始めとする遊び信号や上記アテンションゲティングを上手に使えない犬は、のけ者にされやすいといいますので、人間で言うと「ノックもせずにいきなり部屋のドアを開ける」ようなものなのかもしれませんね。 アメリカ・ミシガン州立大学のチームが犬と狼のおじぎを比較観察したところ、犬のおじぎには「攻撃体勢を整えるために使っているわけではない」、「守勢行動の合図として使っている可能性がある」、「遊びを再開するときの合図として使っている」という特徴を持っていることが明らかになりました(→詳細)。これらの特徴を一文で表すと「もっと遊ぼうよ!君が先攻でいいからさ」といった意味合いになると考えられます。ただ単に「遊ぼう!」と誘うのではなく、相手の遊び心をくすぐるためまず自分がやられ役を買って出るというのは興味深いところです。 ちなみに「犬のおじぎ」に非常によく似たものとして「犬のお祈り」というものがあります。具体的には、前足を折りたたんで上体をかがめているものの、しっぽは振られておらず、股の間に挟んだままじっとしている姿勢のことです。これはかなり強い腹痛を感じているときの典型的なサインですので、「元気がない」、「おなかを触ると痛がる」といった症状が合わせて見られるような場合は、早急に獣医さんに相談した方がよいでしょう。「play」(遊ぶ)と「pray」(祈る)はたった一文字違いですが、犬においては意味がまったく変わってしまうのです。
犬がおじぎをする動画
イギリス・サウサンプトン大学の人類動物学研究所は、「人間が犬のおじぎをやっても通じるか?」という実験を行いました。結果は、人間が床に両膝をつき、両手の肘までを床につけて姿勢を低くすると、犬のほうも同様におじぎで応え、遊び始めたそうです。やってみると面白いかもしれませんね。
犬同士のおじぎ
犬がおじぎをする写真
犬のおじぎ写真いろいろです。ちなみに猫にも遊びに誘う動作がありますが、それは「仰向けになって手招きする」というものです。この動作も犬のおじぎと同様、「さあ!獲物役をやるから上手にしとめてごらん!」といった意味に取れます。本能に根ざした「狩猟ごっこ」が、いかに犬や猫にとって楽しいかを示す例ですね。人間がうんてい(学校や公園にある、手でぶら下がりながら移動する遊具のこと)遊びをすると、訳もなく楽しいと感じますが、これも私たちの祖先が、かつて樹上生活していたことと関係しているのでしょうか??