犬が円を描きながら近づく状況
ドッグランで見知らぬ2匹の犬が出会いました。お互い円を描くようにグルグル回り、徐々に距離を縮めています。さて、このときの犬の気持ちは？
犬が円を描きながら近づく意味の解説
円を描きながら近づくというカーミングシグナルは、相手に対して敵意を抱いていないことを伝えるときに用いられます。例題の犬たちは、お互いに円を描くようにゆるやかに距離を縮め、相手の懐（ふところ）に入っていますね。「攻撃の意志はありませんので、まぁ仲良くやっていきましょうや！」といったところです。逆に、一直線に相手に近づいてしまうと「こいつは自分を攻撃しようとしている！」と判断され、逃げたり攻撃に転じたりします。「かわいい～！」と声を荒げていきなり小型犬に近づく人をたまに見かけますが、これは犬の世界においてはかなりのNG行為です。
犬が円を描きながら近づく動画
以下でご紹介するのは、犬が円を描きながら近づく瞬間をとらえた動画です。
登場するのはドッグランで始めて出会った2頭の犬です。好奇心の強いグレーハウンド（細身の方）がゆっくりとした動き長毛犬の背後に近づいていき、さりげなくお尻の匂いを嗅いでいます。一方長毛犬の方は居心地が悪いのか、そそくさと別の場所に逃げ出していますね。文字通り「尻を追いかけている」ようにも見えますが、これは相手の肛門腺（こうもんせん）の臭いをかいで、相手の素性を確かめたいという願望の現れです。肛門腺とは人間界でいう名刺のようなもので、「自分が何者であるか？」という情報を相手に伝える、犬ならではのコミュニケーションツールの一つと言えます。
