犬のホルネル症候群の病態と症状
犬のホルネル症候群とは、視床下部から眼球まで走行する頸部交感神経路の周辺で異常が発生した状態を言い、ホーナー症候群とも呼ばれます。
交感神経(こうかんしんけい)は瞳孔を開いたり、発汗を促したりしますので、この神経が障害を受けると、逆に瞳孔が縮小したり無発汗が生じたりします。 犬のホルネル症候群の症状としては以下のようなものが挙げられます。症状は多くの場合顔の片側だけに現れます。
交感神経(こうかんしんけい)は瞳孔を開いたり、発汗を促したりしますので、この神経が障害を受けると、逆に瞳孔が縮小したり無発汗が生じたりします。 犬のホルネル症候群の症状としては以下のようなものが挙げられます。症状は多くの場合顔の片側だけに現れます。
犬のホルネル症候群の主症状
- 瞳孔が小さくなる
- 瞬膜が露出する
- 眼球が落ちくぼむ
- まぶたが垂れ下がる
犬のホルネル症候群の原因
犬のホルネル症候群の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
犬のホルネル症候群の主な原因
- 原因不明 ホルネル症候群の原因は、多くの場合不明です。犬における割合は50%以上にまで及びます。
- 脳幹の病変 脳幹の病変がホルネル症候群を引き起こすことがあります。具体的には、外傷、腫瘍、炎症などです。この場合、症状が出ている側と同側の筋肉にも何かしらの異常が現れます。
- 頚髄の病変 脊髄の頚部に相当する「頚髄」の病変がホルネル症候群を引き起こすことがあります。具体的には椎間板ヘルニア、腫瘍、繊維軟骨塞栓症などです。この場合、症状が出ている側と同側の筋肉にも麻痺が現れます。
- 胸髄の病変 脊髄の胸部に相当する「胸髄」の病変がホルネル症候群を引き起こすことがあります。具体的には、椎間板ヘルニア、腫瘍、繊維軟骨塞栓症、腕神経叢の外傷、神経鞘腫などです。この場合、症状が出ている側と同側の前足にも麻痺や知覚障害が現れます。
- 交感神経幹の病変 首のあたりにある交感神経の中継地点の病変がホルネル症候群を引き起こすことがあります。具体的には外傷、縦隔腫瘍、首や胸の手術に伴う医療ミスなどです。
- 中耳の病変 中耳の病変がホルネル症候群を引き起こすことがあります。具体的には、外傷、腫瘍、中耳炎、内耳炎、鼻咽頭ポリープなどです。この場合、症状が出ている側と同側の顔面筋や、前庭神経にも障害が現れます。
- 眼球後部の病変 眼球後部の病変がホルネル症候群を引き起こすことがあります。具体的には、外傷、腫瘍、膿瘍などです。この場合、症状が出ている側と同側の各種脳神経(2~6)にも障害が出ることがあります。
犬のホルネル症候群の治療
犬のホルネル症候群の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
犬のホルネル症候群の主な治療法
- 基礎疾患の治療 別の疾病によってホルネル症候群が引き起こされている場合は、まずそれらの基礎疾患への治療が施されます。
- 様子を見る ホルネル症候群の原因がわからず、「特発性」という診断がついた場合は、何もせずに様子見を行います。多くの場合時間の経過とともに回復しますが、長ければ元の状態に戻るまで4ヶ月以上かかることもあります。