犬のボディコントロールの必要性
ボディコントロールとは体中のどこを触られても犬が反抗せずじっとしている状態のことです。ボディハンドリング(body handling)とも呼ばれます。このしつけは噛み付き事故を予防するためにきわめて重要です。
例えば健康診断のために犬を連れて動物病院に行ったとしましょう。獣医さんが聴診器で心臓の鼓動を確かめようと手を伸ばした瞬間、犬が噛み付いてしまうとちゃんとした診察や診断ができなくなってしまいます。あるいは散歩中、マナーを知らない女性が「かわいい~!」などと言って飼い主の許可を得ず勝手に犬に近づき、頭の上から手を差し出してなでようとした瞬間、怖がった犬が女性の手を噛んだら大変です。たとえ相手の一方的な行動だったとしても、飼い主の管理責任が問われてしまいます。あるいは犬の扱い方を知らない子供がいたずらにしっぽを引っ張り、驚いた犬がその子供を噛んでしまうかもしれません。
またボディコントロールは犬の健康を保つためにも絶対必要なしつけです。犬との暮らしの中では歯磨き、ブラッシング、散歩帰りの肉球掃除など、どうしても犬の体を触らなければいけない状況がたくさんあります。飼い主が体に触ろうとするたびに逃げ出していたら、犬の体を適切にメンテナンスできなくなり、健康が悪化してしまうでしょう。
このようにボディコントロール(ハンドリング)のしつけは、犬の咬傷事故を予防し、犬と飼い主両方の生活や健康を守るために絶対必要なのです。それでは具体的にしつけの方法を見ていきましょう。
NEXT:しつけの基本方針
またボディコントロールは犬の健康を保つためにも絶対必要なしつけです。犬との暮らしの中では歯磨き、ブラッシング、散歩帰りの肉球掃除など、どうしても犬の体を触らなければいけない状況がたくさんあります。飼い主が体に触ろうとするたびに逃げ出していたら、犬の体を適切にメンテナンスできなくなり、健康が悪化してしまうでしょう。
このようにボディコントロール(ハンドリング)のしつけは、犬の咬傷事故を予防し、犬と飼い主両方の生活や健康を守るために絶対必要なのです。それでは具体的にしつけの方法を見ていきましょう。
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ボディコントロール・基本方針
ボディコントロール(ハンドリング)の練習をするに際し、飼い主はまず以下のことを念頭に置きます。
してほしい行動と快(ごほうび・強化刺激)、してほしくない行動と不快(おしおき・嫌悪刺激)を結びつけるのがしつけの基本であり、前者を強化、 後者を弱化と呼ぶことは犬のしつけの基本理論で述べました。これを踏まえてボディコントロールをしつける場合を考えて見ましょう。
犬のボディコントロールのしつけに際しては正の強化を基本方針とします。
これは「体を触った→抵抗した→犬を叩いて叱った」という形でしつけをしてしまうと、犬は「体を触られた→叩かれた!」と誤解してしまうからです。これでは逆に体を触ろうとしたら犬がどこかに逃げてしまいますね。
ですから犬が誤解してしまうようなしつけではなく、体を触ったり動かしたりしてもじっとしていた瞬間におやつなどの快を与えるという正の強化でボディコントロールをしつけるのが基本方針となります。
してほしい行動 |
ペットの体を触り、体の一部を動かしても全く抵抗しないこと |
してほしくない行動 |
ペットの体を触り、体の一部を動かそうとすると嫌がること |
強化 |
「ペットの体を触り、体の一部を動かしてもじっとしていた」瞬間に快を与える |
弱化 |
「ペットの体を触り、体の一部を動かすと抵抗した」瞬間に不快を与える |
これは「体を触った→抵抗した→犬を叩いて叱った」という形でしつけをしてしまうと、犬は「体を触られた→叩かれた!」と誤解してしまうからです。これでは逆に体を触ろうとしたら犬がどこかに逃げてしまいますね。
ですから犬が誤解してしまうようなしつけではなく、体を触ったり動かしたりしてもじっとしていた瞬間におやつなどの快を与えるという正の強化でボディコントロールをしつけるのが基本方針となります。
望ましくない手法
力ずくで仰向けに寝かせて押さえつける「アルファロール」、および力ずくで横向きに寝かせる「ドミナンスダウン」は望ましくありません。人間で言うと、体重150キロのお相撲さんが上に覆いかぶさるようなものです。犬に大変な不快感を与え、時には反撃を誘発する危険性がありますので、現在では特殊な状況を除き、否定されているしつけ方です。たとえテレビ番組でこのようなしつけ方が紹介されていても真似してはいけません。
NEXT:しつけの実践
ボディコントロール・実践
基本方針を理解したところで、いよいよ実際の訓練に入りましょう。まずはしつけに入る前に「犬のしつけの基本理論」で述べた大原則、「犬をじらせておくこと」「一つの刺激と快不快を混在させないこと」「ごほうびと罰のタイミングを間違えないこと」「しつけ方針に家族全員が一貫性を持たせること」を念頭においてください。まだマスターしていない方は以下のページを読んで「すべきこと」と「すべきでないこと」が何であるかを把握しておきます。
しつけの準備
実際にボディコントロールのしつけに入る前に、以下のような準備を終わらせておきましょう。
集中できる環境を作る
一つのことを覚えるには集中力が大切です。しつけの前には窓を閉じて外からの音を遮断し、テレビやラジオは消しましょう。気が散るようなおもちゃなどは全て片付け、犬の意識が否応なく飼い主の方に向くように無味乾燥なトレーニング環境を作ってしまいます。
また犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。
また犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。
ごほうびを用意する
犬をある特定の行動に対して積極的にさせるためには、何らかの快(強化刺激)を与える必要があります。以下は代表的な犬に対するごほうびです。
犬に対するごほうびいろいろ
- おやつおやつをごほうびとして使う場合は犬がおいしいと感じるもの+カロリーの低いものを選ぶようにしましょう。与えるときは犬が満腹にならないよう、なるべく少量だけにします。
- ほめる高い声で「よーし」や「いいこ」や「グッド」などの声をかけてあげます。言葉と同時に軽く一回なでてあげてもかまいません。ただしあまり激しく撫で回してしまうと犬が興奮しすぎて集中力がなくなってしまうため、軽くにとどめておきます。
- おもちゃおもちゃを選ぶときは、あらかじめ犬に何種類かのおもちゃを与えておいて一番のお気に入りを確かめておきます。ただし一度与えると回収するのが困難になるため、しつけセッションの最後に与えるようにします。
犬の弱点部位を知る
犬の体には弱点部位、すなわち触られたくない場所があります。具体的には下図の赤で示した部分が弱点ですが、他の犬と争いになったとき、噛み付かれて怪我をしやすい耳の先端、鼻先、足の先、しっぽ、雄であれば性器などへのタッチを本能的に嫌います。
基本的には触られても平気な部位から初めて徐々に赤い弱点部位のボディコントロールに移っていきます。理由は、いきなり苦手な場所から始めると、触られること自体が嫌になる危険性があるからです。
ハンドシャイをなおす
「ハンドシャイ」(hand shy)とは犬が人間の手を怖がってしまう状態のことです。人間との接触経験が少ない子犬や、人間の手で叩かれるなどの虐待を受けた犬においてよく見られます。犬にボディコントロールをマスターさせる際は、まず人間の手に対する恐怖心を完璧に克服していなければなりません。
止まっている人の手に慣らす
まずは人間の手がもつ視覚的な情報に慣らしましょう。要するに止まっている人の手を見ても怖がらなくするということです。
事前に床をきれいに掃除しておき、手のひらを上にして置きます。そして50cmほど離れた場所におやつを置いてみましょう。犬が近づいてきて食べてくれるはずです。食べ終わったら今度は40cm離れた地点に置いてみましょう。犬が食べてくれたら今度は30cm地点に置いてみます。食べてくれなかったらもう一度50cm地点に戻しましょう。このような作業を繰り返すことにより、犬は「人間の手は自分に害を及ぼすものではない」と学習していきます。 おやつの置き場所が限りなく手に近づいたら、今度は手のひらの上におやつを置いてみましょう。このときむやみに動かさないようにします。犬が抵抗なく食べてくれたら成功です。少し戸惑っているようなら10~20cm離して置き、犬の警戒心が少なくなるまで待ちます。スムーズに食べてくれるようになったらもう一度手のひらの上に置いてみましょう。このような作業を繰り返すことにより、犬は「人間の手はおやつの合図である」と学習していきます。 犬がスムーズに手のひらから食べてくれるようになったら今度は手の甲を上にして同じプロセスを繰り返します。また逆の手、半袖の状態、長袖の状態、手袋をはめた状態でもやってみましょう。家族や知り合いがいる場合は、そういう人たちにも同じ動作を行ってもらいます。こうした作業を繰り返すことにより、犬が人間の手を見て怖がるということがなくなっていきます。
事前に床をきれいに掃除しておき、手のひらを上にして置きます。そして50cmほど離れた場所におやつを置いてみましょう。犬が近づいてきて食べてくれるはずです。食べ終わったら今度は40cm離れた地点に置いてみましょう。犬が食べてくれたら今度は30cm地点に置いてみます。食べてくれなかったらもう一度50cm地点に戻しましょう。このような作業を繰り返すことにより、犬は「人間の手は自分に害を及ぼすものではない」と学習していきます。 おやつの置き場所が限りなく手に近づいたら、今度は手のひらの上におやつを置いてみましょう。このときむやみに動かさないようにします。犬が抵抗なく食べてくれたら成功です。少し戸惑っているようなら10~20cm離して置き、犬の警戒心が少なくなるまで待ちます。スムーズに食べてくれるようになったらもう一度手のひらの上に置いてみましょう。このような作業を繰り返すことにより、犬は「人間の手はおやつの合図である」と学習していきます。 犬がスムーズに手のひらから食べてくれるようになったら今度は手の甲を上にして同じプロセスを繰り返します。また逆の手、半袖の状態、長袖の状態、手袋をはめた状態でもやってみましょう。家族や知り合いがいる場合は、そういう人たちにも同じ動作を行ってもらいます。こうした作業を繰り返すことにより、犬が人間の手を見て怖がるということがなくなっていきます。
ゆっくり動く手に慣らす
止まった状態の人間の手に慣れたら、今度はゆっくりと動いている状態の手に慣らしていきましょう。
指先でおやつをつまみ犬の鼻の高さにキープしたままできるだけゆっくりと鼻先に近づけ、おやつの匂いを嗅がせてあげます。犬がクンクンと匂いを嗅いで自発的に食べてくれたら成功です。同じ要領で今度はさっきよりも早めに手を近づけてみましょう。
犬が怖がって後ずさりようなら早すぎです。もう一度動きをスローモーションに戻し、犬が警戒しないスピードを見極めます。また上から迫り来る手は犬にとって脅威ですので、必ず鼻よりも下になるように手の高さを調整して下さい。犬がスムーズに食べてくれるようになったら徐々にスピードを早めていきましょう。こうすることによって犬は「自分に近づいて来る人間の手は怖くない」と学習していきます。 接近モーションに慣れたら、今度はおやつを持った手を犬の鼻先でゆっくりと横にスライドさせてみます。犬が自発的に鼻を近づけてきたら成功です。そのままおやつを与えましょう。次は逆方向にスライドさせてみます。犬が警戒しているようだったら、移動速度を少し緩めてみます。こうした作業を繰り返すことにより、犬は「自分の目の前を横切る人間の手は怖くない」と学習していきます。
犬が慣れてきたら逆の手、半袖の状態、長袖の状態、手袋をはめた状態でもやってみましょう。家族や知り合いがいる場合は、そういう人たちにも同じ動作を行ってもらいます。こうした作業を繰り返すことにより、犬が目の前で動く人間の手を見て怖がるということがなくなっていきます。
指先でおやつをつまみ犬の鼻の高さにキープしたままできるだけゆっくりと鼻先に近づけ、おやつの匂いを嗅がせてあげます。犬がクンクンと匂いを嗅いで自発的に食べてくれたら成功です。同じ要領で今度はさっきよりも早めに手を近づけてみましょう。
犬が怖がって後ずさりようなら早すぎです。もう一度動きをスローモーションに戻し、犬が警戒しないスピードを見極めます。また上から迫り来る手は犬にとって脅威ですので、必ず鼻よりも下になるように手の高さを調整して下さい。犬がスムーズに食べてくれるようになったら徐々にスピードを早めていきましょう。こうすることによって犬は「自分に近づいて来る人間の手は怖くない」と学習していきます。 接近モーションに慣れたら、今度はおやつを持った手を犬の鼻先でゆっくりと横にスライドさせてみます。犬が自発的に鼻を近づけてきたら成功です。そのままおやつを与えましょう。次は逆方向にスライドさせてみます。犬が警戒しているようだったら、移動速度を少し緩めてみます。こうした作業を繰り返すことにより、犬は「自分の目の前を横切る人間の手は怖くない」と学習していきます。
犬が慣れてきたら逆の手、半袖の状態、長袖の状態、手袋をはめた状態でもやってみましょう。家族や知り合いがいる場合は、そういう人たちにも同じ動作を行ってもらいます。こうした作業を繰り返すことにより、犬が目の前で動く人間の手を見て怖がるということがなくなっていきます。
素早く動く手に慣らす
犬がゆっくりと動く人間の手に慣れたら、今度は素早く動く手に慣らしていきます。
おやつを指先に持ち、犬の鼻先に近づけます。犬の注意を惹き付けた状態で、おやつを持った方の腕をゆっくり時計回りに回してみましょう。犬が逃げずにその場にいたらおやつを与えます。警戒して後ずさりするようならもう少しゆっくり回すようにします。時計回りが終わったら、反時計回りで腕を回してみます。犬がじっとしていたらそのたびごとにおやつを与えましょう。 今度はおやつを持ったまま、犬の頭上で円を描くようにゆっくり動かしてみましょう。最初は犬の口が届かないような高さで行うようにします。犬がその場でじっとしていたり噛み付こうとしなければおやつを与えます。うなったり噛み付こうとする場合は自分の死角にある手に慣れていない証拠です。もう少し動きをゆっくりにして犬が警戒心を抱かないスピードで行います。犬が攻撃的にならなかったらおやつを与えましょう。
犬が自分の周囲を動き回る人間の手に慣れてきたら、徐々にスピードを早めてみましょう。いきなり高速で手を動かすと犬がびっくりしますので、少しずつスピードを早めるように注意します。この作業を繰り返すことにより、犬は「自分の視界の中で動く人間の手はおやつの合図である」と学習していきます。
おやつを指先に持ち、犬の鼻先に近づけます。犬の注意を惹き付けた状態で、おやつを持った方の腕をゆっくり時計回りに回してみましょう。犬が逃げずにその場にいたらおやつを与えます。警戒して後ずさりするようならもう少しゆっくり回すようにします。時計回りが終わったら、反時計回りで腕を回してみます。犬がじっとしていたらそのたびごとにおやつを与えましょう。 今度はおやつを持ったまま、犬の頭上で円を描くようにゆっくり動かしてみましょう。最初は犬の口が届かないような高さで行うようにします。犬がその場でじっとしていたり噛み付こうとしなければおやつを与えます。うなったり噛み付こうとする場合は自分の死角にある手に慣れていない証拠です。もう少し動きをゆっくりにして犬が警戒心を抱かないスピードで行います。犬が攻撃的にならなかったらおやつを与えましょう。
犬が自分の周囲を動き回る人間の手に慣れてきたら、徐々にスピードを早めてみましょう。いきなり高速で手を動かすと犬がびっくりしますので、少しずつスピードを早めるように注意します。この作業を繰り返すことにより、犬は「自分の視界の中で動く人間の手はおやつの合図である」と学習していきます。
ボディコントロールの手順
人間の手に対する恐怖心や抵抗感がすっかりなくなったら、いよいよボディコントロールのしつけを開始します。すべてに共通しているのは「人の手で触られる」という刺激と快(強化刺激)をリンクする古典的条件付け、および「抵抗せずじっとしている」という行動と快とをリンクするオペラント条件付けです。全てのステップで触る→じっとしている→ごほうびという手順を流れるように行ってください。
ボディコントロールの手順
犬の嫌がらない場所を触る
犬が嫌がらない背中や頭などを軽く1回なでます。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。犬の頭の中では「触られる=いいことがある」という強化がなされます。
【画像の元動画】Familiarizing Your Puppy to Touch _ Teacher's Pet With Victoria Stilwell
次に2回なでてみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。同様に3回→4回・・・となでる回数を増やしていきます。背中、頭、脇腹(わきばら)など犬が嫌がらない部位に関してまんべんなく触っていきましょう。
犬の耳を触る
次に犬が嫌がる耳先を軽く1回触ります。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。次に2回触ってみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。同様に3回→4回・・・と触る回数を増やしていきます。
【画像の元動画】Familiarizing Your Puppy to Touch _ Teacher's Pet With Victoria Stilwell
このトレーニングによって「耳を触られるのは何だか嫌だなぁ…でもおいしいものくれるからまあいいや!」という考え方が強化されます。
耳掃除をするときや動物病院で耳の中をチェックするときには必ず犬の耳を触る必要性がありますので、耳の先端に触られることへの抵抗を、あらかじめなくしておくことが重要なのです。
耳掃除をするときや動物病院で耳の中をチェックするときには必ず犬の耳を触る必要性がありますので、耳の先端に触られることへの抵抗を、あらかじめなくしておくことが重要なのです。
犬の足を触る
次に犬の前足をつかんでみます。前足をつかむ(かむ)という行為は、犬社会においては上位のものが下位のものに対して行う行為であり、支配=従属関係を示します。触られることを嫌う犬もいますので、3段階に分けてゆっくりとアプローチすることにします。
【画像の元動画】Paw Touch / mikadogluva
まずは犬の足に軽く触れるところからスタートしましょう。犬の前足を触り、じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。同様に3回→4回・・・と触る回数を増やしていきます。前足が終わったら同様に後ろ足も触ってみましょう。
犬が触られることに慣れてきたら、今度は軽くつかんでみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。3回→4回・・・と触る回数を増やしていき、じっとしてるたびにごほうびをあげます。もし嫌がるような場合は、もう一度触る所からリスタートです。前足が終わったら同様に後ろ足も触ってみましょう。
犬が足をつかまれることに慣れてきたら、今度は足を持ったまま持ち上げてみましょう。ちょうど「お手」をする時のような姿勢です。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。3回→4回・・・と持ち上げる回数を増やしていき、じっとしてるたびにごほうびをあげます。前足が終わったら同様に後ろ足も触ってみましょう。
足をつかんで持ち上げるという行為は犬の爪切りをするときや散歩から帰って肉球をきれいにするとき絶対必要になります。足を触られることや握られることに対する抵抗をあらかじめ徹底的に取り除いておきましょう。
犬が触られることに慣れてきたら、今度は軽くつかんでみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。3回→4回・・・と触る回数を増やしていき、じっとしてるたびにごほうびをあげます。もし嫌がるような場合は、もう一度触る所からリスタートです。前足が終わったら同様に後ろ足も触ってみましょう。
犬が足をつかまれることに慣れてきたら、今度は足を持ったまま持ち上げてみましょう。ちょうど「お手」をする時のような姿勢です。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。3回→4回・・・と持ち上げる回数を増やしていき、じっとしてるたびにごほうびをあげます。前足が終わったら同様に後ろ足も触ってみましょう。
足をつかんで持ち上げるという行為は犬の爪切りをするときや散歩から帰って肉球をきれいにするとき絶対必要になります。足を触られることや握られることに対する抵抗をあらかじめ徹底的に取り除いておきましょう。
犬の鼻先を触る
犬の鼻先(マズル)を飼い主が自由に触ったり動かしたりすることをマズルコントロールといいます。まずは下あごに手を添えるように触ってみましょう。上からつかむと呼吸できなくなりますので下からつかむようにします。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。3回→4回・・・と触る回数を増やしていき、じっとしてるたびにごほうびをあげます。
【画像の元動画】Puppy Body Handling Part1
犬が下あごに触られることに慣れてきたら、今度は上あごを軽く触ってみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。そして上唇をめくりあげて歯や歯茎を触ってみます。嫌がるようならもう一度軽く触るところに戻って下さい。嫌がらず、じっとしていたら
「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。3回→4回・・・と触る回数を増やしていき、じっとしてるたびにごほうびをあげます。
【画像の元動画】Familiarizing Your Puppy to Touch _ Teacher's Pet With Victoria Stilwell
口元に対する抵抗感が無くなったら、今度はマズルをつかんだまま上下左右にゆっくりと顔を回してみます。じっとしていたらその度に「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。これが、マズルコントロールです。マズルコントロールは犬の歯磨き、薬を飲ませるときなどに必要となります。
犬の腰を触る
犬の腰の辺りに軽く手をおきます。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。次に2回手を置いてみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。同様に3回→4回・・・と触る回数を増やしていきます。
【画像の元動画】Familiarizing Your Puppy to Touch _ Teacher's Pet With Victoria Stilwell
犬社会においては一方の犬が他方の犬の腰に乗ること、すなわち「マウンティング」することは上位のものが下位のものに対して行う行為であり、支配=従属関係を示します。手で腰を押さえつけるという行為には、この「マウンティング」を人間の手で疑似的に再現するという意味合いがあります。
犬のしっぽ(尾)を触る
犬のしっぽ(尾)を軽く触ります。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。次に2回触ってみます。じっとしていたら同様に「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。この要領で3回→4回・・・と触る回数を増やしていきます。
【画像の元動画】Familiarizing Your Puppy to Touch _ Teacher's Pet With Victoria Stilwell
尾は犬が非常に嫌がるデリケートな部分ですが、シャンプーをするときなどは必ず触る必要がありますので早いうちに慣らしておきましょう。また子供が面白半分で犬のしっぽを引っ張るなどという突発的な出来事もあるでしょうから、飼い主が望まない事故の予防にもなります。
横になっている犬を触る
犬が横になって寝ている時を見計らってゆっくりと近づきましょう。この時、犬をびっくりさせないよう飼い主の存在に気づいていることを必ず確認するようにします。いきなり背後に現れると反射的に攻撃的になって噛み付いてしまうかもしれません。
【画像の元動画】Puppy Body Handling Part1
犬に近づいたらゆっくりと脇腹あたりを触ってみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。犬が抵抗を示さないようなら3回→4回・・・と触る回数を増やしていき、そのつどごほうびを与えます。
「横に寝そべる」という行為は、下位のものが上位のものに見せる服従姿勢もしくは謝罪の姿勢です。あるいはそういったランキングとは全く関係なく、ただ単に「遊び」や「おねだり」といった意味もあります。いずれにしてもあらかじめこの姿勢に慣らしておくと、動物病院などで診察するときなどもスムーズにいくでしょう。
「横に寝そべる」という行為は、下位のものが上位のものに見せる服従姿勢もしくは謝罪の姿勢です。あるいはそういったランキングとは全く関係なく、ただ単に「遊び」や「おねだり」といった意味もあります。いずれにしてもあらかじめこの姿勢に慣らしておくと、動物病院などで診察するときなどもスムーズにいくでしょう。
仰向けの犬を触る
横向きに寝ている犬の脇腹を触っていると、自発的に仰向けになりお腹を見せてくれることがあります。このタイミングを見計らい、触る場所を脇腹からお腹に移してみましょう。じっとしていたら「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。犬が抵抗を示さないようなら3回→4回・・・と触る回数を増やしていき、その度ごとにごほうびを与えます。
【画像の元動画】Massaging Your Dog _ Teacher's Pet With Victoria Stilwell
骨格で覆われておらず、攻撃されると大怪我を負ってしまう腹部をさらすということは、相手を仲間とみなし信頼を置いているという証拠です。犬が自発的にこの姿勢をとってくれるということは飼い主との間にかなり絆が生まれていると考えてよいでしょう。
やってはいけないのは、嫌がる犬を力ずくで倒し、この姿勢をとらせることです。「アルファロール」とも呼ばれるこうした行為は、犬と飼い主の間の信頼関係を壊し、時として攻撃行動を誘発する危険なものです。今まで積み重ねてきたしつけの意味が台無しになりますので、絶対にやってはいけません。
やってはいけないのは、嫌がる犬を力ずくで倒し、この姿勢をとらせることです。「アルファロール」とも呼ばれるこうした行為は、犬と飼い主の間の信頼関係を壊し、時として攻撃行動を誘発する危険なものです。今まで積み重ねてきたしつけの意味が台無しになりますので、絶対にやってはいけません。
触る強さや時間を変えてみる
体中どこを触られても犬が抵抗を示さなくなったら、少しずつタッチの程度を高めていきましょう。今までよりも少し強めの力で触るようにし、触る時間も少しずつ伸ばしていきます。例えば「なでる」→「軽くポンポンと叩く」という強度に上げてみるなどです。ただし「ビシッ!!」と音がするような強さで叩いてはいけません。
公園に散歩に行ったら子供が寄ってきて犬の頭をポンポンと叩くかもしれません。触られることに慣れていればそんなときでも衝動的に噛み付くという危険性を低く抑えることができますよね。
公園に散歩に行ったら子供が寄ってきて犬の頭をポンポンと叩くかもしれません。触られることに慣れていればそんなときでも衝動的に噛み付くという危険性を低く抑えることができますよね。
おやつの回数を減らす
常にごほうびを与えていると犬がごほうび自体に飽きてしまったり、肥満の原因になりかねません。そこでボディコントロールが一通りできるようになったら常にごほうびを与えるというスタイルから、2回に1回→3回に1回→4回に1回・・・という風に徐々に減らしていきましょう。最終的には「いいこ」というほめ言葉だけにします。
NEXT:ハンドリングQ & A集
ボディコントロールQ & A
以下は犬のボディコントロール(ハンドリングエクササイズ)についてよく聞かれる疑問や質問の一覧リストです。思い当たるものがあったら読んでみてください。何かしら解決のヒントがあるはずです。
触ろうとすると犬がうなります
ハンドシャイかもしれません。
「ハンドシャイ」(hand shy)とは人間の手を異常に怖がる状態のこと。しつけや訓練と称して犬を繰り返し叩いた場合に発症する、ある種のPTSD(心的外傷後ストレス障害)です。人間の手は自分に危害を加えるものという記憶ができているため、「うなる」「怒る」「噛み付く」といった威嚇行動によって遠ざけようとします。
人間の場合と同様、PTSDを克服するまでには時間と労力を要します。しかし絶対に治らないものではありませんので、「ハンドシャイをなおす」を参考にしながら対処してみてください。また犬に対する体罰は厳に慎(つつし)んでください。
触るとキャンと鳴きます
どこかに痛みを抱えているのかもしれません。
犬の体を触ると「キャン!」と高い声を出して鳴くとか、ある特定の部位を触ろうとすると嫌がるという場合、怪我や病気などで痛みを抱えている可能性があります。取り急ぎ動物病院を受診し異常がないかどうかをチェックしましょう。また突然そのようなリアクションが現れた場合は、その直前に起こった出来事ややっていたことをよく思い出しておきます。
ご飯中に触るとうなられます
それはフードガーディングです。
「フードガーディング」(food guarding)とは、ごはんやおやつといった食べ物を独り占めしようとする行動のこと。この習性はオオカミにおいて特に顕著ですが犬にもないわけではありません。
ご飯を食べている時やおやつをかじっている時に急に体に触ると、反射的に噛まれてしまうことがありますので気をつけましょう。
寝ている犬を触ったら噛まれました
無防備な犬を触らないでください!
アメリカには「Let sleeping dogs lie」(寝ている犬にちょっかいを出すな)ということわざがあります。このことわざに象徴されるように、睡眠中の無防備な犬を触ることは大変危険です。半分寝ぼけていますので、相手が飼い主であろうが激しい攻撃性を示すことがあります。現にアメリカでは、寝ているペット犬にキスをしようとした男性が鼻を噛みちぎられるという事故がありました。
咬傷事故が起こってしまう危険性があるため、無防備な姿勢で寝ている犬を勝手に触らないようにしてください。起こしたい場合はまず声をかけてからにします。
犬が体をブルブルと震わせます
カーミングシグナルの可能性があります。
「カーミングシグナル」(calming signal)とは不安や緊張をやわらげるためにとる犬特有の行動のこと。犬を触っている最中や触った直後、犬が全身をブルブルと震わせる場合、それはカーミングシグナルかもしれません。
触った後に静電気は起こっていないでしょうか?部屋の湿度が50%を切っていないこと、なでるときに服の袖が接触していないこと、手がゆっくり動いていることなどを確認しましょう。
触り方が雑になっていないでしょうか?子供と犬がコンタクトするときはなるべく親が監督してあげましょう。
犬のカーミングシグナルには「震える」以外に「あくびをする」や「鼻先をなめる」といったバージョンもありますので、ハンドリング前後で不安のサインが出ていないかどうかをよく確かめるようにします。
犬を触るとじんましんが出ます
犬アレルギーかもしれません。
「犬アレルギー」とは犬の体から発せられる特定分子(アレルゲン)に反応し、局所的もしくは全身的な炎症反応が起こってしまうこと。代表的な症状としては目が充血してかゆくなる、くしゃみが出る、皮膚に蕁麻疹や湿疹ができてかゆくなるなどがあります。
犬を触った後で必ずぶつぶつができるというような場合は、一度病院を受診してアレルギーテストを行った方がよいでしょう。犬の被毛に付着している花粉に反応したのか、それとも犬の発するアレルゲンに反応したのかが分かります。
幸せホルモンが出るというのは本当?
犬と人間両方のオキシトシン濃度が高まることが確認されています。
「オキシトシン」(Oxytocin)とは、動物の体内である特定の調整を行う微量物質「ホルモン」の一種。動物同士の絆を深める効果があることから「幸せホルモン」とか「愛情ホルモン」とも呼ばれます。
このオキシトシンは人間と犬の信頼関係を強める効果を持っています。2011年にHandlinらが行った調査では、10名の女性と女性が飼っているオス犬を対象とし、3分間だけ人間が犬をなでたり話しかけたりして交流を持った後、ホルモンや心拍数にどのような変化が生じるかが検証されました。その結果、犬においても人においても、交流の1~5分後に急激なオキシトシン濃度の上昇が確認されたといいます。
体と体が触れ合うような交流のみならず、「お互いに見つめ合う」という行動だけでオキシトシンレベルが高まることも確認されていますので、ボディコントロールのしつけやハンドリングトレーニングは、犬と飼い主の信頼関係を築く上でも大変重要と言えるでしょう。
ハンドリングと合わせ、犬のマッサージも日常的に行うようにしましょう!病気の早期発見につながるほか、オキシトシンを通じて絆が深まります。