犬が飼い主の顔や口をなめる状況
犬がぺろぺろと飼い主の口元をなめています。さて、この時の犬の気持ちは?

飼い主の顔や口をなめるときの気持ち解説

一つ目は上位者に対するオオカミ流のあいさつという意味です。狼は上位の狼(アルファオオカミ)に対して親愛の情を表す時、相手の口元をなめます。この習性が犬に残っているというのが第一の意味です。
二つ目は子犬が母犬に食べ物をねだるときの名残という意味です。昔の犬は、子犬が母犬の口元をなめると蓄えておいた食べ物を口から吐き出して食べさせるという習性がありました(石井宏著「チョッちゃん」内にも、母犬が子犬に吐き戻してえさを与える描写があります)。この習性が現代の犬にも残っており、自分が母親(保護者)とみなしている者に対して母犬に接するときと同様の行動を取るというのが二つ目の意味です。
これら二つの説をあわせて考えると、「成犬が口をなめる」=「自分の上位者や保護者に対する親愛の情」と言えますので、ちょっと甘えた感じで「好きだよ」や「一緒にいて安心させてね」などという表現がよいでしょう。
ちなみに、犬の舌は塩味に対して極めて鈍感にできています。ですから人の顔を舐めても「しょっぱいなぁ」と感じることはおそらく無いと考えられます。
口なめをやめさせるには?
犬の口なめ癖をやめさせたい方は、犬の飛びつく癖をしつけ直すで解説した「タイムアウト」方式が効果的です。これは、犬が顔や口を舐めてきた瞬間、そっぽを向いて遊びや甘えんぼタイムを中断してしまうというものです。
犬にとって楽しい時間を終わらせること自体が罰になり、次第に口なめをやらなくなるはずです。その代わり、口なめを思いとどまった瞬間を見計らい、うんとほめてあげましょう。細かな注意点がたくさんありますので、詳しくは上記しつけページをご参照ください。

犬にとって楽しい時間を終わらせること自体が罰になり、次第に口なめをやらなくなるはずです。その代わり、口なめを思いとどまった瞬間を見計らい、うんとほめてあげましょう。細かな注意点がたくさんありますので、詳しくは上記しつけページをご参照ください。
犬が飼い主の顔や口をなめる動画
犬が飼い主の顔などをなめてくるときは、空腹アピールというよりも人間の子供がお母さんに抱っこを求めるように、何らかのぬくもりを求めている可能性があります。柴犬などの日本犬よりも、人懐こく品種改良された西洋生まれの小型犬にこの傾向が特に強くあります。
こうした結果から研究者は、長い別離の後の再会は、それだけで犬にとってのごほうびになるという可能性を示しました。留守番していた犬が熱烈に口をなめてくるのは「また会えてうれしい!どこにも行かないでね!」ということなのでしょう。 Investigating the Dog-Human Relationship
人の口や顔をなめたがる犬たち
なお2013年に行われた実験では、犬は飼い主と再会するだけで喜びを感じていることが示されました。調査の対象となったのは、30分~4時間に渡って飼い主と引き離された犬。飼い主と再会した時の行動や体内の変化を観察したところ、離れていた時間が長ければ長いほど「体を振る」、「口をなめる」、「しっぽを振る」といった歓迎のあいさつが増えたといいます。また再会に伴って「信頼ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンレベルが上がると同時に、「ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾールレベルが下がる傾向が認められたとも。さらにこの傾向は、飼い主が犬を無視しようが声をかけて触れ合おうが変わらず見られたそうです。こうした結果から研究者は、長い別離の後の再会は、それだけで犬にとってのごほうびになるという可能性を示しました。留守番していた犬が熱烈に口をなめてくるのは「また会えてうれしい!どこにも行かないでね!」ということなのでしょう。 Investigating the Dog-Human Relationship
犬が飼い主の顔や口をなめる写真
