チベタンマスティフの基本情報
チベタンマスティフの歴史・ルーツ
チベタンマスティフは、ヒマラヤ山脈付近の遊牧民とともに暮らしてきた大型犬です。ネパール、チベット、中国、モンゴルなど中央アジアでは、家畜、テント、村、修道院、宮殿などを守護する番犬として活躍しました。しかしその正確な来歴については謎に包まれおり、マルコポーロの「東方見聞録」において「ロバのように背が高く、ライオンのような力強い咆哮(ほうこう)を兼ね備えた犬」という記述が、チベタンマスティフを指し示していると信じている人がいたり、世界中の全ての大型犬の祖先であると信じる人がいたり、様々です。
19世紀になってからはヨーロッパに輸出されることも多くなり、1828年、イギリスのジョージ4世がロンドン動物園に寄贈したり、1847年、インドの総督がヴィクトリア女王へ献上したり、1875年、後にエドワード7世となるウェールズの王子が「Alexandra Palace Dog Show」において自身が輸入したチベタンマスティフを披露したり、といった記録が残っています。
20世紀に入ってからは、1906年に開催されたクリスタルパレスにおけるドッグショーで登場したりしましたが、戦争が始まると徐々に人々の関心は薄れ、イギリス国内ではほとんど絶滅状態になります。さらに1955年、中国がチベットを併合した際は、「全てのチベタンマスティフを殺せ」との命令が下り、原産国チベット国内における個体数が激減してしまいました。しかしすでにヨーロッパやイギリス、アメリカに輸出されていた血統を基にして繁殖計画が立てられ、なんとか絶滅の危機を回避しています。
近年では2006年、アメリカのAKCでワーキンググループとしての公認を受けてから米国内での人気がにわかに高まり、結果として安易な近親交配に拍車がかかったことが問題になりました。また中国では富裕層のステータスシンボルとしても有名で、2011年3月には、1匹におよそ1000万元(約1億5000万円)払った人物が話題になっています(→ビッグスプラッシュ)。
19世紀になってからはヨーロッパに輸出されることも多くなり、1828年、イギリスのジョージ4世がロンドン動物園に寄贈したり、1847年、インドの総督がヴィクトリア女王へ献上したり、1875年、後にエドワード7世となるウェールズの王子が「Alexandra Palace Dog Show」において自身が輸入したチベタンマスティフを披露したり、といった記録が残っています。
20世紀に入ってからは、1906年に開催されたクリスタルパレスにおけるドッグショーで登場したりしましたが、戦争が始まると徐々に人々の関心は薄れ、イギリス国内ではほとんど絶滅状態になります。さらに1955年、中国がチベットを併合した際は、「全てのチベタンマスティフを殺せ」との命令が下り、原産国チベット国内における個体数が激減してしまいました。しかしすでにヨーロッパやイギリス、アメリカに輸出されていた血統を基にして繁殖計画が立てられ、なんとか絶滅の危機を回避しています。
近年では2006年、アメリカのAKCでワーキンググループとしての公認を受けてから米国内での人気がにわかに高まり、結果として安易な近親交配に拍車がかかったことが問題になりました。また中国では富裕層のステータスシンボルとしても有名で、2011年3月には、1匹におよそ1000万元(約1億5000万円)払った人物が話題になっています(→ビッグスプラッシュ)。
チベタンマスティフの性格・特徴
チベタンマスティフの性格は、チベットをはじめヒマラヤ周辺国(ブータン、ネパール、北インドなど)にいる土着の個体は凶暴かつ攻撃的なことで知られています。1970年代、ネパール人の密輸者がチベタンマスティフのクレートの下に密輸品を隠して監視員を遠ざけたという逸話が残っているくらいです。一方、ヨーロッパやアメリカの個体はやや穏やかなものが多いようです。総じて縄張り意識が強く、番犬としては優秀ですが愛玩犬としては熟練したしつけが必要となります。
チベタンマスティフは犬種名に「マスティフ」と入っているもののマスティフとの血縁関係は明確ではなく、ただ単に大きな犬に対して与えられたあだ名のようなものです。しかし体の大きさはマスティフと比べても遜色なく、大きいものでは100キロ近くにまで成長します。しかし大型犬特有の獣臭は比較的少ないようです。長くて厚いダブルコートにはブラック、ブラックタン、レッド系統、ブルーイッシュグレイ、珍しいものではホワイトなどのバリエーションがあります。一部のブリーダーは「モナステリタイプ」と「ノマドタイプ」という分類を用いており、前者は「体高が高くて体重もあり、顔のしわが多い」という特性を有しています。オオカミ同様、年に一度しか発情しないことでも有名です。
チベタンマスティフは犬種名に「マスティフ」と入っているもののマスティフとの血縁関係は明確ではなく、ただ単に大きな犬に対して与えられたあだ名のようなものです。しかし体の大きさはマスティフと比べても遜色なく、大きいものでは100キロ近くにまで成長します。しかし大型犬特有の獣臭は比較的少ないようです。長くて厚いダブルコートにはブラック、ブラックタン、レッド系統、ブルーイッシュグレイ、珍しいものではホワイトなどのバリエーションがあります。一部のブリーダーは「モナステリタイプ」と「ノマドタイプ」という分類を用いており、前者は「体高が高くて体重もあり、顔のしわが多い」という特性を有しています。オオカミ同様、年に一度しか発情しないことでも有名です。
チベタンマスティフのお手入れ・注意点
チベタンマスティフは大型犬にしては寿命が長く、一般的に10~14年程度と言われます。被毛は年に2回、春と秋に大量に換毛しますが、基本的には週に2~3回のブラッシングでよいでしょう。近親交配によって生まれた個体がやや多いため、血統の確認は必須です。