ヒマワリ油の成分
ヒマワリ油とはヒマワリの種子から抽出される植物油のこと。サンフラワーオイル(Sunflower oil)とも呼ばれます。非常にまぎらわしいですが、ベニバナ油を意味するサフラワーオイル(Safflower oil)とは全くの別物です。またメキシコ高原原産のインゲンマメ属多年草「ベニバナインゲン」も別物です。
主な含有成分はリノール酸、リノレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などです。ヒマワリ油は俗に「コレステロールを下げる」などといわれていますが実証したデータはありません。またネット上では「炎症を抑える」と大胆に明言している記事が散見されますが、こちらも実証はされていません。
ヒマワリ油に豊富に含まれるリノール酸(Linoleic acid)はオメガ6脂肪酸に属する多価不飽和脂肪酸の一種。動物はパルミチン酸までの脂肪酸を合成できるものの、他の系列に属する脂肪酸(ステアリン酸やオレイン酸など)からリノール酸やαリノレン酸を合成できません。ですから食餌として摂取する必要のある必須脂肪酸に位置づけられています。
AAFCO(米国飼料検査官協会)が2014年に公表した基準では、フード100kcal中の最少栄養要求量が280mgとされています。また成長期や妊娠・授乳期にある犬では330mgとやや多めになります。

ヒマワリ油に豊富に含まれるリノール酸(Linoleic acid)はオメガ6脂肪酸に属する多価不飽和脂肪酸の一種。動物はパルミチン酸までの脂肪酸を合成できるものの、他の系列に属する脂肪酸(ステアリン酸やオレイン酸など)からリノール酸やαリノレン酸を合成できません。ですから食餌として摂取する必要のある必須脂肪酸に位置づけられています。
AAFCO(米国飼料検査官協会)が2014年に公表した基準では、フード100kcal中の最少栄養要求量が280mgとされています。また成長期や妊娠・授乳期にある犬では330mgとやや多めになります。
ヒマワリ油は安全?危険?
ヒマワリ油を犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはヒマワリ油に関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
脂漏症への影響
脂漏症を抱えた21頭の犬の血液組成を調べたところ、血清中の脂肪酸濃度に関しては臨床症状健康な犬と違いは見られませんでした。一方、皮膚中の脂肪酸濃度に関してはオレイン酸、アラキドン酸の増加及びリノール酸の低下が特徴として認められました。
その後、患犬たちにヒマワリ油を体重1kg 当たり1日1.5mLの割合で経口的に30日間摂取させたところ、皮膚中の脂肪酸濃度が健常な犬と同等となり脂漏症の症状も軽減したとのこと。
調査チームは皮膚に含まれるリノール酸の低下及びアラキドン酸の増加が慢性的な脂漏症の一因になっているのではないかと推測しています(
:Campbell, 1992)。
その後、患犬たちにヒマワリ油を体重1kg 当たり1日1.5mLの割合で経口的に30日間摂取させたところ、皮膚中の脂肪酸濃度が健常な犬と同等となり脂漏症の症状も軽減したとのこと。
調査チームは皮膚に含まれるリノール酸の低下及びアラキドン酸の増加が慢性的な脂漏症の一因になっているのではないかと推測しています(

血清と皮膚脂肪酸への影響
ビーグルの子犬12頭をランダムで3つのグループに分け、「ヒマワリ油」「オリーブオイル」「オイルの添加なし」のいずれかのフードを12週間にわたって給餌しました(
:Campbell, 1992)。
その結果、グループ間で食事の摂取量や成長率に違いは見られなかったと言います。一方、ヒマワリ油グループでは血清リノール酸、ジホモ-γ-リノレン酸、および皮膚リノール酸、アラキドン酸、オレイン酸、αリノレン酸の濃度上昇が確認されました。またオリーブオイルグループでは血清ジホモ-γ-リノレン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、および皮膚のリノレイン酸、αリノレン酸、アラキドン酸の上昇が確認されました。
オイルを添加されていなかったグループでは血清においても皮膚においても変化が見られなかったことから、食事として摂取する脂質の種類によって血清や皮膚中における脂肪酸の素性を変えることができる可能性が示されました。

その結果、グループ間で食事の摂取量や成長率に違いは見られなかったと言います。一方、ヒマワリ油グループでは血清リノール酸、ジホモ-γ-リノレン酸、および皮膚リノール酸、アラキドン酸、オレイン酸、αリノレン酸の濃度上昇が確認されました。またオリーブオイルグループでは血清ジホモ-γ-リノレン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、および皮膚のリノレイン酸、αリノレン酸、アラキドン酸の上昇が確認されました。
オイルを添加されていなかったグループでは血清においても皮膚においても変化が見られなかったことから、食事として摂取する脂質の種類によって血清や皮膚中における脂肪酸の素性を変えることができる可能性が示されました。
膵臓の外分泌機能
子犬が離乳してから生後9ヶ月でなるまでの間、脂質の組成だけが異なるドッグフードを給餌し、膵外分泌機能を比較しました。一方はバージンオリーブオイル、他方はヒマワリ油です(
:Ballesta, 1990)。
その結果、ヒマワリ油においては「リパーゼとアミラーゼの分泌量が多い」「アミラーゼとタンパク質の濃度が高い」という特徴が見られたと言います。またキモトリプシンの活性度と比活性度が低いという特徴も併せて確認されました。
こうした事実から、脂質の組成が膵臓の外分泌機能に影響を及ぼす可能性が示されました。

その結果、ヒマワリ油においては「リパーゼとアミラーゼの分泌量が多い」「アミラーゼとタンパク質の濃度が高い」という特徴が見られたと言います。またキモトリプシンの活性度と比活性度が低いという特徴も併せて確認されました。
こうした事実から、脂質の組成が膵臓の外分泌機能に影響を及ぼす可能性が示されました。
胆嚢と胆汁への影響
1kg中150gの脂質を含んだ2種類のフードを犬に給餌し、胆汁の分泌に変化が生じるかどうかが観察されました。一方はオリーブオイル、他方はヒマワリ油です(
:Ballesta, 1992)。
その結果、胆汁のコレステロールとリン脂質の値に違いは見られなかったと言います。一方、ヒマワリ油グループでは安静時における胆汁酸の濃度と分泌量の増加が確認されました。また食後における同様の変化はオリーブオイルグループでだけ確認されたとも。
調査チームはフードに含まれる脂肪酸の組成が胆嚢および胆汁の反応に影響を及ぼしうると指摘しています。

その結果、胆汁のコレステロールとリン脂質の値に違いは見られなかったと言います。一方、ヒマワリ油グループでは安静時における胆汁酸の濃度と分泌量の増加が確認されました。また食後における同様の変化はオリーブオイルグループでだけ確認されたとも。
調査チームはフードに含まれる脂肪酸の組成が胆嚢および胆汁の反応に影響を及ぼしうると指摘しています。