ドッグフードの食材・原材料
ドッグフードの成分は大きく「食材・原材料」と「添加物」とに分けられます。以下はエネルギー源となる「食材・原材料」の一覧リストです。 「ペットフード公正取引協議会」における分類カテゴリに合わせてご紹介します。
肉類
肉類とは哺乳動物や鳥(家禽)の生肉、内臓と体の一部から生じる全ての副生物のことを指します。加工物であるミートミール、ミートボーンミール、チキンミールなども肉類に含まれます。
哺乳動物の具体例は牛(ビーフ)、豚(ポーク)、羊(マトン or ラム)、鹿(ベニソン)など。海外のフードメーカーが製造した珍しいものとしてはバイソン、カンガルー、ヤギといった肉もあります。
鳥(家禽)の具体例は鶏(チキン)、七面鳥(ターキー)、うずら、あひる(ダック)などです。
哺乳動物の具体例は牛(ビーフ)、豚(ポーク)、羊(マトン or ラム)、鹿(ベニソン)など。海外のフードメーカーが製造した珍しいものとしてはバイソン、カンガルー、ヤギといった肉もあります。
鳥(家禽)の具体例は鶏(チキン)、七面鳥(ターキー)、うずら、あひる(ダック)などです。
魚介類
魚介類には海でとれる産物およびその加工物と加工副産物のすべてが含まれます。フィッシュミール(魚粉)やフィッシュエキス(煮出し液)も魚介類の一種です。
魚類の具体例にはまぐろ(ツナ・まぐろ節)、かつお(かつお節)、あじ、いわし、カレイ、しらす、シロギス、アオギス、さけ(サーモン)、サバ、タイ、タチウオ、タラ、トビウオ、ニシン、ヒラメ、メンハーデンなどがあります。
甲殻類の具体例にはえびやかに、軟体動物の具体例にはたこやいかなどがあります。また貝類の具体例はほたて、さざえ、はまぐり、緑イ貝などです。
魚類の具体例にはまぐろ(ツナ・まぐろ節)、かつお(かつお節)、あじ、いわし、カレイ、しらす、シロギス、アオギス、さけ(サーモン)、サバ、タイ、タチウオ、タラ、トビウオ、ニシン、ヒラメ、メンハーデンなどがあります。
甲殻類の具体例にはえびやかに、軟体動物の具体例にはたこやいかなどがあります。また貝類の具体例はほたて、さざえ、はまぐり、緑イ貝などです。
穀類
穀類とは穀類の穀粒(大きな粒)、挽き割り(中くらいの粒)、穀粉(小さな粒)及びその加工物のことです。
具体的にはトウモロコシ(メイズ・コーン)やそれを砕いたコーンフラワー、小麦やそれを粉にしたり砕いた小麦粉やパン粉、米(玄米)やそれを粉にした米粉、ソルガム(モロコシ属)などが含まれます。また大麦、エン麦(オート, オーツ麦)のほか雑穀やミレットもこのジャンルです。
一般的に「グレインフリー」と呼ばれるフードでは上で述べたような様々な穀類が原材料から省かれています。また「グルテンフリー」といった場合は、特に小麦に含まれているグルテンが含まれていないフードのことを指します。
具体的にはトウモロコシ(メイズ・コーン)やそれを砕いたコーンフラワー、小麦やそれを粉にしたり砕いた小麦粉やパン粉、米(玄米)やそれを粉にした米粉、ソルガム(モロコシ属)などが含まれます。また大麦、エン麦(オート, オーツ麦)のほか雑穀やミレットもこのジャンルです。
一般的に「グレインフリー」と呼ばれるフードでは上で述べたような様々な穀類が原材料から省かれています。また「グルテンフリー」といった場合は、特に小麦に含まれているグルテンが含まれていないフードのことを指します。
豆類
豆類は豆そのものやその加工物、および加工する際に出た副生物全般を含みます。具体的には大豆、脱脂大豆、大豆ミール、きなこ、大豆粉(ソイフラワー)、おから、そら豆、小豆などです。
野菜類
野菜類には野菜やその加工物全般が含まれます。具体的にはにんじん、キャベツ、カボチャ、ほうれん草、トマトなどです。ケールやクレソンなども含まれます。含有量はそれほど多くないため大抵はラベルの後ろの方に記載されています。
糖類
糖類(とうるい)は栄養学的に炭水化物と呼ばれるもの全般を指します。炭水化物は通常、体内で分解してエネルギー源にできる糖質と、消化できない食物繊維に分けられますが、ペットフードのラベル上はそうした分類がなされず両者をひっくるめて「糖類」と表現しているようです。
具体的にはぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、砂糖(ショ糖)、異性化糖、オリゴ糖類蜂蜜などが含まれます。また腸内細菌叢によって代謝される食物繊維の一部も便宜上糖類に含まれます。 例えばフラクトオリゴ糖(FOS)やマンナンオリゴ糖(MOS)などです。
具体的にはぶどう糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、砂糖(ショ糖)、異性化糖、オリゴ糖類蜂蜜などが含まれます。また腸内細菌叢によって代謝される食物繊維の一部も便宜上糖類に含まれます。 例えばフラクトオリゴ糖(FOS)やマンナンオリゴ糖(MOS)などです。
乳類
乳類は生乳とその加工物や加工副生物全般のことを指します。製造工程や水分含量により全脂乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳などに分類されます。また加工品であるホエー(乳清)、チーズ、バター、クリームも乳類に含まれます。ドッグフードではチーズやチーズパウダーが多く用いられているようです。
糟糠類
糟糠(そうこう)とは酒かすとか米ぬかといった意味で、穀類を精白したり製粉した時に出る副生物のほか、それらを加工したもの全般が含まれます。
具体的には米ぬか(玄米の表面部分=ライスブラン)、小麦ふすま(小麦粒の表皮部分)、小麦胚芽、麦ぬか(大麦粒の表皮部分)、オオバコ種皮などです。また「グルテンフィード」と言った場合はトウモロコシからコーンスターチを製造する際に発生する副産物のことを指します。
具体的には米ぬか(玄米の表面部分=ライスブラン)、小麦ふすま(小麦粒の表皮部分)、小麦胚芽、麦ぬか(大麦粒の表皮部分)、オオバコ種皮などです。また「グルテンフィード」と言った場合はトウモロコシからコーンスターチを製造する際に発生する副産物のことを指します。
油脂類
油脂類は植物から取れる油、および動物から取れる脂の総称で、その加工物まで含まれます。また油脂の構成物質である脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、高度不飽和脂肪酸など)も油脂類に含まれます。ドッグフードのラベルにはただ単に「油脂類」とだけ記載されており、動物性なのか植物性なのかがはっきりしないこともしばしばです。
種実類
種実類には植物の硬い殻で覆われた堅果(けんか)や種子が含まれます。具体的にはアーモンド、栗、ゴマ、落花生などです。ドッグフードのラベルで頻繁に見かけるのはチアシードやフラックスシード(亜麻仁)などです。
でん粉
でん粉とは単糖が9つ以上組み合わさってできる多糖類の一種です。米やもち米から精製された米でん粉やもち米でん粉、とうもろこしやワキシーコーン(品種名)から精製されたコーンスターチ、タピオカから精製されたタピオカ(キャッサバ)スターチ、馬鈴薯から精製されたポテトスターチ(いもでん粉)、小麦から精製された小麦でん粉などがあります。
果実類
果実類は果実とその加工物全般を含みます。ドッグフードのラベルではリンゴ、ブドウ、バナナ、各種のベリーなどをよく見かけます。
藻類
藻類(そうるい)には海藻とその加工物すべてが含まれます。具体的にはのり、コンブ、ワカメ、ひじき、クロレラ、スピルリナ、寒天、カラギーナンなどです。なお「海藻」や「海藻ミール」という総称が用いられている場合、具体的に何が入っているかは各メーカーに問い合わせなければわかりません。
きのこ類
きのこ類とは子実体(しじつたい)を有する菌類全般のことです。具体的にはマッシュルーム(シャンピニョン)、えのき、しいたけ、しめじなどが含まれます。一昔前に健康食品として人気があったアガリクスもキノコの一種で、一部のドッグフードに含まれています。
食材・原材料の注意点
ドッグフードのエネルギー源として用いられる食材や原材料に関しては、以下のような点に注意しておく必要があります。
原材料が国産の場合
原材料が国産の場合、食肉を加工する過程においてはと畜場法や食品衛生法などの規制を受けます。また原材料を加工するにしても加工された原材料からペットフードを製造するにしても、「FAMIC」(独立行政法人農林水産消費安全技術センター)による審査に合格して認可を受けなければ営業はできません。認可を受けた業者は「製造基準適合確認事業場」という形で公開されています。
なおラベルに「原産国=日本」と記載されていても、原材料が国産とは限りません。製品の最終加工が行われた国が日本の場合、たとえ原材料が輸入されたものであっても「原産国=日本」と表記できます。
なおラベルに「原産国=日本」と記載されていても、原材料が国産とは限りません。製品の最終加工が行われた国が日本の場合、たとえ原材料が輸入されたものであっても「原産国=日本」と表記できます。
原材料が輸入の場合
原材料を海外から輸入する場合は農林水産省との間で「家畜衛生条件」を締結していなければなりません。平たく言うと日本国内で実行されているリスク管理と同等以上の管理が相手国側でも行われていることを意味します。
例えば国外から肉粉等を輸入しようとする場合は「人間の食用としてと畜された獣畜や食鳥の副産物だけ」、魚介類を輸入する場合は「製造工程において魚粉以外の動物性加工たん白質が含まれていないことがしっかり確認されている」となるでしょう。病気にかかって安楽死処分となった動物や病死した動物など、いわゆる「4D」と呼ばれるような劣悪な原材料が輸入されることは、基本的にはありません。
穀類に関しては ポジティブリスト制度にのっとり農薬のランダムチェックが行われています。上記したのは国によるチェックですが、原材料を輸入したペットフード製造業者が独自の受け入れ規格を設けており、その他の農薬や有害成分に関してチェックしているかどうかは確認しておく必要があります。
例えば国外から肉粉等を輸入しようとする場合は「人間の食用としてと畜された獣畜や食鳥の副産物だけ」、魚介類を輸入する場合は「製造工程において魚粉以外の動物性加工たん白質が含まれていないことがしっかり確認されている」となるでしょう。病気にかかって安楽死処分となった動物や病死した動物など、いわゆる「4D」と呼ばれるような劣悪な原材料が輸入されることは、基本的にはありません。
穀類に関しては ポジティブリスト制度にのっとり農薬のランダムチェックが行われています。上記したのは国によるチェックですが、原材料を輸入したペットフード製造業者が独自の受け入れ規格を設けており、その他の農薬や有害成分に関してチェックしているかどうかは確認しておく必要があります。
ペットフードが輸入物の場合
海外で製造されたペットフードを輸入している場合は、その国における法規制、衛生管理状態、製造基準がどうなっているかを確認しなければなりません。輸入業者が受け入れ規格を設けているかどうか、事前に現地チェックをしっかりしているかどうかを確認しておく必要があります。
海外ですでに製造されたペットフードは家畜伝染病予防法が定める指定検疫物にはなっていませんので、検査の対象にはなりません。使用した原材料が汚染されていないかどうかは現地の製造業者及び輸入を担当している業者のモラルにかかっています。例えば2019年の初頭、有名ペットフードメーカーのウエットフードに過剰量のビタミンDが添加され、一部が日本国内でも流通していたためリコールされたという実例があります。
海外ですでに製造されたペットフードは家畜伝染病予防法が定める指定検疫物にはなっていませんので、検査の対象にはなりません。使用した原材料が汚染されていないかどうかは現地の製造業者及び輸入を担当している業者のモラルにかかっています。例えば2019年の初頭、有名ペットフードメーカーのウエットフードに過剰量のビタミンDが添加され、一部が日本国内でも流通していたためリコールされたという実例があります。
ドッグフードの添加物
ドッグフードの成分は大きく「食材・原材料」と「添加物」とに分けられます。以下はフードの見た目や品質を保つ目的で加えられる「添加物」の一覧リストです。
着色料
着色料とはフードに色を付けるために加えられる物質の総称です。たくさんの種類がありますが、ドッグフードには多くの場合赤みを加える目的で用いられています。しかし犬は赤色を認識できませんので、着色料を用いる理由は飼い主の視覚にアピールして「なんとなくおいしそう」と感じさせることだと考えられます。くすんだグレーよりも赤みがかっていた方が、肉を連想して新鮮かつ高級な印象を与えるということです。
保存料
保存料とはフードの鮮度を保つために加えられる物質の総称です。ドッグフードに用いられているのは8割以上がソルビン酸カリウムですが、人間において使用基準が定められていますので、犬向けの食べ物だからといって大量に入れてよいというものではありません。
発色剤
発色剤とは主に肉類の色を鮮やかに見せるために加えられる物質の総称です。ドッグフードに用いられているのは、ほぼ亜硝酸ナトリウムの一択です。肉の色合いを新鮮な赤色に保つため、ウェットフードによく用いられています。しかし前述したように犬は赤色を認識できませんので、発色剤を用いる理由は飼い主の視覚にアピールすることでしょう。
増粘安定剤
増粘安定剤とはフードに粘り気をもたせて形を安定させるために加えられる物質の総称です。主な目的が食品に粘りやとろみをつけることなら「増粘剤」、食品の型くずれを防ぐことなら「安定剤」(結着剤)、ゲル化することなら「ゲル化剤」とも呼ばれます。
酸味料・調味料
酸味料とは味に酸味を加える成分のことです。調味料とはフードの味を変えて犬の食いつきを良くするために加えられる物質の総称です。ペットフード公正取引協議会の内規により、どちらも添加物の具体的な個別名に代えて一括名(酸味料や調味料)で表示できる添加物に指定されています。ですからドッグフードのラベルではただ単に「調味料」と記載されているだけで、具体的にどのような成分が用いられているのかがわからないこともしばしばあります。
酸化防止剤
酸化防止剤とはフードが酸素と結合して品質が落ちることを防ぐために加えられる物質の総称です。物質名だけから機能を理解することが難しいため、表記する際は「酸化防止剤」という用途を併記することが規定されています。酸化防止剤に関しては、人間向けの食品には全く用いられていない成分が使われていたり、犬に対して毒性を発揮しかねないような成分が平気で使われていますので注意しなければなりません。
その他
サプリメント(その他の添加物)とは分類が難しいときに用いられる便宜上のカテゴリです。犬の健康に影響を及ぼす可能性がある微量成分が含まれます。具体的には酵母(イースト)、セルロース、ユッカシジゲラ、リモナイト、腸内環境を整えるプロバイオティクス、腸内細菌の栄養となるプレバイオティクス、両者の混合であるシンバイオティクスなどです。
添加物の注意点
ドッグフードに用いられている添加物のほとんどは人間向けの食品に用いられる添加物と同じです。しかし注意しなければならない点もあります。
添加物の使用基準
海外で製造されたペットフードを輸入した場合、添加物の使用基準が日本と全く同じとは限りません。日本で定められている上限値を超えたレベルで添加されている危険性もありますので十分に確認しておく必要があります。
日本国内ではアメリカ、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、フランスなどで製造されたドッグフードが流通しています。こうした国では添加物に関してどのような使用基準が定められているのでしょうか?輸入業者はどのような受け入れ規格を持っているのでしょうか?輸入されたフードの成分チェックは行われているのでしょうか?調べておく必要があります。
日本国内ではアメリカ、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、フランスなどで製造されたドッグフードが流通しています。こうした国では添加物に関してどのような使用基準が定められているのでしょうか?輸入業者はどのような受け入れ規格を持っているのでしょうか?輸入されたフードの成分チェックは行われているのでしょうか?調べておく必要があります。
含有量や含有比率
国産であれ輸入物であれ、たとえ使用基準が分かっていたとしても、添加物の含有量まで記載されているドッグフードはほとんどありません。ですから本当にそのフードが安全なのかどうかは検証できないというのが現状です。添加物の含有量や含有比率どうしても知りたい場合は、製造メーカーやフードの輸入業者に直接問い合わせるしかないでしょう。
個々の食材や添加物の使用基準、安全性、危険性、適正量に関しては「ドッグフード成分・大辞典」で、日本国内で販売されているドッグフードに関しては「ドッグフード製品・大辞典」で詳しく解説してあります。