有毒植物が多い場所
犬が植物中毒に陥る危険性は、私たちが想像している以上に身近にあります。2008年に行われた調査で、草を始めとする植物を食べる行為は、犬にとって日常茶飯事であることが明らかになりました。ですから他人事と決め付けず、日頃から犬を植物に近づけないよう用心しておいた方がよいでしょう。
以下でご紹介するのは、犬の散歩をしている途中で遭遇しやすい有毒植物の一覧です。植物名をクリックすると外観写真と毒性データが表示されます。飼い主は危険な場所と植物の見た目を覚えておき、犬が接触しないよう注意しながら散歩する必要があります。
以下でご紹介するのは、犬の散歩をしている途中で遭遇しやすい有毒植物の一覧です。植物名をクリックすると外観写真と毒性データが表示されます。飼い主は危険な場所と植物の見た目を覚えておき、犬が接触しないよう注意しながら散歩する必要があります。
花壇・鉢植え
家庭菜園・畑
庭木・生け垣
植樹帯
公園・庭園
野草・自生
有毒植物の写真と毒性
以下でご紹介するのは犬の散歩をしているときに出くわしやすい有毒植物の基本データです。見た目とともに有害な部位、および誤食した場合の症状などを一覧リストでまとめてあります。
アサガオ
アザレア
アジサイ
アセビ
アマリリス
アヤメ
アロエ
イチイ
イヌサフラン
イラクサ
画像と見た目
📷写真出典:Urtica thunbergiana
危険部位と中毒症状
- 名前【和名】イラクサ(刺草)【英名】Nettle【学名】Urtica thunbergiana
- 有毒成分アセチルコリン | ヒスタミン | 蟻酸 | セロトニン
- 危険部位葉と茎に生えている刺毛
- 時期・季節夏から秋
- 注意すべき場所野草・自生
- 誤食時の症状よだれ | 口や鼻の熱間 | 筋力低下 | ふるえ | 後肢不全麻痺 | 皮膚炎
ウルシ
画像と見た目
📷写真出典:Toxicodendron vernicifluum
危険部位と中毒症状
- 名前【和名】ウルシ(漆)【英名】Lacquer tree【学名】Toxicodendron vernicifluum
- 有毒成分ウルシオール | ハイドロウルシオール
- 危険部位葉 | 乳液
- 時期・季節開花は6月、結実は10月
- 注意すべき場所野草・自生
- 誤食時の症状皮膚炎(漆かぶれ)
オシロイバナ
クリスマスローズ
画像と見た目
📷写真出典:Helleborus orientalis
危険部位と中毒症状
- 名前【和名】クリスマスローズ【英名】christmas rose【学名】Helleborus
- 有毒成分ヘレボリン | ヘレボレイン | ヘレブリゲニン | プロトアネモニン | スプリンチリン
- 危険部位植物全体(特に葉と根)
- 時期・季節1月~3月
- 注意すべき場所花壇・鉢植え
- 誤食時の症状口内の灼熱感 | 腹痛 | 胃炎 | 嘔吐 | 下痢 | 不整脈 | 血圧低下 | 心臓麻痺 | 死亡
ザクロ
ジギタリス
シキミ
ジャガイモ
画像と見た目
📷写真出典:Potato sprouts
危険部位と中毒症状
- 名前【和名】ジャガイモ(馬鈴薯)【英名】potato【学名】Solanum tuberosum L.
- 有毒成分ポテトグリコアルカロイド(ソラニン、チャコニン、ソラマリンなど)
- 危険部位塊茎の皮 | 芽
- 時期・季節春作は5月下旬~6月、秋作は11月下旬~12月上旬
- 注意すべき場所家庭菜園・畑
- 誤食時の症状頭痛 | 嘔吐 | 腹痛 | 胃炎 | 下痢 | 食欲減退 | 頻脈
シャクナゲ
スイセン
スズラン
スミレ
ソテツ
チューリップ
トマト
画像と見た目
📷写真出典:Solanum lycopersicum
危険部位と中毒症状
- 名前【和名】トマト【英名】Tomato【学名】Solanum lycopersicum
- 有毒成分ソラニン
- 危険部位葉 | つる | 芽 | 青い果実
- 時期・季節収穫は7月~8月
- 注意すべき場所家庭菜園・畑
- 誤食時の症状頭痛 | 腹痛 | 嘔吐 | 下痢 | 低体温 | 心血管虚脱
ヒガンバナ
ヒヤシンス
フクジュソウ
フジ
ポインセチア
画像と見た目
📷写真出典:Poinsettia
危険部位と中毒症状
- 名前【和名】ポインセチア(ショウジョウボク)【英名】Poinsettia【学名】Euphorbia pulcherrima
- 有毒成分ホルボールエステル
- 危険部位植物全体
- 時期・季節12月~2月
- 注意すべき場所花壇・鉢植え
- 誤食時の症状嘔吐 | 皮膚炎
ルピナス
ロベリア
ワラビ
画像と見た目
📷写真出典:Fern dsc06699
危険部位と中毒症状
- 名前【和名】ワラビ【英名】western bracken fern【学名】Pteridium aquilinum
- 有毒成分アノイリナーゼ | プタキロサイド
- 危険部位植物全体
- 時期・季節春から初夏
- 注意すべき場所野草・自生
- 誤食時の症状アノイリナーゼによるビタミンB1欠乏症 | プタキロサイドによる骨髄機能障害
上記した以外にも、屋外に自生している「ネギ類」には注意が必要です。
自生しているネギ属一覧リスト
日本国内に自生しているネギ属には「ギョウジャニンニク」「ニラ」「ノビル」「ヤマラッキョウ」「アサツキ」といったものがあります。これらの植物に含まれる「スルホキシド」は急性の貧血を引き起こし、時として死を招く有毒物質として知られています。具体的にはニンニクに含まれる「アリシン」や、玉ネギに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」などです。
居住地域によっては、散歩中の道端に生えていても不思議ではありませんので、各植物の外見くらいは覚えておいたほうが無難だと思われます。
こうした草食行動が、性別、不妊手術の有無、犬種、普段の食餌とは関係なく見られたことから、研究者たちは犬にとって草や植物を食べるという行為はいたって普通のことであると結論付けました。なお、1歳に満たない子犬では、植物を食べる頻度も、そして草以外の植物を食べる頻度も高くなったそうです。このことは、子犬の方が植物中毒にかかる危険性が高いことを意味しています。
居住地域によっては、散歩中の道端に生えていても不思議ではありませんので、各植物の外見くらいは覚えておいたほうが無難だと思われます。
ギョウジャニンニク
📷写真出典:Allium victorialis, Hokkaido Japan
📷写真出典:Allium victorialis
ニラ
📷写真出典:Chinese Chives
📷写真出典:Allium tuberosum
ノビル
📷写真出典:Allium macrostemon
📷写真出典:Allium macrostemon
ヤマラッキョウ
📷写真出典:Allium thunbergii
アサツキ
📷写真出典:Asatuki
📷写真出典:Allium schoenoprasum
アメリカ・カリフォルニア州にある病院に外来として訪れた47人の飼い主を対象とした調査では、日常的に植物に接する機会がある犬のうち、なんと79%もの犬が草や植物を食べたことがあると回答しました。さらに、草を食べる癖がある犬の飼い主を対象としたインターネット調査では、1,571件あった報告のうち、「毎日~週に1回食べる」と回答した人の割合が68%に達したといいます。その内79%は「草」を、そして残りの21%が「草以外」を食べるとも。こうした草食行動が、性別、不妊手術の有無、犬種、普段の食餌とは関係なく見られたことから、研究者たちは犬にとって草や植物を食べるという行為はいたって普通のことであると結論付けました。なお、1歳に満たない子犬では、植物を食べる頻度も、そして草以外の植物を食べる頻度も高くなったそうです。このことは、子犬の方が植物中毒にかかる危険性が高いことを意味しています。
散歩中は犬の行動をよく観察し、有毒植物に近づかないよう十分に注意しましょう。なお散歩中に限らず接触する可能性がある有毒植物に関しては犬にとって危険な有毒植物をご参照下さい。