犬の膣脱の病態と症状
犬の膣脱とは、大きく肥大した膣が外に飛び出し、肉眼で確認できるようになった状態のことです。
「タイプ1」はわずかな反転は見られるものの、突出はしていない状態、「タイプ2」は組織が舌状に突出した状態、そして「タイプ3」は組織が完全に突出し、まるでドーナツのように球形になった状態です。タイプ3まで来ると、一部子宮を含むこともあります。 似たものとして「膣腫瘍」がありますが、腫瘍の方は卵巣の有無とは無関係に発症し、好発年齢は高めです。また「子宮脱」は主として分娩後に見られます。
犬の膣脱の主な症状は以下です。
「タイプ1」はわずかな反転は見られるものの、突出はしていない状態、「タイプ2」は組織が舌状に突出した状態、そして「タイプ3」は組織が完全に突出し、まるでドーナツのように球形になった状態です。タイプ3まで来ると、一部子宮を含むこともあります。 似たものとして「膣腫瘍」がありますが、腫瘍の方は卵巣の有無とは無関係に発症し、好発年齢は高めです。また「子宮脱」は主として分娩後に見られます。
犬の膣脱の主な症状は以下です。
膣脱の主症状
- 膣内からの突出
- 股間をしきりに舐める
- おしっこが出ない
犬の膣脱の原因
犬の膣脱の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
膣脱の主な原因
- 膣の過形成 膣脱の7~8割は、発情前期から発情期にかけて、そして10%は分娩時に発症します。これは、発情によって体内の女性ホルモン(エストロゲン)バランスが崩れ、膣の内壁を異常に分厚くしてしまったからだと考えられています(膣の過形成)。
- 犬種 3歳未満の大型犬に発症しやすいと言われています。具体的には、ボクサー、マスティフ、ブルドッグ、セントバーナード、ラブラドールレトリバー、チェサピークベイレトリバー、ジャーマンシェパード、エアデールテリアなどです。
犬の膣脱の治療
犬の膣脱の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
膣脱の主な治療法
- 保存療法 膣脱は、発情後期~発情休止期の初めころにかけて自然と引っ込んでいきますので、しばらく様子見という形が取られます。具体的には、突出した部分が乾かないよう、無菌潤滑剤で濡らして清潔に保ち、犬が自分自身の股間を舐めてしまわないよう、エリザベスカラーやオムツを装着するなどです。しかし卵巣をそのままにしておくと、次回発情時における再発率は60%以上だとされています。
- 外科手術 膣が外に飛び出すと、細菌感染から膣炎や子宮内膜炎を併発することがあるため、外科手術によって卵巣と子宮を取り除いてしまう場合もあります。これは、卵巣から分泌されるエストロゲンを減らすことで、膣の過形成を起こらないようにするためです。