グルコサミンの成分
グルコサミン(glucosamin)は単糖であるブドウ糖(グルコース)にアミノ基 (-NH2) が付いたアミノ糖の一種です。動物の皮膚や軟骨、カニやエビなどの殻、キノコ類などに多く含まれています。化学構造式は以下。
日本では厚生労働省によって既存添加物の「増粘安定剤
製造用剤」として認可されています。定義は「キチンを塩酸で加水分解し、分離して得られたもの」です。ここで言う「キチン」とはエビやカニなどの甲殻類の甲殻、もしくはイカの甲から酸性水溶液で炭酸カルシウムを除去した後、アルカル性水溶液でタンパク質を除去したもののことを指します。こちらの主成分は「N-アセチル-D-グルコサミン」と呼ばれます。
EFSA(欧州食品安全機関)やJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)では摂取量の上限値が設定されていませんが、「グルコサミン塩酸塩」に関してはマウスにおけるLD50(半数致死量)が体重1kg当たり15gとされています。人間においても「おそらく安全」とみなされており、上記したような極端な量を摂取しなければ健康被害はないだろうとされています(:グルコサミン安全性シート)。なお国際がん研究機関(IARC)で発がん性は確認されていません。
EFSA(欧州食品安全機関)やJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)では摂取量の上限値が設定されていませんが、「グルコサミン塩酸塩」に関してはマウスにおけるLD50(半数致死量)が体重1kg当たり15gとされています。人間においても「おそらく安全」とみなされており、上記したような極端な量を摂取しなければ健康被害はないだろうとされています(:グルコサミン安全性シート)。なお国際がん研究機関(IARC)で発がん性は確認されていません。
グルコサミンは安全?危険?
グルコサミンを犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはグルコサミンに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
人間に対する作用・効果
グルコサミンはグルコサミン塩酸塩またはグルコサミン硫酸塩という形で人間に経口投与されます。主な対象は関節の痛み、関節炎、変形性関節症などです。グルコサミンの効果に関してもコンドロイチン同様、明確に証明されているわけではありません。
例えば2008年6月までの期間に行われた調査報告のうち、無作為化比較試験2報をメタ分析したところ、グルコサミン硫酸塩を3年間という長期に渡って投与された変形性関節症の患者では、関節腔の狭小化がわずかに抑えられたとされています(:Lee YH, 2010)。
その一方、2014年3月までの期間に行われた無作為化プラセボ比較試験5報をメタ分析した所、グルコサミン塩酸塩またはグルコサミン硫酸塩の投与は短期間(3~6ヶ月)だろうと長期間(2年)だろうと、変形性関節症患者における痛みや機能を改善しなかったとされています (:Ann Rheum, 2017)。
上記したように、相反する2つの報告があるためグルコサミンの効果に関しては判然としません。
例えば2008年6月までの期間に行われた調査報告のうち、無作為化比較試験2報をメタ分析したところ、グルコサミン硫酸塩を3年間という長期に渡って投与された変形性関節症の患者では、関節腔の狭小化がわずかに抑えられたとされています(:Lee YH, 2010)。
その一方、2014年3月までの期間に行われた無作為化プラセボ比較試験5報をメタ分析した所、グルコサミン塩酸塩またはグルコサミン硫酸塩の投与は短期間(3~6ヶ月)だろうと長期間(2年)だろうと、変形性関節症患者における痛みや機能を改善しなかったとされています (:Ann Rheum, 2017)。
上記したように、相反する2つの報告があるためグルコサミンの効果に関しては判然としません。
犬に対する作用・効果
グリコサミノグリカンに属するグルコサミンおよびコンドロイチンに関してはこれまで、関節炎もしくは変形性関節症を抱えた犬を対象とした膨大な数の調査が行われてきました。現状をまとめて一行で表すと効果があるともないとも断言できないといったところです。調査ごとにデザインの相違があるため、複数の報告間の単純な比較ができません。このことが結論の一般化を阻んでいます
(:Bhathal A, 2017)。
調査数が膨大なためここでは書ききれません。安全性(危険性)や適正量に関する詳しい内容は「コンドロイチンとグルコサミンが犬猫の関節に良いというのは本当?」にまとめてありますのでご参照ください。