ミスカンサスの成分
ミスカンサス(Miscanthus)とはイネ科ススキ属のこと。ペットフードに用いられているのはジャイアントミスカンサス(M. giganteus)と呼ばれるススキとオギの自然雑種です。
ジャイアントミスカンサスは発酵してエタノールを作るバイオマス原料として期待されていましたが、現在の技術ではまだコスパが合わず実用化には至っていません。しかし温室効果ガスを削減できる可能性が示されていることや、無駄にしてはもったいないという意識から、まったく別の利用法はないものかと模索されています。例えば燃料原料(ペレット状にして)、家畜の敷料、建築資材、吸収剤、紙の原料(パルプ)などです。また一部のペットフードメーカーにより、食物繊維に加工してフードに入れるという試みがすでになされています。
ミスカンサスは安全?危険?
ミスカンサスを犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはミスカンサスに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
12頭のビーグルを対象とし、さまざまな食物繊維を給餌したときの栄養の消化性を検証しました。比較検討に用いられた繊維はビートパルプ、セルロース、そしてミスカンサス。1つの繊維に付き14日間の給餌期間を設け、それぞれの最後の5日間で便を採取し、栄養の消化性を比較しました。
その結果、便のクオリティに関してはセルロース(3.68)やミスカンサス(3.64)よりもビートパルプ(3.15)が低く、統計的に緩くなることが判明したといいます。また水分を含めた便の総排出量を比較したところ、セルロース(254.3g)>ミスカンサス(241.6g)>ビートパルプ(208.5g)の順で多かったとも。ビートパルプと比較し、セルロースとミスカンサスでは乾燥重量の消化性が低くなること、およびセルロース(85.8%)やミスカンサス(85.5%)と比較し、ビートパルプ(81.4%)では粗たんぱく質の消化性が低くなることも明らかになりました。
こうした結果から、ミスカンサスはバイオマス原料としてはセルロースの代わりにならないものの、ペットフードの食物繊維源としては代替原料になりうるのではないかと考えられています(:Donadelli, 2019)。
12頭のビーグルを対象とし、さまざまな食物繊維を給餌したときの栄養の消化性を検証しました。比較検討に用いられた繊維はビートパルプ、セルロース、そしてミスカンサス。1つの繊維に付き14日間の給餌期間を設け、それぞれの最後の5日間で便を採取し、栄養の消化性を比較しました。
その結果、便のクオリティに関してはセルロース(3.68)やミスカンサス(3.64)よりもビートパルプ(3.15)が低く、統計的に緩くなることが判明したといいます。また水分を含めた便の総排出量を比較したところ、セルロース(254.3g)>ミスカンサス(241.6g)>ビートパルプ(208.5g)の順で多かったとも。ビートパルプと比較し、セルロースとミスカンサスでは乾燥重量の消化性が低くなること、およびセルロース(85.8%)やミスカンサス(85.5%)と比較し、ビートパルプ(81.4%)では粗たんぱく質の消化性が低くなることも明らかになりました。
こうした結果から、ミスカンサスはバイオマス原料としてはセルロースの代わりにならないものの、ペットフードの食物繊維源としては代替原料になりうるのではないかと考えられています(:Donadelli, 2019)。
エンドウ豆繊維を「ピーファイバー」と呼ぶのに対し、ミスカンサス繊維を「エムファイバー」と呼ぶこともあります。