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雑穀~安全性と危険性から適正量まで

 ドッグフードのラベルに記された「雑穀」。この原料の成分から安全性と危険性までを詳しく解説します。そもそも犬に与えて大丈夫なのでしょうか?また何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?
成分含有製品 ドッグフードにどのような成分が含まれているかを具体的に知りたい場合は「ドッグフード製品・大辞典」をご覧ください。原材料と添加物を一覧リスト化してまとめてあります。

雑穀の成分

 雑穀(ざっこく)に明確な定義はありませんが、ここでは便宜上、世界三大穀物であるとうもろこし、小麦、米を除いたものとして解説します。一般的なラベル表記例は以下です。

あわ(粟)

 「あわ」はイネ科エノコログサ属の雑穀物です。「もちあわ」といった場合は粘り気が強いタイプを指します。栄養成分は炭水化物70%、タンパク質10%で、その他ミネラルや食物繊維も豊富に含んでいます。ドッグフードの成分として用いられるの一種「あわ(粟)」

エン麦

 「エン麦」はイネ科カラスムギ属の雑穀です。オート麦やオーツ麦などとも呼ばれます。若草は「猫草」として食べられる他、種子は穀物として扱われオートミールとして人間用の食料にもなっています。水溶性食物繊維の大部分を占めるβグルカン源としても利用されます。ドッグフードの成分として用いられるの一種「エン麦(カラスムギ)」

きび

 「きび」はイネ科の一年草に属する雑穀です。粉にして丸めたものは「きびだんご」として食されます。成分は70%が炭水化物、11%がタンパク質、3%が脂質です。「もちきび」といった場合は粘り気が強い品種を指します。なお日本で「もろこし」や「たかきび」と呼ばれる「ソルガムきび」に関してはページを別にして詳しく解説してありますのでリンク先をご参照下さい。 ドッグフードの成分として用いられるの一種「きび」

ハト麦

 「ハトムギ」はイネ科ジュズダマ属の雑穀です。成分は72%が炭水化物、13%がタンパク質、1%が脂質です。果実が栄養源として食される他、ハトムギ茶として飲まれます。ドッグフードの成分として用いられるの一種「ハト麦」

大麦

 「大麦」はイネ科の穀物です。成分は78%が炭水化物、6%がタンパク質、1%が脂質です。「全粒」といった場合は外皮を一切取り除いていない状態、「精白麦」といった場合は外皮を取り除いた状態を指します。また「押麦」とは「精白麦」に水と熱を加えてローラーで押しつぶした状態のものです。「モルトエキス」は大麦の麦芽から抽出した成分のことで、麦芽糖と酵素を豊富に含んでいます。ドッグフードの成分として用いられるの一種「大麦」

そば

 「そば」はタデ科ソバ属の一年草植物です。種子を製粉したものはそば粉となり、そばの原料になります。「玄そば」といった場合は殻のついたままのソバの実、「そば米」といった場合はソバの実をゆでて皮をむき、干したものを指します。そば粉の成分は70%が炭水化物、12%がタンパク質、3%が脂質です。ドッグフードの成分として用いられるの一種「そば」

キヌア

 「キヌア」はヒユ科アカザ属の雑穀です。成分は64%が炭水化物、14%がタンパク質、6%が脂質です。粘り気の強いデンプンを含み、小麦に含まれるグルテンがないため小麦(グリアジン)アレルギーを持っていても摂取できるのが大きな特徴です。ドッグフードの成分として用いられるの一種「キヌア」

シリアル・ミレット

 「シリアル」や 「ミレット」といった漠然とした表現が用いられていることがあります。具体的に何が含まれているかはメーカーに問い合わせなければわかりませんが、「米」や「とうもろこし」なら個別表記するでしょうから、一般的には大麦、えん麦、キビ、アワなど使用頻度の低い雑穀が含まれていると考えられます。

雑穀は安全?危険?

 雑穀を犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?
 犬に各種の雑穀を長期的に給餌した調査記録は見当たりません。エサとして与えてきた長い歴史があるため、「まぁ大丈夫でしょう」という感覚でドッグフードに含まれているものと推測されます。
雑穀の含有量まで記載してあるペットフードラベルはほぼ皆無ですので、安全性の検証ができないというのが現状です。