犬のジステンパー性神経症の病態と症状
犬のジステンパー性神経症とは、感染症の一つであるジステンパーが原因で起こる神経障害のことです。
犬のジステンパーを引き起こすイヌジステンパーウイルスは、鼻やのどから侵入した後、マクロファージと呼ばれる免疫細胞によってリンパ節に運ばれ、そこから血液に乗って呼吸器、消化器、泌尿器、生殖器に拡散します。通常であれば、免疫系が機能してウイルスを少しずつ除去してくれますが、免疫力が低下している個体や、ワクチン接種を受けていない個体においては、ウイルスの増殖を十分抑え込むことができません。その結果、脳や脊髄といった中枢神経系への侵入を許して運動を司る神経が障害されてしまうことがあります。このようにして、意志とは関係なくピクピクと筋肉が痙攣(けいれん)する「ミオクローヌス」を発症してしまった状態が「ジステンパー性神経症」です。
犬のジステンパー性神経症の症状としては以下のようなものが挙げられます。従来、下痢、血便、咳、くしゃみといった、ジステンパーの他の症状とともに発現すると考えられてきましたが、主症状が治まってから数ヶ月~数年経って現れるという症例もあります。
犬のジステンパーを引き起こすイヌジステンパーウイルスは、鼻やのどから侵入した後、マクロファージと呼ばれる免疫細胞によってリンパ節に運ばれ、そこから血液に乗って呼吸器、消化器、泌尿器、生殖器に拡散します。通常であれば、免疫系が機能してウイルスを少しずつ除去してくれますが、免疫力が低下している個体や、ワクチン接種を受けていない個体においては、ウイルスの増殖を十分抑え込むことができません。その結果、脳や脊髄といった中枢神経系への侵入を許して運動を司る神経が障害されてしまうことがあります。このようにして、意志とは関係なくピクピクと筋肉が痙攣(けいれん)する「ミオクローヌス」を発症してしまった状態が「ジステンパー性神経症」です。
犬のジステンパー性神経症の症状としては以下のようなものが挙げられます。従来、下痢、血便、咳、くしゃみといった、ジステンパーの他の症状とともに発現すると考えられてきましたが、主症状が治まってから数ヶ月~数年経って現れるという症例もあります。
犬のジステンパー性神経症の主症状
- ジステンパーの症状(下痢・嘔吐・せき・くしゃみ)
- けいれん
- 昏倒
- 口から泡を吹く
- 失禁
- 四肢の麻痺
- 咬筋のチック症状(顎の筋肉がぴくぴく動く)
犬のジステンパー性神経症の原因
犬のジステンパー性神経症の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
犬のジステンパー性神経症の主な原因
- ジステンパー ジステンパーウイルスが脳の神経細胞を破壊することが原因です。ワクチン接種をしていなかった、接種の時期がよくなかった、ワクチンの質が悪かった、犬の体内で思ったほど免疫力が増強されなかった、など様々な理由でジステンパーを発症することで引き起こされます。
犬のジステンパー性神経症の治療
犬のジステンパー性神経症の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
犬のジステンパー性神経症の主な治療法
- 対症療法 一度ジステンパーを発症してしまうと、効果的な治療法や特効薬はありません。ですから、症状の軽減を目的とした治療が施されます。しかしチック症状や体の一部の麻痺などの後遺症が残ることもしばしばあります。
- ジステンパー予防 ジステンパーにかからないことが最大の治療法ともいえます。まずは生後2ヵ月半以内にワクチン接種を受けることのほか、感染の危険がある場所に立ち入らせないなどの配慮が必要です。