イヌヘルペス感染症の病態と症状
犬のイヌヘルペス感染症とは、イヌヘルペスウイルス(CHV)によって引き起こされる感染症です。
イヌヘルペスウイルスは世界中の犬で普通に見られるありふれたウイルスで、オオカミやコヨーテなど、他のイヌ科動物にも感染することが確認されています。成犬ではほとんど無害ですが、体温調整能力や免疫力が未発達な生後間もない子犬に感染した場合は、腎臓、肺、肝臓などの壊死により大半が死に至ります 。潜伏期間は約1週間で、発症から死亡まではおおむね4~7日です。
犬のイヌヘルペス感染症の症状としては以下のようなものが挙げられます。発症するのは生後1~2週間の子犬がほとんどです。
イヌヘルペスウイルスは世界中の犬で普通に見られるありふれたウイルスで、オオカミやコヨーテなど、他のイヌ科動物にも感染することが確認されています。成犬ではほとんど無害ですが、体温調整能力や免疫力が未発達な生後間もない子犬に感染した場合は、腎臓、肺、肝臓などの壊死により大半が死に至ります 。潜伏期間は約1週間で、発症から死亡まではおおむね4~7日です。
犬のイヌヘルペス感染症の症状としては以下のようなものが挙げられます。発症するのは生後1~2週間の子犬がほとんどです。
イヌヘルペス感染症の主症状
- 乳を飲まなくなる
- 持続的な泣き声
- 嘔吐
- よだれ
- 下痢(黄緑~緑)
- 息切れ
- 肺炎
- 腹痛(おなかを触ると痛がる)
イヌヘルペス感染症の原因
犬のイヌヘルペス感染症の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。感染のほとんどが母犬→子犬というルートであるため、生まれてきた一腹の子犬すべてが感染してしまうというケースも珍しくありません。また妊娠したメス犬が同じ場所に集められている繁殖施設のような場所では、たった1頭の感染犬からウイルスが蔓延し、いわゆる「流産の嵐」と呼ばれる大惨事を引き起こすこともあります。
イヌヘルペス感染症の主な原因
- 垂直感染 母犬の胎内にいるとき、胎盤を経由してウイルスに感染するというパターンです。出産前の3~4週間で母犬が感染した場合、胎盤感染した胎仔はそのまま体内で死んでミイラ化することもあります。また仮に生きて生まれたとしても瀕死の状態です。
- 産道感染 母犬の体から外に出る際、産道に付着したウイルスに感染するというパターンです。
- 経口感染 母犬の口や鼻からの分泌物と子犬の口や鼻が接触することによってウイルスに感染するというパターンです。
イヌヘルペス感染症の治療
犬のイヌヘルペス感染症の治療法としては、主に以下のようなものがあります。なおヘルペスウイルスの生態については完全には解明されていないため、今のところ有効なワクチンは存在しません。
イヌヘルペス感染症の主な治療法
- 保育器への隔離 発症してしまった子犬を救うことは、ほぼ不可能に近いといわれます。感染犬の近くにいた兄弟姉妹犬を救うため、保育器に隔離して体温を38度以上に保つことがありますが、これも確実な方法ではありません。