エリソルビン酸ナトリウムとは何か?
エリソルビン酸ナトリウム(sodium erythorbate)とは魚肉ねり製品やパンなどに用いられる酸化防止剤の一種です。「イソアスコルビン酸ナトリウム」とも呼ばれ、ビート(甜菜)、さとうきび、とうもろこしなどから生成されます。化学構造式は以下です。 成分の分類上は「酸化防止剤」に属し、食品が酸素と結合して品質が低下することを防ぐ作用を持っています。主な用途は肉製品やソフトドリンクへの添加です。特に肉製品に対しては発がん性が確認されているニトロソアミンの生成を抑えるというプラスアルファの効果も示唆されています(:Scanlan, 2000)。
エリソルビン酸ナトリウムの安全性情報・概要
- 厚生労働省=指定添加物
- IARC=発がん性なし
- EFSA=使用基準6mg/体重1kg/日
- JECFA=使用基準なし
- ペットフード=データなし
日本での安全性情報
エリソルビン酸ナトリウムは日本では厚生労働省によって指定添加物として認可されています。使用基準は特に設定されていませんが、「魚肉すり身を除く魚肉ねり製品やパンにあっては、栄養を補給する目的で使用してはならない」「その他の食品にあっては酸化防止の目的以外に使用してはならない」というルールが定められています。なお保存料として用いられるソルビン酸とは別物です。
海外での安全性情報
ドッグフードに入れると危険?
エリソルビン酸ナトリウムを犬に対して長期的に与えた場合の安全性や危険性に関してはよくわかっていません。
ちなみに2013年、一般的な日本人による酸化防止剤の摂取量調査がマーケットバスケット方式で行われ、エリソルビン酸に関しては1日0.2mg(体重1kg当たり0.003mg程度)と推計されました(:厚生労働省)。マウスを対象とした試験における無毒性量(NOAEL)は体重1kg当たり1日650mgですので、使用基準の20万分の1程度ということになります。
ちなみに2013年、一般的な日本人による酸化防止剤の摂取量調査がマーケットバスケット方式で行われ、エリソルビン酸に関しては1日0.2mg(体重1kg当たり0.003mg程度)と推計されました(:厚生労働省)。マウスを対象とした試験における無毒性量(NOAEL)は体重1kg当たり1日650mgですので、使用基準の20万分の1程度ということになります。
摂取ルートは調味料、嗜好飲料経由で0.1mg、魚介類、肉類、卵類経由で0.1mgという内訳です。