リコピンとは何か?
リコピン(lycopene)は赤みがかった果物や野菜に含まれる直鎖状のカロテノイドの一種。果物ではピンクグレープフルーツ、アンズ、グアバ、野菜ではトマトやスイカなどに多く含まれています。 成分の分類上は「着色料」に属し、フードの色合いを調整して犬の食いつきを良くする作用を持っています。
リコピンの安全性情報・概要
- 厚生労働省=既存添加物
- IARC=発がん性なし
- EFSA=0.5mg/kg/日
- JECFA=使用基準なし
- ペットフード=使用基準なし
日本での安全性情報
日本においてリコピンは厚生労働省によって「トマト色素」もしくは「トマトリコピン」が既存添加物として認可されており、「着色料」として利用されています。使用基準は特に設定されていません。定義は「トマトの果実から得られたリコピンを主成分とするもの」で、合成リコピンや菌類(Blakeslea trispora)から人工的に合成されたリコピンとは区別されます。
海外での安全性情報
ドッグフードに入れると危険?
犬における最小中毒量は体重1kg当たり840mg程度と推定されています。 ドッグフードに用いられるリコピンはほとんどがトマト由来で、なおかつ目的は着色ですので上記したような大量の色素が添加されることはないでしょう。
注意すべきはサプリメントとしての摂取ルートです。かつては「リコピンが前立腺癌に効く」と言われていた時代があり、薬効を確認するための動物モデルとして犬が用いられていました(:Murray, 2001)。この調査では体重1kgあたり1日30mgのリコピンが給与されましたが、犬の健康に悪影響は出ませんでした。
注意すべきはサプリメントとしての摂取ルートです。かつては「リコピンが前立腺癌に効く」と言われていた時代があり、薬効を確認するための動物モデルとして犬が用いられていました(:Murray, 2001)。この調査では体重1kgあたり1日30mgのリコピンが給与されましたが、犬の健康に悪影響は出ませんでした。
ドッグフードに含まれているリコピンは着色料です。前立腺疾患を予防する効果はありませんし、仮にあったとしても前立腺を持たないメス犬には全く無関係です。サプリメントなど凝縮された形では与えないでください。