トップ犬の食事ドッグフード成分・大辞典着色料三二酸化鉄

三二酸化鉄~意味や目的から安全性まで

 ドッグフードのラベルに記された「三二酸化鉄」。この成分の意味・目的から安全性までを詳しく解説します。何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?
成分含有製品 ドッグフードにどのような成分が含まれているかを具体的に知りたい場合は「ドッグフード製品・大辞典」をご覧ください。原材料と添加物を一覧リスト化してまとめてあります。

三二酸化鉄とは何か?

 三二酸化鉄(さんにさんかてつ)とは食品を赤や黄色に染めるときに用いられる着色料です。赤みが強いものはベンガラ(弁柄 or 紅殻)、黄色みが強いものは黄色三二酸化鉄とも呼ばれます。三二酸化鉄~黄・赤・茶・黒 成分の分類上は「着色料」に属し、フードの色合いを調整して犬の食いつきを良くする作用を持っています。
三二酸化鉄の安全性情報・概要
  • 厚生労働省=指定添加物
  • IARC=発がん性なし
  • EFSA=未設定
  • JECFA=使用基準0~0.5mg/体重1kg/日
  • ペットフード=不明

日本での安全性情報

 日本において三二酸化鉄は厚生労働省によって指定添加物として認可されており、赤こんにゃく(赤の場合)やバナナ(黄色の場合)の着色に用いられていることで有名です。使用基準は特に設定されていません。

海外での安全性情報

 三二酸化鉄を粉塵として肺から摂取した場合は健康被害が生じる可能性もありますが、口から摂取した場合は安全だと考えられています。IARC(国際がん研究機関)の発がん性分類リストでは、口ではなく肺から吸い込んだ場合「3」、すなわち「人に対する発がん性が認められない」とされています。ただし、体に必要な鉄分を摂る目的での添加は推奨されていません。
 三二酸化鉄のJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)基準における一日摂取許容量(ADI)は黄色も赤も体重1kg当たり0~0.5mgです。なおEFSA(欧州食品安全機関)では入手可能なデータが限られているため遺伝毒性や発がん性を評価できないとしています。

ドッグフードに入れると危険?

 三二酸化鉄を犬に対して長期的に与えた場合の安全性や危険性に関してはよくわかっていません。
三二酸化鉄は医薬品添加物としても使用できますが、薬効や栄養的な価値は全くありません。