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調査を行ったのは、韓国にあるソウル国立大学の獣医学チーム。片側性の潜在精巣(精巣が正常な位置にない状態のこと)を持つ生後18ヶ月のジャーマンシェパードから、正常と異常両方の精巣を摘出し、エストロゲン受容器α(ERα)とプロゲステロン受容器(PR)の発現様式に違いがあるかどうかを比較しました。
Jung HY, Yoo DY, Jo YK, et al. Laboratory Animal Research. 2016;32(2):128-132. doi:10.5625/lar.2016.32.2.128.
- エストロゲン受容器
- 女性ホルモンの一種「エストロゲン」は主として脂肪細胞で産生され、2種類の受容器(ERαと ERβ)は精巣を含めたほとんどすべての細胞に存在している。ERα受容器がないオスのマウスは不妊になるため、精巣内において何らかの形で生殖能力の維持に関与していると推測されている。
正常精巣と潜在精巣
- 正常な精巣ERαの免疫反応が精細管の間質部分(ライディッヒ細胞内)で発見された/ERαの免疫反応は潜在精巣に比べて極めて弱かった/プロゲステロンの免疫反応は精子細胞でのみ発見された
- 潜在精巣ERαの免疫反応は精細管の間質部分(ライディッヒ細胞)および基底部(セルトリ細胞)の両方で発見された/ERαの免疫反応は正常な精巣に比べて極めて強かった/プロゲステロンの免疫反応は一切検知できなかった
Jung HY, Yoo DY, Jo YK, et al. Laboratory Animal Research. 2016;32(2):128-132. doi:10.5625/lar.2016.32.2.128.