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調査を行ったのは、デンマーク・オーフス大学の動物科学チーム。「本物の犬」(ラブラドール系)、「交流型のアザラシロボット」(パロ)、「ぬいぐるみの猫」(ビリー)のいずれかを引き連れた実験者が、デンマーク国内にある4つの施設に入居した老人合計100人を週2回のペースで訪問し、1人につき合計12回の交流セッションを設けました。
調査期間の前後において、認知力テスト(MMSE)、うつ傾向(GDS)、認知症レベル(GBS)などを行い、老人たちが見せる交流の仕方を詳細に観察したところ、以下のような傾向が浮かび上がってきたと言います。
老人の交流刺激因子
- 直接的な反応や交流は、同伴したパートナーの種類によって変化する
- 犬とパロは身体的な接触、アイコンタクト、言語によるコミュニケーションを促す
- パロよりも犬の方が長期にわたって関心を引きつける
- 認知力が衰えている人ほど動物との交流が多く、人間への働きかけが少ない