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被毛が短い短毛種や毛質が硬いワイヤー種の口の中を覗いてみると、たまに歯茎から毛が生えている状態に出くわすことがあります。人間の身体の場合、通常は生えない場所に生える毛は「宝毛」や「福毛」などと呼ばれ、幸運の印と考えられることもありますが、犬の口から生えた毛は「宝」でも「福」でもありません。この毛は、何らかの理由で自分の体を舐めたり被毛かじったときに歯茎に刺さった抜け毛の一部です。
こうした「クズ毛」を放置しておくと、歯茎に炎症が起こったり食べかすが付着して歯垢や歯石の原因になる危険性があるため、なるべく早く取り除いた方が無難です。また再発を予防するため、かゆみや痛みなど犬が自分の体を舐めてしまうような基礎的な疾患がある場合は、そちらに対しても適切なアプローチをします。歯磨きのついでに毛が挟まっていないかどうかを確認する習慣を持てば、いち早く発見することができるでしょう。
Subgingival hair: An embedded predicament