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長期療養施設におけるセラピードッグの効果

 長期療養施設に入院する患者を対象としたセラピードッグの効果が検証され、セッション後の笑顔と発話回数が大幅に増えることが明らかになりました(2016.1.4/アメリカ)。

詳細

 調査を行ったのはアメリカ・イースタンケンタッキー大学の研究チーム。資格を持ったセラピードッグとそのハンドラーの訪問によって、患者の心にどのような変化が起こるかを調査するため、1回15分のセッションを週1で5週連続行いました。具体的な評価項目は、「老年期うつ指標」(GDS)、「セッション後に笑顔を見せる回数」、「セッション後に言葉を発する回数」です。自室内で犬と交流する調査グループと、庭でくつろぐ対照グループを観察し、セッションの前後において各評価項目を計算したところ、以下のような結果になったといいます。
セラピードッグの効果
  • 老年期うつ指標調査グループでは2.2→3.0/対照グループでは1.6→1.8
  • セッション後の笑顔の平均回数調査グループでは21.4/対照グループでは2.8
  • セッション後の発話回数調査グループでは15.8/対照グループでは3.2
 こうした結果から研究チームは、犬との交流(1回15分×5週)は「老年期うつ指標」に大きな変化はもたらさないものの、セッション後の笑顔の回数と発話回数に関しては大幅に上昇させる効果があるとの結論に至りました。頭数に限りがあるセラピードッグの効果を最大限に生かすためには、どのような頻度でどのくらいの時間行うのがベストなのかを、今後も精査していく必要があるでしょう。 犬のアニマルセラピー Dog visitation in long-term care and its effects on depression セラピードッグと交流して笑顔を見せる老婦人