バチルスサブチリスの成分
バチルスサブチリスは安全?危険?
バチルスサブチリスを犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはバチルスサブチリスに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。
人間における効果・安全性
人間においては、アサヒバイオサイクルがバチルス・サブチリスの「C-3102」と呼ばれる菌株を熱心に研究しており、すでにさまざまな効果を検証・報告しています。具体的には「女性の大腿骨の骨密度を増加させる」「ビフィズス菌を増やす」「腸内細菌叢の多様性を高めて軟便を改善する」「機能性胃腸症の症状が軽減する」などです。
人間向けのサプリメントとしては、生きて腸まで届く枯草菌として「ビオマイン®」などがすでに市販されています。
人間向けのサプリメントとしては、生きて腸まで届く枯草菌として「ビオマイン®」などがすでに市販されています。
犬における効果・安全性
犬を対象としバチルス・サブチリスのC-3102菌株を経口投与した調査がいくつか行われています。EFSA(欧州食品安全機関)による最終評価は「犬に対しても環境に対しても害はない/皮膚および眼刺激性はない/わずかだが便の乾燥重量が増加し硬さが増す(=軟便が改善する)かも」というものです。ただし最後の効果に関しては相反する報告があるため「疑問の余地あり」(questionable)という慎重な態度を示しています。
以下は実際に行われた給餌試験の結果です。結論から述べると、犬においてかろうじて期待できる効果は「軟便の改善」で、改善幅はそれほど大きくありません。また人間で報告されているような骨密度やビフィズス菌量の増加効果や、家畜動物で報告されている感染防御能の増加や便臭の改善効果は実証されていません。 12頭のビーグル犬(7~8ヶ月齢)をランダムで2つのグループに分け、一方にだけ大豆油とともにカルスポリン®を含んだフード(10億CFU/kg)を30日間に渡って給餌し、最後の5日間で便を採取して対照グループと比較しました。その結果、pHや便の量に違いは見られなかったものの、サプリメントグループでは便の乾燥重量比率(39.1%:36.5%)と便スコア(3.4:3.0)が高く、逆にアンモニア濃度が低い(0.45%:0.56%)という特徴が見られたといいます(:Felix, 2010)。 16頭のビーグル犬(4~8歳)をランダムで2つのグループに分け、一方にだけカルスポリン®含有フード(10億CFU/kg)を28日間に渡って給餌し、給餌前および給餌開始7→14→21→28日後のタイミングで便を採取して対照グループと比較しました。その結果、サプリメントグループでは給餌7日後の時点で便の乾燥重量がすでに高かった(30.8%:27.3%)といいます。しかし4週間後の時点で便スコアのわずかな減少(2.85:3.30)が確認された以外、統計的に有意なレベルの格差はなかったとも(:EFSA, 2017)。 16頭のビーグル犬(4~8歳)をランダムで2つのグループに分け、一方にだけカルスポリン®を33日間に渡って給餌し、給餌試験最終日に便を採取して対照グループと比較しました。その結果、サプリメントグループでは便の乾燥重量が高かった(33.9% :30.3%)といいます。また便スコア4(正常な硬さ)の割合に関し、サプリ55.9%に対し対照が32%だったとも(:EFSA, 2017)。 慢性下痢症を患うペット犬40頭をランダムで2つのグループに分け、一方にだけカルスポリン®をフード1kg中100mgの割合で4週間に渡って経口投与し、飼い主の主観で便のクオリティを評価してもらいました。その結果、便臭に関しては統計的に有意なレベルの改善が見られたといいます。また有意とまではいかないまでも鼓腸の発生頻度と見かけの便発酵性でも改善傾向が見られたとも。一方、しぶり腹(なかなかうんちが出ない)、便量、食糞行動に格差はなかったそうです。その他、飼い主の主観では被毛のコンディションが改善し、下痢症状が重い犬ほど改善幅が大きかったといいます(:Paap, 2016)。
以下は実際に行われた給餌試験の結果です。結論から述べると、犬においてかろうじて期待できる効果は「軟便の改善」で、改善幅はそれほど大きくありません。また人間で報告されているような骨密度やビフィズス菌量の増加効果や、家畜動物で報告されている感染防御能の増加や便臭の改善効果は実証されていません。 12頭のビーグル犬(7~8ヶ月齢)をランダムで2つのグループに分け、一方にだけ大豆油とともにカルスポリン®を含んだフード(10億CFU/kg)を30日間に渡って給餌し、最後の5日間で便を採取して対照グループと比較しました。その結果、pHや便の量に違いは見られなかったものの、サプリメントグループでは便の乾燥重量比率(39.1%:36.5%)と便スコア(3.4:3.0)が高く、逆にアンモニア濃度が低い(0.45%:0.56%)という特徴が見られたといいます(:Felix, 2010)。 16頭のビーグル犬(4~8歳)をランダムで2つのグループに分け、一方にだけカルスポリン®含有フード(10億CFU/kg)を28日間に渡って給餌し、給餌前および給餌開始7→14→21→28日後のタイミングで便を採取して対照グループと比較しました。その結果、サプリメントグループでは給餌7日後の時点で便の乾燥重量がすでに高かった(30.8%:27.3%)といいます。しかし4週間後の時点で便スコアのわずかな減少(2.85:3.30)が確認された以外、統計的に有意なレベルの格差はなかったとも(:EFSA, 2017)。 16頭のビーグル犬(4~8歳)をランダムで2つのグループに分け、一方にだけカルスポリン®を33日間に渡って給餌し、給餌試験最終日に便を採取して対照グループと比較しました。その結果、サプリメントグループでは便の乾燥重量が高かった(33.9% :30.3%)といいます。また便スコア4(正常な硬さ)の割合に関し、サプリ55.9%に対し対照が32%だったとも(:EFSA, 2017)。 慢性下痢症を患うペット犬40頭をランダムで2つのグループに分け、一方にだけカルスポリン®をフード1kg中100mgの割合で4週間に渡って経口投与し、飼い主の主観で便のクオリティを評価してもらいました。その結果、便臭に関しては統計的に有意なレベルの改善が見られたといいます。また有意とまではいかないまでも鼓腸の発生頻度と見かけの便発酵性でも改善傾向が見られたとも。一方、しぶり腹(なかなかうんちが出ない)、便量、食糞行動に格差はなかったそうです。その他、飼い主の主観では被毛のコンディションが改善し、下痢症状が重い犬ほど改善幅が大きかったといいます(:Paap, 2016)。
ドッグフードのラベルでは多くの場合、「バチルス・サブティリス」だけで菌株も含有比率も記載されていません。これでは何を目的に添加しているのかも、どんな効果が期待できるのかもわかりませんね。