詳細
調査を行ったのはアメリカ・ユタ州にあるブリガムヤング大学のチーム。犬に対して指差しジェスチャーを出す際、「ニュートラル」、「ポジティブ」、「ネガティブ」という3つの機嫌モードを絡めたところ、以下のような結果が見られたと言います。なお「ポジティブ」とは「高い声+笑顔」、「ネガティブ」とは「低い声+しかめっ面」のことです。
こうしたデータから調査チームは、過去の実験が示しているような「ポジティブなモードが犬の行動を促進する」といった現象は確認できなかったものの、「ネガティブなモードが犬の行動を遅延させる」という現象は確認できたとしています。 Does affective information influence domestic dogs' (Canis lupus familiaris) point-following behavior? Your dog doesn't trust you when you're angry, study finds
指示者の機嫌と犬の反応
- ニュートラル餌がある場所への指示→○
餌がない場所への指示→○ - ポジティブ餌がある場所への指示→○
餌がない場所への指示→○ - ネガティブ餌がある場所への指示→△
餌がない場所への指示→△
こうしたデータから調査チームは、過去の実験が示しているような「ポジティブなモードが犬の行動を促進する」といった現象は確認できなかったものの、「ネガティブなモードが犬の行動を遅延させる」という現象は確認できたとしています。 Does affective information influence domestic dogs' (Canis lupus familiaris) point-following behavior? Your dog doesn't trust you when you're angry, study finds
解説
今回の調査で明らかになった知見は、犬に対して何らかのコマンドを出すときに役立ってくれそうです。犬に指示を出すときは、「少なくとも不機嫌ではない」ということを明確に伝えるため、いつもよりも少し高い声を出した方がわかりやすいでしょう。逆にやってはいけないのが、イライラしながら低い声で「おすわり!」などと乱暴に指示を出すことです。これでは犬が「なんか不機嫌だなぁ…」と感じて行動に移るまでの時間が伸びてしまいます。その結果「飼い主が不機嫌になる→口調がネガティブになる→犬の行動が遅延する→飼い主がますます不機嫌になる・・・」といった悪循環に陥ってしまうでしょう。