トップ2016年・犬ニュース一覧4月の犬ニュース4月1日

ご褒美を目の前にした犬の眼球は本当に火照っている

 赤外線サーモグラフィーを用いた調査により、おやつを前にして目を輝かせている犬の眼球は、本当に温度が上昇しているという事実が明らかになりました(2016.4.1/イタリア)。

詳細

 調査を行ったのは、イタリアの複数の大学からなる共同研究チーム。19頭の犬(オス11頭+メス8頭)を対象に、「何もしない」→「大好きなおやつを与える」→「何もしない」というフェーズを10分ずつ設け、その間の眼球温度、動作、心拍数、心拍変動の変化を観察しました。その結果、「大好きなおやつを与える」という第2フェーズにおいてのみ、しっぽ振りの増加、および眼球温度と平均心拍数の著明な上昇が見られたと言います。また心拍変動(SDNN)の変化は第3フェーズでのみ観察されたとも。
 こうした事実から研究チームは、赤外線サーモグラフィーを用いた眼球温度の観察は、感情の変化を捉えることはできるが、それがポジティブなのかネガティブなのかを見分けることまではできないとの結論に至りました。 How good is this food? A study on dogs' emotional responses to a potentially pleasant event using infrared thermography サーモグラフィーを通してみた犬の顔面部の温度勾配

解説

 「赤外線サーモグラフィー」とは、対象から発せられる赤外線を感知して視覚化する機械のことです。温度が低い場所は黒、高い場所は白で示されます。近年は一般向けの安価なサーモグラフィーが販売されていたり、アタッチメントとしてスマホに装着できるタイプのものも販売されています。状況によって犬の眼球温度がどのように変化するかを実験してみるのも面白いでしょう。ただし、機械の価格が5万円前後と高額であるため、馬鹿らしいと思う人は従来通り「しっぽの振り方を見る」というアナログなやり方で十分だと思われます。 犬の心を読む訓練