オーニーとは?
オーニー(Owney)は、郵便列車で合計23万キロメートルもの距離を移動した犬。
1888年のある日、アメリカ・ニューヨークにあるアルバニー郵便局に、一匹の野良犬が現れました。局員として働いていたオーウェンという名の人物は、早速彼を飼うことにします。さらに、彼の可愛さにほれ込んだ郵便局員たちが局長を説得し、局内に連れてくる許可も取り付けました。ここで彼は飼い主の名前から「オーニー」と呼ばれるようになります。
オーニーは郵便袋の臭いがお気に入りらしく、いつもその上で眠っていました。しまいには、袋の移動に合わせて自分自身も移動するようになります。この癖が高じ、最終的に彼は、郵便物を運ぶ列車にも同乗するようになりました。オーニーは行く先々で可愛がられ、「彼の乗った列車は事故を起こさない」というジンクスが生まれたことから、幸運のしるしとまで言われるようになります。
しかし彼の移動には誰かが付き添っていたわけではないため、しばしば数ヶ月単位で行方をくらませることもあったようです。不在期間が長くなるにつれ、彼のホームタウンであるアルバニーの局員たちは、迷子になったときに備えて首輪を付けるようになりました。この首輪に触発されたのかどうかはさておき、それ以降、彼が訪れた郵便局では、局独自のタグをつけるようになります。このタグ付けは一種の流行となり、最終的には1,000個以上のタグが集まったようです。
この膨大な数のタグに象徴される彼の人気は、当時のアメリカ合衆国郵政長官ジョン・ワナメイカーをも動かしました。彼は1894年、オーニーを鉄道事業の公式マスコットとして採用したのです。 晴れて公式マスコットとなったオーニーの遠征は、国内だけにとどまりませんでした。1985年8月には、列車のみならず、何と蒸気船にまで乗って、アジアやヨーロッパなどを巡っています。4ヶ月後の同年12月、無事ニューヨークに帰国した際には、アメリカ中の新聞がこの偉業を大々的に報道し、彼の人気はいよいよ全国区となりました。 そんなオーニーが死亡したのは、ちょうど10歳を迎えた1897年のことです。理由は、「トレド郵便局の職員に噛みついたから」だと伝えられています。彼の攻撃性の理由が老衰からくる性格の変化のためか、もしくは鎖につながれるという不慣れな扱いのためかは定かではありません。しかし6月11日、彼はトレドの地で息を引き取りました。 オーニーの残した功績は大きく、彼を称える様々な記念品が作成されています。一例を挙げると、1904年に「セントルイス万国博覧会」で公開されたオーニーの彫像や、クリーヴランドで作成された銀の記念スプーンなどです。さらに近年では、彼をデザインにあしらった記念切手が、2011年に発行されています。 Owney National Postal Museum


この膨大な数のタグに象徴される彼の人気は、当時のアメリカ合衆国郵政長官ジョン・ワナメイカーをも動かしました。彼は1894年、オーニーを鉄道事業の公式マスコットとして採用したのです。 晴れて公式マスコットとなったオーニーの遠征は、国内だけにとどまりませんでした。1985年8月には、列車のみならず、何と蒸気船にまで乗って、アジアやヨーロッパなどを巡っています。4ヶ月後の同年12月、無事ニューヨークに帰国した際には、アメリカ中の新聞がこの偉業を大々的に報道し、彼の人気はいよいよ全国区となりました。 そんなオーニーが死亡したのは、ちょうど10歳を迎えた1897年のことです。理由は、「トレド郵便局の職員に噛みついたから」だと伝えられています。彼の攻撃性の理由が老衰からくる性格の変化のためか、もしくは鎖につながれるという不慣れな扱いのためかは定かではありません。しかし6月11日、彼はトレドの地で息を引き取りました。 オーニーの残した功績は大きく、彼を称える様々な記念品が作成されています。一例を挙げると、1904年に「セントルイス万国博覧会」で公開されたオーニーの彫像や、クリーヴランドで作成された銀の記念スプーンなどです。さらに近年では、彼をデザインにあしらった記念切手が、2011年に発行されています。 Owney National Postal Museum