ラッシーとは?

「ラッシー」という名をアメリカ全土に広めたのはエリック・ナイトですが、本当の生みの親はイギリスの小説家エリザベス・ガスケル(右肖像)です。彼女は1859年、イギリス国内で「The Half-brothers」という小説を出版しました。内容は、「ラッシー」という名のメスのコリーが、雪山で遭難した幼い兄弟を救うというものです。エリック・ナイトが「Lassie Come-Home」を発表したのは、「The Half-brothers」が世に出てから80年後の1940年ですから、彼がガスケルの小説に着想を得たことはまず間違いないでしょう。

1951年、7本目を区切りとして映画のラッシーシリーズが終焉を迎えると、パルの飼い主兼トレーナーだったラッド・ウェザーワックス氏は、「ラッシー」という名とトレードマークを商標として獲得し、各種のイベントに出演するようになります。

架空のキャラクターながらラッシーの残した足跡は大きく、著名人の代名詞「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」にプレートを残すことを許されています。また、ショービズ界をテーマにした雑誌「Variety」は、「20世紀を代表する100アイドル」として、動物界で唯一ラッシーをノミネートしています。 Lassie Lassie(TV Series)
ラッシーの写真・動画
以下でご紹介するのは、映画やテレビがシリーズ化されたことで有名な犬「ラッシー」の写真と動画です。

初代ラッシーを演じたオスのコリー「パル」(Pal)。写真の出典はこちら。

ラッシー人気は映画だけにとどまらず、雑誌、テレビ、アニメ、ラジオなど、あらゆるメディアに広まった。写真は、ラジオ局NBCで番組のプロデューサーを務めたフランク・フェリンとラッシーのツーショット。写真の出典はこちら。

テレビシリーズでは映画版「ラッシー」を演じたパルは登場せず、その代わり彼の子供5匹がラッシーを演じた。メス犬という設定のラッシーを演じているのが、実は複数のオス犬であるという点は興味深いところ。写真の出典はこちら。

1972年からはアニメシリーズ「LASSIE'S RESCUE RANGERS」が開始された。アニメでは「森を守るレンジャー一家の飼い犬」という設定になっている。ちなみに日本でも、1996年にフジテレビ系列アニメ「世界名作劇場」で「名犬ラッシー」(全25話)が放映された。写真の出典はこちら。
映画「Lassie」(1963)