ゲラートとは?
ゲラート(Gelert)は、ウェールズにある「ベズゲラート」という村名の元になったといわれる犬。
ゲラートに関するお話にはいくつかのバリエーションがあるようです。その中で最も代表的なものは、ウェールズ北東の村「ベズゲラート」にある記念碑に記されたバージョンでしょう。この記念碑は、村の中にある「ゲラートの墓」と呼ばれる場所の傍らに立っているものです。概要は以下。
13世紀頃、この地にはリウェリン王子の宮殿があった。ある日、王子が狩猟から帰ると、愛犬のゲラートが歓喜して出迎えてくれた。しかしふと口元を見ると血だらけだ。さらに部屋の中には一面の血だまりと、ひっくり返されたゆりかごがある。
犬の狼藉(ろうぜき)により赤ん坊を殺されたと思った王子は、とっさに刀剣を抜き、犬の脇腹めがけて深く突き刺した。ゲラートは断末魔の叫びを上げながら息絶えた。それと同時に、どこからともなく赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。我に返った王子がゆりかごを取り除いてみると、そこにいたのは無傷の赤ん坊と、血まみれで息絶えているオオカミだった。ゲラートの口についていたのはオオカミの血だったのだ。
王子は自責の念にさいなまれ、赤ん坊の命を救ってくれたゲラートのために盛大な式典を催した。しかし愛犬の断末魔の叫びがいつまでも耳から離れず、それ以降、王子が笑顔を見せることはとうとうなかったという。 この伝説が残る土地に「ゲラートの墓」を意味する「ベズゲラート」(Beddgelert)という名がつけられたのは、それからだといいます。 Gelert Beddgelert

犬の狼藉(ろうぜき)により赤ん坊を殺されたと思った王子は、とっさに刀剣を抜き、犬の脇腹めがけて深く突き刺した。ゲラートは断末魔の叫びを上げながら息絶えた。それと同時に、どこからともなく赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。我に返った王子がゆりかごを取り除いてみると、そこにいたのは無傷の赤ん坊と、血まみれで息絶えているオオカミだった。ゲラートの口についていたのはオオカミの血だったのだ。
王子は自責の念にさいなまれ、赤ん坊の命を救ってくれたゲラートのために盛大な式典を催した。しかし愛犬の断末魔の叫びがいつまでも耳から離れず、それ以降、王子が笑顔を見せることはとうとうなかったという。 この伝説が残る土地に「ゲラートの墓」を意味する「ベズゲラート」(Beddgelert)という名がつけられたのは、それからだといいます。 Gelert Beddgelert