詳細
調査を行ったのはアメリカ・タフツ大学の獣医学チーム。犬や猫に対して虐待をする人間は、人間の子供に対しても同様の行為をする可能性が高いという事実が確認されているため、獣医療の現場に連れてこられた動物の怪我が、偶発的な事故によるものなのか、それとも意図的な虐待によるものなのかを判別することは、動物虐待と幼児虐待の両方を予防する上で極めて重要な意味を持っています。
調査チームは2009年1月~2013年6月までの間、タフツ大学付属の救急動物病院で実際に扱った交通事故による外傷例と、ニューヨークのASPCA(動物虐待防止協会)が扱った動物虐待による外傷例とを症例として集めました。その結果、交通事故例は47頭の猫(平均5.4歳/4.5kg)と379頭の犬(平均4.5歳/22kg)からなる426件が集まり、動物虐待事例は19頭の猫(平均1.9歳/3.0kg)と31頭の犬(平均2.5歳/7.9kg)からなる50件が集まったと言います。 両者で大きく異なっていたのは、死亡率のトータル(安楽死+治療中の死+来院時点での死)が、事故例では「8.9%」だったのに対し、虐待例では「40%」と極めて高い値を示した点です。また事故例と虐待例それぞれに多い外傷の種類も明らかになりました。倍率はお互いを比較対象とした時の値です(※脱手袋損傷=手の先や足の先の皮膚がベロンと剥がれた状態)。
調査チームは2009年1月~2013年6月までの間、タフツ大学付属の救急動物病院で実際に扱った交通事故による外傷例と、ニューヨークのASPCA(動物虐待防止協会)が扱った動物虐待による外傷例とを症例として集めました。その結果、交通事故例は47頭の猫(平均5.4歳/4.5kg)と379頭の犬(平均4.5歳/22kg)からなる426件が集まり、動物虐待事例は19頭の猫(平均1.9歳/3.0kg)と31頭の犬(平均2.5歳/7.9kg)からなる50件が集まったと言います。 両者で大きく異なっていたのは、死亡率のトータル(安楽死+治療中の死+来院時点での死)が、事故例では「8.9%」だったのに対し、虐待例では「40%」と極めて高い値を示した点です。また事故例と虐待例それぞれに多い外傷の種類も明らかになりました。倍率はお互いを比較対象とした時の値です(※脱手袋損傷=手の先や足の先の皮膚がベロンと剥がれた状態)。
事故に多い外傷
- 擦過傷(24倍)
- 仙腸関節脱臼(13倍)
- 脱手袋損傷(9倍)
- 気胸(6倍)
- 骨盤骨折(3倍)
- 肺挫傷(2倍)
虐待に多い外傷
- 過去の骨折歴(120倍)
- 頭蓋骨骨折(15倍)
- 歯の破折(7倍)
- 目の強膜出血(4.5倍)
- 肋骨骨折(4倍)
- 指先の損傷(3倍)
- 脊椎骨折(3倍)
動物虐待者の特徴
- 発言内容が曖昧でコロコロ変わる
- 過去にも外傷での受診歴がある
- 短期間に繰り返し怪我をする
- 他の動物が過去に死んでいる
- 動物に対する無関心な態度
- 動物が飼い主に恐怖行動を見せる
- 飼い主によって報告された怪我の理由と実際の所見とが食い違っている
解説
事故例では四肢の先端や骨盤から下の領域の外傷が多くなるという特徴が見いだされました。これはオートバイや車から逃げようとしているタイミングで衝突されることが多いからだと推測されます。一方、虐待例では頭や肋骨(特に上部)の骨折が多くなるという特徴が見いだされました。これは虐待者が拳や足先、あるいは鞭や棒のような道具を用いて動物に危害を加えたからだと推測されます。
相対的に犬よりも猫の方が犠牲になるケースが多かった理由としては、「猫に対する先入観や迷信」、「よそよそしい態度で憐憫を引き起こしにくい」、「外をほっつき歩いている確率が高い」などが考えられます。また、比較的若齢の動物が犠牲になりやすい理由としては、「飼い主の言うことを聞かない」、「放浪衝動が強い」、「体力がない」、「反撃の術を知らない」、「逃げるのが下手」などが考えられています。 虐待を受けた動物を多い順に並べると、短毛猫(32%)、ピットブル(18%)、チワワ(10%)、ヨークシャーテリア(6%)だったとのこと。どうやら虐待者には「弱いものや小さいものをいたわろう」という常識が通用しないようです。中には「代理ミュンヒハウゼン症候群」(MSP)といって、自分に対する注目を集めたいがために、動物や子供を虐待して病院に駆け込むという病的な人間もいますのでやり切れません。身近にこんな人いませんか?
相対的に犬よりも猫の方が犠牲になるケースが多かった理由としては、「猫に対する先入観や迷信」、「よそよそしい態度で憐憫を引き起こしにくい」、「外をほっつき歩いている確率が高い」などが考えられます。また、比較的若齢の動物が犠牲になりやすい理由としては、「飼い主の言うことを聞かない」、「放浪衝動が強い」、「体力がない」、「反撃の術を知らない」、「逃げるのが下手」などが考えられています。 虐待を受けた動物を多い順に並べると、短毛猫(32%)、ピットブル(18%)、チワワ(10%)、ヨークシャーテリア(6%)だったとのこと。どうやら虐待者には「弱いものや小さいものをいたわろう」という常識が通用しないようです。中には「代理ミュンヒハウゼン症候群」(MSP)といって、自分に対する注目を集めたいがために、動物や子供を虐待して病院に駆け込むという病的な人間もいますのでやり切れません。身近にこんな人いませんか?
MSPにありがちな特徴
- 飼っているペットが次々に死ぬ
- 死に方が不自然だったり死因が不明
- 怪我をしたペットの写真をしょっちゅうブログにアップしており、怪我はそのたびに違う