犬と猫が一緒に仲良く暮らす秘訣
2010年12月27日 ペットプレスより引用
あなたの家のペットは犬?猫?それとも両方?
テルアビブ大学が先日発表した世界初の研究発表によると、犬と猫がうまくやっていくためにはちょっとした秘密があるというのだ。
発表された研究によると、猫が犬より先にペットとして飼われている状態で、犬が1歳未満、猫が6ヶ月未満の時期に一緒に暮らし始めると2匹は意気投合する確立が高いと言う。詳細な研究結果は動物行動科学ジャーナルに掲載されている。
「今回初めて同じ家に住むペット、犬と猫に関する科学的な研究が行われました。」と語るのはテルアビブ大学の動物学部のジョセフ・ターケル教授。「全米で1/3以上の家庭でペットが飼われており、2匹目は違う種類、犬を飼っている人なら次は猫、猫を飼っている人なら次は犬を飼うことを考えるという調査結果が得られました。」 犬と猫の両方を飼っている200人にインタビュー調査を行い、ビデオ撮影や動物の行動を分析した結果、テルアビブ大学の研究者たちは犬と猫はある条件が揃えば幸福な状態で共生可能だと結論を発表した。
ターケル教授と研究を補助した大学院生ネターリ・フューラースタインは、彼らが調査を実施した2/3以上の家庭で犬と猫は良好な関係を保っていることがわかった。だが、犬と猫を飼っている全ての家庭で“ペット円満”というわけではない。調査を行った家庭の25%は犬と猫はお互いに無関心、10%の家庭ではケンカや攻撃になることがあるという。攻撃状態になる理由のひとつは、お互いに攻撃に移る前の“ボディ・ランゲージ”があまりにも違うことにあるのではないかと推察されている。犬と猫は互いのボディ・ランゲージを読み違えているというのだ。例を挙げると、猫は怒るとしっぽを激しくむち打つように動かすが、犬はうなり声を上げ、背中を弓にようにしならせて攻撃するぞと伝える。猫はご機嫌だとのどをゴロゴロ鳴らすが、犬はしっぽを振る。猫の頭を下げるしぐさは攻撃するぞと伝えているが、犬の場合は相手への服従を意味する。お互い全く違うのだ。
犬と猫の両方を飼っている家庭を研究しているうちに、ターケル教授は驚くべきことを発見した。「犬と猫は互いにお互いの言葉、ボディ・ランゲージを含めて理解するようになるのです。猫は犬の言葉を、犬は猫の言葉を理解するようになるのは驚きました。」とターケル教授。
特にターケル教授の関心を引いたのは、犬と猫は互いの“語学の素質”を伸ばし互いのボディ・ランゲージを理解するようになるだけでなく、研究を始める以前は懐疑的だったが、共通の言葉を持っているのではないかと推測されている。いったん互いの存在やボディ・ランゲージに慣れてしまうと、犬と猫は互いに遊び、鼻と鼻をくっつけて挨拶を交わし、ソファーで一緒に眠るようになる。水を飲むボウルも共有し、互いにグルーミングするようになる犬と猫もいる。
テルアビブ大学の調査チームは、さらに調査を進め、犬と猫だけの関係を超えて人間にも応用できないかと考えている。密接な関係を持つ近所つきあいや仕事の同僚、さらに国同士にも。ターケル教授は「犬と猫が種を超越してうまくやっていけるのなら、人間同士でうまく行かないわけがないと思いませんか?」